一般社会人が剣道を継続するための+αの付加価値
稽古をする時間がない一般社会人。単発・不定期の稽古の中で、何を目標に稽古に励めばよいか、私も悩むことがあります。
2013年2月~半年程、とある事情でフランスの道場に通っていた時期がありました。ボンジュールなフランス人が、剣道にどう向き合っているのか、そこから学んだことをご紹介します。
ボンジュールな稽古の流れ
19:00 素振り
19:10 黙想、礼、面つけ
19:20~技の練習(切返し・基本技・応じ技)
19:50~地稽古
20:30 黙想、礼
21:00~ビール稽古 ←これダイジ
22:00 自然解散
まず素振りですが、掛け声は「アン!デュゥ!トロアッ!」ではなく「イチ!ニ!サン!シィ!」日本語です。号令も「モクソウ!ヤメ!レイ!」。確かに黙想をフランス語でと言われるとなかなか難しいですね。
技の練習~地稽古では、皆さん自分のペースで向き合っています。日本とは違って、初めて3か月の初心者~有段者まで、幅広いレベルの人が一緒になって稽古しますから、お互いに教えあいながら稽古しています。
最後は近くのバーでビール稽古!グラス片手に盛り上がります。話題は剣道に限らず、仕事や趣味の話など様々です。稽古では道場の隅に隠れていた私の友人も一転、生き生きとした表情で、大好きなワインの話で盛り上がっています。彼はむしろ、ビール稽古を楽しみに来ているようでした。
フランスで稽古は日曜・月曜以外の週5日開催されていました。週5で来る人もいれば週1の人、あるいは半年ぶりの人もいます。それぞれのライフスタイルに合わせて、無理なく剣道を楽しんでいる方が多いです。生活の一部として、コミュニケーションの場として、道場が機能しています。
日本では試合と昇段を目標に、毎日稽古をすることが多いです。
ただ高校を卒業し社会人になると、剣道のための時間をするのは簡単ではありません。
一般社会人にとって、試合と昇段は必ずしも第一目標とはならない
です。それが理由で、剣道を離れていく人も多いような気がします。
生涯剣道を体現するために大切なこと、それは
「試合や昇段の目標」+αの付加価値(健康のため、剣道が好き、おいしくビール飲みたいetc…)をもって、稽古にのぞむことが大切だと思います。
仕事忙しいけど今日は道場に行ける!仲間に会いたいし、道場に行ってみようかな!そんな手軽さで、私は剣道を続けています。
今は試合に勝たなくても、昇段しなくても、それで良いと思って続けています。
※今回ご紹介したのは2013~2017年頃のフランス剣道事情です。もしかすると、現在はゴリゴリのガチ剣スタイルに変わっているかも知れません。あらかじめご了笑ください。