見出し画像

GA4の読み方を知りたい方へ!基本設定完全ガイド

「ECの売上を伸ばしたい!」
そんなときは、顧客の行動データを正確に把握、活用することが成功の鍵を握ります。データ分析は、正しい方向で事業が進んでいるかどうかを判断するための唯一の指標ともいえます。現在の施策を継続するのか、それとも方向転換を図るのか、その舵取りを担う大変重要な要素です。
そこで導入すべきなのが、Googleの最新解析ツールであるGA4(Google Analytics 4)です。
しかし、GA4の設定やカスタマイズはやや複雑で、導入にハードルを感じる方も多いかもしれません。そこで、この記事では、GA4の設定方法を徹底解説していきます。
GA4をまだ導入していない方は、早急に設定を行い、データドリブンなアプローチで競争優位を確立しましょう!


GA4設定完全マニュアル

まずは管理方法の確認

GA4の設定を始める際に、どの方法でGA4を管理・設置するのかを確認する必要があります。たとえば、Googleタグマネージャー(GTM)を使うのか、別の方法で直接タグを埋め込むのかといった選択肢のほか、ショップサーブやフューチャーショップなど、使用しているASP(Application Service Provider)によってGA4の設置方法が異なるため、ASPに合わせて最適な管理方法を確認しましょう。

GA4設定マニュアル:必須項目11個

1.GDPR同意のチェック
GA4では「クッキー」や「サードパーティーデータ」に頼らず、データ収集と分析が機械学習で補完できるようになりました。GDPR同意の設定を行うことでデータ収集の精度を高めることができます。

▼手順
歯車(管理)>アカウント>アカウント設定

各種チェックマークを確認し、GDPR規約に同意し保存

2.Googleシグナル
Googleシグナルを有効にすることで、Googleのデバイス間トラッキング機能が使えるようになり、ユーザーが複数のデバイスでサイトを訪れた場合でも、その行動や属性情報(年齢や興味関心など)をより詳細に把握できるようになります。

無効のままだと、基本的なページビューや単純なユーザー行動データのみしか取得できないので、必ず有効にしておきましょう。

▼手順
歯車(管理)>プロパティ>データ設定>データ収集

[Googleシグナルのデータ収集]と[地域とデバイスに関する詳細なデータの収集]の右上にあるチェックからONに設定

3.レポート用識別子(レポートID)
ユーザーを特定するために、ユーザーIDやデバイスIDなどの識別情報を使用します。この設定で、「ユーザーをどのように識別するか」を選択できます。 

▼手順
歯車(管理)>プロパティ>レポート用識別子

あれば[ブレンド]を、なければ[UserIDとデバイスを参照]を選択

4.データ保持期間
収集したデータをどれだけの期間保持するかの設定です。デフォルトでは直近2ヶ月分のデータ取得しかできませんが、最大14ヶ月に延長することができます。 

▼手順
歯車(管理)>プロパティ>データ設定>データ保持

イベントデータの保持を[14ヶ月]に設定し保存。[新しいアクティビティのユーザーデータのリセット]をONに設定。

5.拡張計測機能
基本タグを設定すると、ユーザー行動を自動で計測できるようになる機能です。「ページビュー」「スクロール数」「離脱クリック」「サイト内検索」「動画エンゲージメント」「ファイルのダウンロード」「ホームの操作」の中から選択したイベントが自動でトラッキングされます。
手動でのイベント設定をすることなく、ユーザー行動に関する重要なデータを迅速に収集できるため、ぜひ活用しましょう。

▼手順
歯車(管理)>プロパティ>データストリーム

出てきたデータをクリック

ウェブストリームの詳細で作業

[拡張計測機能]をオンに変更し保存。(イベントが6個測定中となっていればOK)

6.アトリビューション設定
ユーザーがコンバージョン(購入や登録)に至る過程で触れたすべてのタッチポイントを評価し、どのポイントがどれだけ貢献したかを測定できます。
従来は、最終的なタッチポイントしか評価されませんでしたが、GA4は、最初のタッチポイントや中間のタッチポイントも評価できるようになり、マーケティングの効果をより正確に把握することができます。
また、アトリビューション分析の評価期間を長く設定することで、ユーザーがコンバージョンに至るまでの複数回の接触を追跡できるようになります。

▼手順
歯車(管理)>プロパティ>アトリビューション設定

●      レポート用のアトリビューションモデル]を[クロスチャネルデータドリブン]に設定

●      [ルックバックウィンドウ]の[ユーザー獲得コンバージョンイベント]を[30日間]に設定

●      [ルックバックウィンドウ]の[他のすべてのコンバージョンイベント]を[90日間]に設定

●      画面下部の[保存]ボタンで設定を保存

7.IPアドレス除外
関係者のアドレスやIPアドレスを除外し、ウェブサイトやアプリの分析データにこれらのアクセスを反映させないようにする設定です。これにより、社内でのテストや確認作業がデータに影響せず、実際の顧客データを正確に収集することができます。

▼手順
①内部トラフィックを定義する
歯車(管理)>プロパティ>データストリーム>タグ設定を行う>「すべてを表示」>内部トラフィックの定義

●      [ルール名]は任意([内部トラフィック]がわかりやすいので推奨)
●      [traffic_typeの値]は[internal]
●      [IPアドレス]はGAヘルプを参考に記入方法を確認し記入。
 
IPアドレスはこちらから調べられます:https://test-ipv6.com/
 
②データフィルタを定義する
歯車(管理)>プロパティ>データ設定>データフィルタ>[Internal Traffic]フィルタをクリック(フィルタがなかったら作成)

[データフィルタ名]は任意([Internal Traffic]がわかりやすいので推奨)
・[フィルタオペレーション]は[除外]
・[パラメータ値]は[internal]
・[フィルタの状態]を有効に変更
 
※一度有効にしたらテストには戻せない。
※設定が正しくできていても正しく除外されない事象が発生する場合があるようです(22年6月現在)
※リアルタイムからテストのフィルタを設定し、除外される事を確認した上でフィルタの状態を有効にする事を推奨。
 
リアルタイムの確認方法:レポート>リアルタイム>比較を追加>比較の作成:ディメンションを除外にし、作成したフィルタ名をディメンションの値で選択。
 
③定義した設定をテストする

④リアルタイム>比較対象を追加>比較の作成

⑤実際にウェブサイトにアクセスする

⑥過去30分のユーザーデータ数のすべてのユーザーを「テストデータのフィルタ」にした状態で計測が確認できればOK

8. SearchConsoleリンク
GA4とSearchConsoleをリンクさせることで、サーチコンソールのデータが1つの画面で確認できるようになります。そのため、サイトのパフォーマンスに関するデータ管理・分析が効率的にできるようになります。

▼手順
歯車(管理)>プロパティ>Search Consoleのリンク

※アラートが出ることから、紐づけるためにはGAにログインしたユーザーがSearch Consoleで権限を持っている必要がありそうです。

9. コンバージョン設定
ユーザーがウェブサイト上で特定のアクションを完了した時に「コンバージョン」としてカウントするための設定です。デフォルト設定には含まれていないため、追加で設定をする必要があります。
「電話タップ」「問い合わせ」「会員登録」など、必要なコンバージョンポイントを洗い出し、データ取得ができるよう設定をしていきましょう。

▼手順
設定>イベント(①)>イベントを作成(②)(カスタムイベントを作成)

※推奨イベントはパラメータ取得の関係から、②画面では作れない可能性あり

①コンバージョン作成

イベントが計測されたら[コンバージョンとしてマークをつける]を変更しコンバージョンとして設定。

※レポート>エンゲージメント>イベント>イベント一覧の中の各イベントの右端の3点をクリックする事でも[コンバージョンとしてマークをつける]の設定が可能
※推奨イベントを作成/タグでイベントを発火させた場合は自動的にコンバージョンとして登録される模様。
 
②カスタムイベントを作成

10. カスタムインサイトの作成
データの変化を検出する条件を作成できます。つまり、サイト上で重要だと思うユーザーのアクション(イベント)を設定、トラッキングすることで、どのアクションがサイトの成功に貢献しているかがわかります。

ECサイトの場合、「会員登録」「電話タップ」「問い合わせ」「メルマガ登録」「LINE登録」などを追加すると良いでしょう。

▼手順
ホーム>すべての統計情報を表示>作成

デフォルトの[カスタムインサイト]にチェックが入っていることを確認し選択にもとづいて作成を押下。

※任意での作成も可能(セグメントなどと組み合わせる事で特定チャネルの訪問数減を拾いやすくするなどができる)

11. オーディエンス作成
特定の条件を設定してユーザーを分類し、その分類に基づいてサイト内の行動を分析できる機能。より深い分析が可能になります。たとえば、新規ユーザーとリピーターを比較して、彼らがどのようにサイトを使うかを分析したり、性別や購入者/非購入者などの属性でセグメント化し、それぞれのグループのサイト内行動の違いを比較したりできます。

これらを分析することで、ユーザーが商品を購入できるように導くための設計(高収益導線)の改善につなげることができます。

▼手順
設定>オーディエンス>オーディエンス作成

(例1)新規ユーザー/リピーターの場合

(例2)購入者/非購入者/男性/女性/性別不明の場合

★データを見るポイント:主要指標は必ずチェック

コンバージョンレート、コンバージョン件数、売上、滞在時間、直期率を必ずチェックするほか、どのページを辿っているのかの経路の確認もしましょう。
また、属性により商品の売上が変わってくるため、セグメントの比較は重要です。 

GA4設定マニュアル:場合により設定すべき項目2個

1.クロスドメイン設定

クロスドメイン設定は、複数のドメインにまたがるユーザーの動きを正確にトラッキングするための設定です。

たとえば、決済などで外部サービスを使用している場合、サイト間の移動を「離脱」ではなく同じサイトとして認識させることができます。

▼手順
歯車(管理)>プロパティ>データストリーム>タグ付けの詳細設定>ドメインの設定

設定したいドメインを遷移した画面から設定。

2.参照元除外
特定のドメインや外部サービスから来たトラフィックをGA4で計測しないように設定することです。
たとえば、AmazonPayを使用して決済するユーザーの場合、その決済が別のドメインを経由することになります。データの精度、分析に影響を与えないようにするためには、その参照元を除外する設定が必要になります。(このページではshopserveのUA時代での推奨を参考に設定しています)
▼手順
歯車(管理)>プロパティ>データストリーム>タグ付けの詳細設定>除外する参照のリスト

SPSのデフォルトで除外推奨のドメインを除外する
SPS除外推奨ドメインはこちらの最下部に記載があります:Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)を利用してアクセスを計測する

成功に導くデータの見方

目標設定とデータ管理

ここまでの設定ができたら、実際にどのデータをどの頻度で見ていくかを整理していきましょう。週次や月次でレポートを確認することで、効果的な施策へとつなげていくことができます。
まずは、目標値を決めます。次に、その目標達成のために、どの指標をモニタリングするかを洗い出し、スプレッドシートなどで管理するのがおすすめです。さらに、どの程度の頻度で誰がデータを見ていくのかを決めておけば、漏れなく確実にデータ管理ができます。

見るべき3つのポイント

①期待通りに機能していないコンバージョンポイントを探す
②良好な数値が出ているポイントを探す
③サイトのトレンドを把握する特徴を見つける 

この3つが見つけられたら、①から実行にうつしていきましょう。ここにこそ、GA4の手腕が発揮されます。
データ探索、ドリルダウンが得意なGA4は、どのエリア・参照元でユーザーが離脱しているのかなどをドリルダウンして分析ができます。
そうすることで、サイトのボトルネックが必ず見つかります。こうして原因を究明し、見直しを行い、必要に応じて新たなコンバージョンイベントを追加することで、より精度の高い分析と効果的な施策の実行が可能になります。
GA4をまだ導入していない場合は、早急にGA4を設定してデータドリブンなアプローチを始めましょう!

いいなと思ったら応援しよう!