親父のエギング塾その32 潮の速い日はどうやって釣るの?
今日は潮の速い日の釣り方について話してもらいます。
潮の速い日って意外にありますよね?
釣り方は違うんでしょうか?
登場人物
クロ:
今日もよろしく頼むね。
親父:
はいよ。
クロ:
今日は潮の速い日の釣り方なんだけど。
親父:
ふむ。
でも、これが意外と一番難しいかもなぁ。
確かに横風も難しいんだけど、風はラインを通して目に見えるからな。
でも、潮って完全に水の中の事だから、気付かない人が多いんだよ。
クロ:
つまり、差が出やすいと?
親父:
そういう事だな。
実際、これまで複数の知らない人と釣っていて、釣果が大きく違った事が何度もある。
それって、いまクロが言った通り、潮の対応を知っているか知っていないかによって、差が出やすいからなんだね。
釣果にすごく差が出ていて、その理由を聞いてくれる人はまだいいんだけど、ほとんどの人は帰ってしまう。
潮に対応すればみんなも簡単に釣れるんだけどね。
クロ:
なるほど。
じゃあ、今日はその潮への対応を教えてくれる?
【潮はエギの移動距離で判断する】
親父:
まず、その日の潮が速いかどうかを判断しなきゃ始まらないよね。
クロ:
確かに。
親父:
で、潮が速いかどうかをどうやって判断するかなんだけど、これはしゃくりとしゃくりの間に、エギがどれくらいの距離を移動したか、なんだね。
クロ:
つまり、フォールでどれだけエギが移動したかって事かな?
親父:
うん、その通りだね。
例えば、右から左へ潮が速く流れているとしよう。
で、エギを「正面」に投げて、フォールさせている。
でも、次にしゃくった瞬間、エギは左に流れてしまっていて、もう正面にはないんだ。
つまり、エギがフォールしている間に、左へと流れてしまっているんだね。
クロ:
それってすぐに分かるの?
親父:
すぐに分かるよ。
例えば、エギが左に流れているのに、自分は正面に向かってしゃくるとするだろ?
そうすると、ラインにテンションがかかりづらく、少しすっぽ抜けた感じがするんだよ。
で、ラインをたどって行くと、エギが大きく左へ移動している事に気付く。
クロ:
なるほど。
ラインにかかるテンションが違うんだ?
親父:
そ。
だから、潮が速い時は意外と分かるはず。
でも、その違和感を無視してしまう人が多いんだね。
クロ:
そっかぁ。
親父:
ちなみに、潮がどういう風に流れるかは、その日によって違うよね?
左右にも流れるし、前後にも流れる。
ちなみに、少し解説しておこうかな。
【潮が右から左へ流れる場合】
正面にエギを投げても、エギが必ず左方向から上がってくる。
【潮が左から右へ流れる場合】
正面にエギを投げても、エギが必ず右方向から上がってくる。
【潮が沖に向かって流れる場合】
すぐにラインが張ってしまう。
【潮が自分に向かって流れる場合】
糸ふけが必要以上に出てしまい、リーリングしながらでないとしゃくれない。
クロ:
なるほど。
どこへ流れようと、潮が速い事は感知出来るって事なんだ。
親父:
うん、そういう事だね。
で、潮にエギが流されているって事は、横風の時と一緒で、エギが真下だけではなく、横にも流れているって事なんだよ。
つまり、沈みにくいって訳。
クロ:
なるほど。
つまり、横風の時も、潮が速い時も、エギが沈みにくいって事なんだね。
ふむふむ。
じゃあ、潮が速いと分かったら、具体的には何をするの?
【どれだけ沈んでいないかを確認する】
親父:
まず、目の前の海にエギを落としてみて、どれくらの角度でエギが沈んでいるか確認して欲しいんだ。
クロ:
目で確認するって事?
親父:
その通り。
慣れてくると、エギをしゃくった時の重さで分かるようになるけど、そうなるまでには慣れが必要だからね、初心者さんの場合は目で確認した方がいい。
クロ:
なるほど。
親父:
で、海に実際落としてみて、沈降角度が浅いようならシンカーを巻いてみて。
シンカーの量は潮の速さによって違って来るから、自分で調整してみて。
クロ:
で、シンカーを巻いたら次はどうするの?
親父:
再度確認だね。
もう一度目の前の海に落としてみて、ちゃんと30度~45度で沈んでいるか確認する。
もし、沈降角度が浅ければ、もう少しシンカーを足して、再度確認。
クロ:
それで準備が整うって事か。
親父:
そういう事。
ただ、注意点があって、これから潮目に投げ込むって場合は、少し重めにシンカーを増量してあげて。
クロ:
どうして?
親父:
潮目の中って、他のポイントより潮が速く強いんだよ。
つまり、他のポイントより更に沈みにくいって訳。
だから、目の前でチェックはするんだけど、潮目の中に投げ入れる場合は、目の前でちょうどいいを目指すんじゃなく、少し重いくらいで調整して欲しいんだね。
クロ:
なるほど。
あくまでも投げ込む場所の状況に合わせるって事なんだね。
親父:
そういう事。
クロ:
他にもある?
【エギが左右に流れる場合】
親父:
これは特にエギが左右に流れる場合なんだけど、鉄則がある。
それは、必ずエギのある場所に正対して欲しいんだね。
身体の向きを変えて、必ずエギを正面で捉えて欲しい。
クロ:
どうして?
親父:
もし、自分の正面にエギがないまましゃくった場合、高確率でエギはキビキビ動かない。
つまり、エギと正対してしゃくるという事は、エギをキビキビ動かすって事なんだよ。
クロ:
なるほど。
でも、潮が左右に流れる場合は、エギを投げ入れた位置からエギは流れてしまうんだよね?
だったら、エギがどこにあるのか分からないから、正対しようがないんじゃないの?
親父:
うん、いい質問だね。
そういう場合は投げてから一回目のしゃくりを注意して見てて。
どれくらいエギが流れているか、確認しておいて欲しいんだよ。
例えば、フォール時間の3秒間でエギがどれだけ移動しているか確認する。
そうすれば、次からはおおよそどこにエギがあるか分かるよね?
後は、予測した方向に正対してしゃくればいい。
クロ:
なるほど。
予測するんだ。
親父:
そうだね。
クロ:
じゃあ、当て潮でエギが近寄って来る場合は?
【エギが近寄って来る場合】
親父:
エギが近寄って来る場合は、糸ふけが大量に出てしまうよね。
どんどんラインがたるんで来るから、当たりがあってしゃくったとしても、ラインが張ってくれないから合わせられない。
だから、余分なラインは巻き取って欲しいんだね。
一定のスピードで巻いてくれれば大丈夫だから。
クロ:
なるほど。
どんどんたるんで来るから、余計なラインは巻き取ってしまえばいいのか。
じゃあ、沖に向かって流れる場合は?
【エギが沖に向かって流れる場合】
親父:
エギが沖に向かって流れる場合は、当て潮の場合と逆で、すぐにラインが張ってしまう。
そうすると、イカがエギを抱いたとしても、ラインが張っているから、違和感を抱いてしまってすぐに離してしまう。
だから、当て潮の場合はラインを巻き取っていたけど、沖に向かって流れる場合はラインを緩めて欲しいんだ。
つまり、ベール起こして、ラインを放出して欲しいんだね。
クロ:
ラインをフリーにしておくって事?
親父:
その通り。
ラインが少しでも張ると、エギは更に沈まなくなってしまう。
だから、ラインをフリーにして、ラインを好きなだけ出しておくんだね。
まぁ、そういう釣り方もあるんだけど、ここでは説明しないでおくね。
クロ:
なるほど。
こうやって見ると、潮への対応といっても、一つだけではないんだね。
潮がどんな風に流れているかによって、対応も変わるんだ?
親父:
その通りだね。
最初は邪魔くさいと感じるかもしれないけど、やってるうちに慣れて、考えなくても自然とやるようになる。
それまでの我慢かな。
クロ:
うん、わかった。
親父、今日もありがとうね。
親父:
はいよ。
まとめ
① 潮はエギの移動距離で判断する
② どれだけ沈んでいないかを確認する
③ エギが左右に流れる場合
④ エギが近寄って来る場合
⑤ エギが沖に向かって流れる場合
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