『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』小藪千豊(著)
この本を手に取った理由は、自分は元々ゲームが好きで「フォートナイト」が好きだからです。最近親子でコミュニケーションがうまく取れていなかったり、なんで子どもがこんなにゲームに熱中するのか分からないという親や大人の方に是非読んでほしい一冊です。
また、フォートナイトを知らない人でも読みやすい本となっています。
※少しネタバレ注意です。
吉本新喜劇に所属する芸人「小藪千豊」さん、父として親から子供に教えるという一方通行で、ある時期まで親子の会話の多くは将来訳立ちそうなこと、知っておいて欲しいことばかりを話していたそうです。
それが一変したのは小藪さんが「フォートナイト」にハマってから。父と息子の会話に良い変化が起きたそうです。
・ゲームは時間の無駄
元々小藪さんは子供たちにゲームをやらせたくなかった『ゲーム反対派』の親でした。
ある日その状況が変わります。娘さんが幼稚園の年中さんになった頃、同い年の子たちでゲーム、当時は3DSが主流でそれをしている時、娘さんは同じものをもっていなかったためうまく輪に入る事が出来なかった事を嫁さんから聞きます。さすがに可哀そうだという事で3DSを与える事となりました。
その時をきっかけに小藪家にはゲームが身近なものとなっていきます。
・ゲームが全く興味がなかった僕が、どういう過程でフォートナイトにハマったのか
小藪さんには息子さんもいてよくゲームを一緒にしないか誘われていたそうです。その中の一つにフォートナイトがありました。
渋々やってみるものも、説明もないままスタートしたので意味が分からない、訳が分からないまま敵に倒され終了、何も面白くないそれがフォートナイトの最初の印象だったそうです。
それから何度も息子さんに「もうちょっとでハマるから」と付き合わされてプレイ、繰り返していくうちにフォートナイトをやりたい気持ちが芽生えていきました。息子さんに武器の事を質問したり、下手くそでも十分楽しい、今より少しでも上達したいと思うようになったそうです。
フォートナイトにハマって何か月か経ち、仲の良いスタッフとシンガポールに行き、そこで家庭用ゲーム機Switchを発見し購入します。当時は品薄のため値が上がっており、定価で見つけられるのは珍しかったみたいです。
それから旅行中みんなが寝ている間、仕事と仕事の空き時間、暇さえあればフォートナイトをプレイしていきます。
・罪悪感からYoutubeでチャンネルを開設
シンガポール仲間のディレクターが「Youtubeをやりませんか?」と声をかけてきました。政治や将棋を提案してきましたが、断り「フォートナイトならやります」と言い放ちます。お金を稼ぐというのが本分という父、暇さえあればゲームをやっている事の罪悪感をYoutubeという仕事の中で扱う事によって、消えると思ったそうです。
ディレクターとYoutubeのチャンネル名について考えます。先人の配信者が一からやってきた事と同じスタートにしたいという事から、名前を伏せ、「フォートナイト下手くそおじさん」というチャンネル名でデビューします。
・やっぱ舐めたらあかんよね、Youtube
デビューしたはいいものの生配信に全く視聴者がきません。小藪さんはこの時、脳内を「こんなん誰が見たいねん、思いっきり下手くそな中年の、知らん奴のフォートナイト」という声が駆け巡ります。半ば名前を伏せて良かったのか考えるようになります。
このままチャンネル数が増えなければ、ディレクターや仲間たちはノーギャラ、由々しき事態となっていきます。
・誰も見ていない生配信
見ている人は大体2人、2人と表示されても、1人はコメントチェック用の小藪さんのスマホ、もう1人は仲間の確認用。つまり、実際はゼロ。誰も見ていないという事です。小藪さんはこの時の事を「誰も見ていない状態の生配信は、ただの電機消費。それを分かっていても喋らないといけない。誰かぁー!と叫んでも、誰にも届きません。変な感じでした。」と言っています。
そんなある日、誰も見ていないと嘆いた小藪さんたちに「こんちゃーこんちゃー見てますよ」と励ましのお言葉きました。
この時、小藪さんは「もっとコメントをしてもらって、自分の生配信に引き留めようと、おっさんは必至でした。」と言っています。
「あなた天使ね!何歳?」
ー9歳です。
それから何度かコメントが来てそれに返すを繰り返し。
マッチが終了した後、スマホを見ると嫁からLINEが来て入る事に気づき、その子うちの子やで(笑)
親のYoutubeがあまりにも過疎っているのを見て、哀れに思った息子さんが自発的にサクラとなっていたそうです。
・下手くそおじさんが小藪だとバレ出してきたら
テレビ局のプロデューサーがゲーム好きYoutuberにチャンネルのことを宣伝してくれたお陰で生配信に遊びに来て、チャンネルを広めてくれたそうです。チャンネル数が50人から400人なり、ここからチャンネル登録者数が一気に増えていきます。
・フォートナイトやってよかったこと僕にとっても「ツレ」や「師匠」になった息子
小藪さんは次のように言っています。「親として、人生の先輩として、いろんなことを子供たちに伝えようと努力してきました。勉強をした方が良い理由など、話しても聞いているふりをしているのは分かっていました。」
「それが一変したのは、フォートナイトにハマってから。ツレが休み時間に話ているようなゲームの話、親子で揃って熱中するものが出来たおかげでクドクド親とそれを逃れようとする子の会話でない、共通の話題での平等な会話ができるようになったのです。」
「また、フォートナイトに関する基礎知識を教えてもらう、思い返せば、息子から何かを真剣に教えてもらう事もなかったです。今は完全に息子が師匠です。ただ、教わっていても、伝わりにくいなど言ってチラチラ親の顔は出していきます。将来、説明がちゃんとできる大人になって欲しいので良い教訓になっているかもしれません。」
また、子供には宿題ややるべき事をやってからゲームをする、ゲームの時間を決めたりなどはしっかり教育しているようです。
その後、小藪さんはフォートナイトで親子大会を開き、スポンサー企業がつくなど大きく飛躍していきました。(チャンネル登録者数は2023年5月の時点で約12万人)
親と子の共通する、熱中する事、趣味、仕事に繋がる事、それが小藪さんにとっては「フォートナイト」だったという事、他の親子さんも子どもの熱中している事に少しでも寄り添う、歩み寄る事ができれば幸せに繋がるのかと思いました。
◆お知らせ
5月21日(日)に緑川が以下イベントを開催します。
親子で参加できるストリーマーへの第一歩!ゲーム配信・実況ワークショップ!!
https://www.kokuchpro.com/event/haishin202304/