魔法のじゅうたんに乗ったふたり
理想の人間関係を考えたときに、真っ先に僕の頭の中に思い浮かぶのは、あの男女ふたり組のことである。
彼と彼女は、お互いの異なる個性を認め合い、そして、お互いにその才能を高め補い合うことで
1+1=♾️
を実現したという点で
まぎれもなく
最高の仕事仲間だったと言えるだろう。
でも、僕からすると、2人は、お互いのことをそれ以上の存在として認め合っているように見えた。
すなわち、
彼は彼女と
彼女は彼と
出会えたことで
いつかこの世界を去るという事実が
たまらなくかなしい出来事に思えるくらい
自分の人生は素晴らしく豊かなものになった
と本気で思っているように見えたのだ。
そんなふたりが共に過ごしたのは、お互いに仕事のパートナー関係だった10年間。
そして、その関係を解消したふたりは、それ以降、まるで思い残すことなど何ひとつないとでもイワン馬鹿りに、それぞれが力強く別々の人生を歩んでいる。
そんなふたりが別れる1年前の映像を見ると、
ああ、このふたりは確かにこれまで魔法のじゅうたんに乗って、いろんなところを旅していたんだなあ
ということが分かって、とてもうらやましい気持ちになる。
でも、最近になって僕は、もしかしたらその気にさえなれば、僕たちだって、彼や彼女みたいな関係になれるのではないか
そう、本当は
人間は誰しも、たとえそれが極めて短期間だったとしても、自分にとってかけがえのない誰かと出会うことができ、そして、その人とマジックカーペットライドすることで、
自分ひとりだけでは決して見ることが出来なかった
素晴らしい世界
をその目に焼き付けることができる生き物なのではないか
と思い始めている。
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そして、今日も誰かが出会って別れる
もしもいつかあなたともう一度会えたら
きっとうまくあなたに打ち明けて言うはず
聴こえる?
それは僕たちだけの交響曲
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