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仰げば尊し、感謝の春

「なにこの形…ふざけやがって!ムカつく💢」
小学生の長男が、
漢字の部首に向けて放った言葉。
(ころもへん、あなかんむりが特に❌)
画数が多いとかじゃなく、何かがしっくりこないらしい。
1つの部首にこれだけつっかかるから、漢字のドリルなんてもう腹がたって仕方ない。
同じ文字の繰り返しの練習も退屈…
…ムカつく💢
ドリルは何度も宙を舞った。
あらゆるページが、荒らされた…

こんなに苦しんでまでやるのは、
宿題だから。決まりだから。
やらなきゃないものだから。
長男はこういう決まりごとやルールを、
絶対守らなければないと捉えている。
基本の性格も真面目、
〈決められたもの=絶対〉
自分で捉えたものを頑なに貫く姿勢は
彼の特性のひとつ。


そんな長男は去年、
漢検3級に合格した。
おまけに英検3級も。
国語の先生も、英語の先生も、
いつも気負いないように、朗らかに、
長男を褒めて、認めて、接してくれていたよう。

中学校の先生方に、とても恵まれている。
支援学級の担任にも、各教科の先生方にも。
しかしながら先日の離任式。
担任、国語、英語の先生が揃って移動…

前日に担任からもらったメールで知った。
「ノーーーーーーー!!」
仕事だった私。
スーパーの売り場にて、顔で叫んだ。
そして涙が出てきた。

先生方には、ほんとに心の底からありがたいと思っていた。

長男の欠けた自尊心を埋めることは、
私や旦那の褒めではとても難しいことだけど、
先生からの褒めは、長男の自尊心の欠けた部分を確かに埋めてくれる。

(小さい頃からコミュニケーションをうまくとれなかったり、苦手が多い故に、周りといざこざが起こったり非難されたりで、自尊心は徐々に削がれてきた感じです)

家族に褒められると、
どこか次の期待もついてきてなんかいや…とか
お前らごときに褒められても何とも思わない…ところがあるみたい。
先生たちは、長男が確かに認めた格上の人たちなのだ。

それもそう。
長男が機嫌を損ねて強く言葉を放っても、集団に腹が立って、文句ばかりで他人の否定をしても。
先生たちは話を聞いて、気持ちを悟って、
落ち着けるように時間を割いて、
少しの距離をおいて、見守ってくれた。
そして変わらずにまた、
明るくやさしく接して、指導してくれた。

先生たちの教科の知識だけじゃない、人としての温厚さや懐の深さに、
長男は触れていただろう。

先生たちの移動を知った長男も、驚いていた。
珍しく声を出して驚いた。
そして、
「えぇ…中3の学校、どうしよっかなあ。。」

感情の爆発では
「もうぜってぇいかねぇ!」って
よく言うけど、
冷静にこういうことをあまり言わないので、
ちょっとドキッとしてしまった。
でも、
好きな美術の先生が残ったこと、
進路を見据えていく場所にいること、
日々を支えてくれる人たちがいたという心強さをもってだろうか、
それ以上は言わなかった。

「先生たちに何か贈る?」聞いてみたら、
あげたいけど買いにいくのが気が進まない…と言うので、
私がお店に行って、
適当に選んだ商品の写メから
長男に選んでもらうことにした。

2人はハンカチ、
もう一人の男の先生には
ハンカチに写り込んだサングラスにしたいと…
サングラス、まさかの大抜擢!!🕶️
結果、その先生が今度行くのが海の近くの学校ということもあって、喜んでくれたらしい。

普通級か支援級か。
進むときはやはり少し迷ったけど、
長男が過ごしやすい環境であることを
最重要として決めた。
それによって自分の力をできる限り発揮できるように、苦手なことも挑戦する気力が養えるように。

支援級というだけで、同級生たちとは
もう色濃いラインが引かれてしまう。
(時々通級しても、未だ誰からも声をかけてもらえない…)
進学するにも影響するのではとも思ったけど…

すばらしい先生たちに出会えて、
身近な距離で接してもらえたことは、
かけがえのないものになった。

「ほんとうはあと1年、学校に残らせて欲しいと希望を出していたんですけど…」
と教えてくれた担任の先生に、
来年の春、何らかの報告をできるといいよね、
と長男に話してみた。

〈ゆっくり動画〉に強集中して、
聞いてるか聞いてないかわからないけど、
長男は自分なりに先を見据えて、
納得いく選択をしていくと思う。

そして、笑いあって話せるような友だちにも
この先出会えるとも思う。
ほんとは愛嬌強め。
うまくいけば愛されキャラなはず…なんだが。
(友だちを欲しいと思うかどうかは、人それぞれの価値観だけど。長男は欲しいみたいなので)

親は、付かず離れず、変わらずに、
伴走していよう。

新しい担任よ、
どんとこい!!!









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