B’zを少し知った今、もう一度「ペインキラー」を考えてみる
こんにちは、あんこです。
先日ペインキラーを解釈した記事を投稿しました。
ここで初めて投稿した記事でもあります。
さて今回は、この記事で書いたことを踏まえつつペインキラーについて考えていきます。
またかよ…と言われたらもうぐうの音もでないんですけれども。
いやですね、最近はB’zの今まで聴いたことがなかった曲を片っ端から聴いているんですが。
いろいろと聴いてるうちに、「あれ?」とちょっと思うところがあったんです。
なので、あくまでこの前とは違う切り口で、ペインキラーをもう一度見ていきたいと思います。
B’zの恋愛ソング
B’zについて全く知らなかった頃の私の印象は、次のようなものでした。
はいここです。
「恋愛ソングは強気で遊びまくっているような感じでしょう」
つまり、B’zの歌にも恋愛ソングはあるだろうけど、悲哀とかピュアとか、そういうのは少ないだろうなと勝手に思っていたわけです。
そして今。追い始めたばかりですが、一言言いたいことがあります。
叶わぬ恋・忘れられない恋・不倫の歌までめちゃくちゃ多彩やんけ
これは衝撃でしたね。
有名なクリスマスソングに「いつかのメリークリスマス」がありますが、実はあれも詳しい歌詞は知らなかったんです。
曲調はしっとりめだから、「仲睦まじい2人が小さな幸せを噛み締めるような歌なんだろうな〜」ぐらいに思ってました。
無知って怖いもんです。
で、特に「不倫系」の歌があることに驚きました。
あとは「身体の関係」だったり、アダルトな雰囲気の歌とか。
闇の雨、紅い陽炎、確かなものは闇の中あたりを聴いた時の気持ちを察して欲しい。
これについては、いつか改めて書きたいですね。
それぐらい衝撃でした。
かと思えば、恋じゃなくなる日のようなリアルすぎて切ない恋愛事情を歌われた曲もあったり…
…といろいろなB’zの恋愛ソングを聴いていくうちに、「これペインキラーも恋愛視点で見れるんじゃないか?」と思ったわけです。
恋愛ソングとして見たペインキラー
1番
前回の解釈では、ワタシとアナタの関係性として
「ワタシ→アナタの一方通行の恋」であり、
「鎮痛剤の役割を果たすのはワタシ」と書きました。
ここの解釈は今でも変わってません。
しかし、「鎮痛剤の役割とはなんなのか?」をもう一歩踏み込むと、少し別の見方もできるんじゃないかと。
前回はペインキラー(鎮痛剤)という単語を、「ワタシはアナタの痛みを殺す役割を果たしている」という概念的な解釈に留めて読解しました。
ですがこの概念にもっと肉付けをして、直接的に考えてみます。
するとその後の歌詞の印象もだいぶ変わってきます。
そう、よくいろいろな曲中の背景でも出てくる「肉体関係」です。
「肉体関係」と一概に言いましたが、
ペインキラーは「ワタシ→アナタの一方通行の恋である」という背景が読み解けます。
これらを組み合わせると、俗に言われる「セフレ」になるんでしょうか。
ワタシは恋愛感情を持ってアナタと行為をするけれど、アナタは「心のヒビ」や「鎮痛」を求めてワタシと行為をする。
つまりアナタは行為そのものに目的があるため、別段のことはないと。
ここまでを踏まえて1番の歌詞を見ると、
「その頬が緩むのを見ては震え
生きてること噛みしめりゃ
惨めなんかじゃない」
これは、
「ワタシを求めて頬を緩めるアナタを見て、その繋がりに喜んでいる。
その行為に愛はないと分かっているが、愛する人との行為に喜びを感じられている今の自分は惨めなんかではないと、必死に言い聞かせてる」
になり、
「ハマってください どっぷりもっと
どうでもいい思いだと分かっていても
愛に溢れる日々を 迂闊にも夢見る」
これは
「この関係にもっと溺れて欲しい。
身体の繋がりから愛を錯覚してしまうが、
愛に溢れる日々はこないのだろう。
そんなこと分かっているが、どうしてもいつかと夢見てしまう」
という感じになるかなと。
結構ニュアンス変わってきますよね。
狂気よりかは、ワタシの必死な一途さと誤魔化しきれない諦観が強調される気がします。
2番
この調子で2番も見ていきます。
「心のヒビ埋めるフィラー
期限付きの魔法を捧げましょう
アナタから漏れ出る歌
それこそワタシ」
これは
「心の乾きを満たすため、期限付きの魔法(行為・肉体)を捧げましょう。
その際にアナタから漏れ出る歌(声や体液…?)で、ワタシの(鎮痛剤としての)価値を感じることが出来る」
みたいな感じでしょうか。
「捧げましょう」という言葉から、2人の熱量や質に差を感じますね。
「やりたい」という意味では2人とも同じなんでしょうけど、
「この人としたい」という想いはアナタにはないんだろうな〜
しかも性欲なんて一定周期で湧きますからね。
定期的に湧き上がる欲を、一時の快楽によって霧散する。
まさに期限付きの魔法ですね。
そして皮肉なことに、期限付きの魔法だからこそ、ワタシはアナタと何度も繋がることができると。
「ハマってください どっぷり今は
いなくて済むならその方がいいなんて
I know 時間とともに
波のように消える」
これは、
「どうか今だけでもワタシにどっぷりハマって欲しい。
こんな関係ならいなくて済むに越したことはないと理解はしている。
ならば…と心は何度も揺れ動くが、
結局はいつもその選択肢は消えてしまう。
その様はまるで寄せては返す波のようだ」
という感じになりますかね。
うーんやっぱり、記事①よりも記事②の解釈のアナタの方が凄い切なく感じますね。
何も気づかずにいる方が幸せなのではないかと思ってしまうぐらい、ワタシは苦しい境地を彷徨していると思います。
結末
Cメロの
「夕暮れは偽りなく2人を染めた
覚えてるのは多分1人だけ
誰もが同じ場所なんて見ちゃいない」
はあまり解釈は変わらなかったです。
2人で見た景色。
アナタを愛するワタシにとっては特別な時間であり思い出だが、
アナタにとっては何でもない時間なんだろう、という…
そこまで分かっていて、「多分」と希望を捨てきれないワタシのいじらしさに、改めてギーッ!ってなりますね。
傍から見てると「そんな男・女もう別れなよ…」「どうみても可能性ないよ…」というパターンでも、本人は頑なに離れなかったりするからな…
人は理屈じゃ動きません。
恋愛だと尚更です。
バカになっちゃいますからね(流石に語弊がある)
さて、遂に最終局面です。
「触れない場所があってもいいよ
映えない包帯の役割でもいい
ほんのつかの間でいい
こっちに手を伸ばして
ハマってください どっぷりずっと
ワタシ無しではダメになって欲しい
いつか傷だらけで抱きしめ合えたらね」
「触れない心があってもいい。
心の支えのような、映えるものじゃなくてもいい。
ほんのつかの間でいいから、"ワタシ"に意識を向けて欲しい。
ワタシがいないと生きていけないぐらい、ワタシという沼に溺れて続けて欲しい。
今はワタシだけがアナタの傷を癒す包帯の役割をしているけれど、
2人とも傷だらけでも互いに癒し合える。
いつかそんな時がきたら…」
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん私はこの解釈も好きですね。
「今は痛みを殺すため、心のヒビを埋めるため、アナタに関係を求められているワタシ。
そんな利害の一致、ペインキラーとしての役割を満たすため抱き合うのではなくて、
2人が傷だらけでも互いに抱きしめ合えるような、そんな関係が成就すればいいな…」
と、現実を察しながらもアナタを求め続け、最後まで希望を捨てきれなかったワタシの物語という側面を強く感じました。
総括
少し前提条件を具体的にしただけで、思ったより印象変わりましたね〜!!!
歌詞は1文字も変わってないのに凄いな…
そもそもそんな歌詞かける稲葉さんが凄いんだけども…
記事①でのワタシは
「人間の心理を利用してでもアナタを手に入れようとする、深い愛ゆえの狂気」
という、どちらかというと怖さすら感じましたが、
記事②でのワタシは
「アナタとの将来を薄々理解しつつも、それでも希望を捨てきれず、アナタとの未来を諦められずに今の関係を続けるワタシ」
という、健気なような、報われないような…そんな切なさの方が印象強いです。
言葉って不思議ですね。
見る際の角度、前提、人によって、こうも変わってしまうとは…
どんな事実もある人にとっては真実であり、別の人にとっては虚構なんでしょうね。
紛争が無くならないわけだなぁと、なんだかこの歌に関係あるんだかないんだかみたいな感想を抱きました。
ちなみに、Pleasure2023 味の素スタジアムでは
終演後のBGM(規制退場待ちの時に流れる曲)が
まさかの「ペインキラーのみ」だったんですが、あれもいろいろ考えちゃいましたね。
ライブを浴びた直後に、35年走り続けてきた方々に
「ワタシ、アナタのペインキラー」
「ハマってください どっぷりずっと」
と言われ続けるのアマリニモですよ本当に…
つーか本当にペインキラーがドツボすぎて苦しいです。
気を抜くとずーっとペインキラーのこと考えてます。
ペインキラー好きな人が好きな曲を知りたい…
真っ先にその歌を聴きにいくから…
ちなみに最近聴いた曲で好きだと思ったのは「MOVE」です。
シングルカップリング曲に良曲潜ませすぎだって!!!!!!
あんこでした。