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【ちきゅう留学 そのご】 vol.2 わか 〜自分の好きなものを、好きって言ってあげること〜

「ちきゅう留学 そのご」はちきゅう留学参加後の、参加者の歩みを紹介していくメディアです。ちきゅう留学を経て、それぞれが今考えていることや、挑戦していることなどを紹介することで、ちきゅう留学ファミリーの繋がりを深めたり、新たなつながりを結べたり、お互いに励まし合ったり、知恵を出し合ったり、そんな”共創”のきっかけになったらと思っています!

ちきゅう留学そのご vol.2 は、ちきゅう留学2022参加者、2023/2024運営メンバーの井上 和奏(いのうえ わかな)さん(以下わか)。

マングローブをこよなく愛し、ひたむきに、真っ直ぐに挑戦を続けるわかに、ちきゅう留学とその後について語ってもらいました。

太字=インタビュワー:とび、てんき

自己紹介

ー まずは簡単に自己紹介をお願いします!

井上和奏です!今は大分県の大学に通っていて、3年生の途中で休学をしてます。11月から4月の前半までフィジーとキリバスに渡航して、いろいろわちゃわちゃやっていました!
今はマングローブの植林を持続可能なものにするべくクラファンに挑戦中です。よろしくお願いします。

参加のきっかけ

ー 早速だけど、ちきゅう留学2022に参加したところから話を聞きたいな!

私とちきゅう留学の歴史を語ります!大学1年生の時から、大学の寮から出る生ごみでコンポストをして、自分たちの畑で農業するっていうサークルを立ち上げて活動してました。

2年目になって、畑も開拓が進んで、共感してくれる人も増えて。でも同時に、「本当にしたいことができているんやろか」と思ったり、一番最初に友達とサークルをつくった時に持っていた想いを大切にできてないなぁ……みたいなモヤモヤがありました。

それでも、活動を続けないといけない焦りみたいなものを感じている時に、大学の先輩で、ちきゅう留学運営のてんきさんのインスタのストーリーを見て、「あ、これや。」と思って参加しました。

参加してみて

ー 実際に参加した2022のイベントで印象的だった場面があったら教えてください!

ちきゅう留学2022のゲストとして、LFCコンポストのたいらさんがいらっしゃって。佐々木ファームの麻紀さんと、たいらさんとのパネルディスカッションの時に、勇気を出して、私が抱えていた悩みをみんなの前で打ち明けたっていうことが、間違いなく自分にとってのターニングポイントだったなと思っています。

私は人に自分の悩みを言うこととかが苦手だし、壁を作ってしまう性格だけど、前日の夜にみんなでおしゃべりをしていた時に、「こんなにも受け取めてくれる人が周りにいるんや」って気がついて。
ここにいる人たちの前でなら、自分の弱みや不安もさらけ出せると思って、たいらさんのパネルディスカッションの時に質問をさせていただきました。


ちきゅう留学2022のパネルディスカッションで、質問をするわか


ー その時はどんなことを質問したんだっけ。

大学の寮でコンポストに入れる生ごみを集めているときに、「ゴミ=汚くて価値のないもの」っていう固定観念があるからなのか、まわりから「『ゴミ姉(ごみねえ)』がやってきた」みたいなひどい呼び名で呼ばれたりしていて。
そういう価値観の人たちとどう交わるのかとか、その人たちも巻き込んで活動していくにはどういうことを意識したらいいのか、みたいなことをたいらさんに聞いたと思います。

たいらさんは、「まずは自分がその活動を楽しむことだよ」と言ってくださいました。当時はゴミを集める上で義務感が先行してたけど、やっぱり楽しさやワクワクを自分が持ってないと何も進まない、歯車って回っていかないなって。

私はこれからどうしていきたいのか、ちょっと立ち止まって考えるきっかけにもなったし、コンポストのサークルに帰った時も、「もしかしたら自分が怖がってるだけでみんなは受け止めてくれるんじゃないか」と思って、自分の想いを伝えられるようになったりとか、大きな変化でした。

ー そうだったんだね。ちきゅう留学2022の後の報告会で、わかが「『すっぴんわか』でいいかも!」っていう話をしていたのをすごく覚えてる。

ちきゅう留学に行って、ありのままの自分=「すっぴんわか」でいいのかもって思えたんだよね。ありのままっていうのは、もちろん自分の感情を表に出すということだと思っているんだけど、それまでは、自分の好きなものとか、いいなっていうものがあっても、買う前にいつも「これどう思う?」って誰かの意見を聞いてた

だけど「自分の好きなものは自分の好きなものでいいじゃん」って思えるようになったからちきゅう留学から帰ってきて、初めて自分で靴を買いました。
自分が好きなものを、自分が好きって言ってあげないと、誰が自分を幸せにしてあげれるんだろうか
っていう考えに至って、「すっぴんわか」でいいかもって思えるようになりました。

すっぴんわかでいいかも!(限定公開)

ちきゅう留学2022報告会 12月11日

ー めっちゃ素敵だね。そんなふうに思えるようになったのは、ちきゅう留学の何がきっかけだったのかな。

すごく覚えているのは、ちきゅう留学2022の初日に、麻紀さんのファームツアーがあって、畑でホーリーバジルのにおいをかいだ時。コロナがちょっと落ち着いてきたぐらいの頃で、マスクもまだしていたし、なんだか五感を閉じ込めてしまっていたような時期で。

そんな時に、あのホーリーバジルの香りを嗅いで、もうセンサーがビビッ!てきて。五感というか、自分の嗅覚が呼び覚まされたというか。「あ、好きな匂い!」って。その時に、なんか自分の好きを好きって言えるってこういうことなのかなって思ったんだよね。

ちきゅう留学が終わって自分の生活に戻った後も、すごく自分のアンテナが敏感になったなぁと感じて。

ただ吹いている風に思いを馳せることができるようになったり、目の前にあるご飯がこんなにも美味しいんだ、みたいなところに目を向けられるようになったり。自分の見える世界がよりアップデートされた気分でした。

ちきゅう留学2022でホーリーバジルを摘むわか(中央右)

運営メンバーを経て

ー 2023は運営メンバーになってくれたけど、どんな流れや想いで運営にジョインしたの?

ちきゅう留学2022を経てアップデートされた自分の状態がすごく居心地がいいなぁって思っていて。そんな時に、「ちきゅう留学の運営メンバーになってみないか」って、てんきさんから声をかけてもらったんです。

私は、てんきさんがいて、ちきゅう留学の存在を知って、佐々木ファームの存在を知って、ちきゅう留学に行くことができた。だからこの流れを止めたくないし、もっと多くの人に火をつけたい、灯火をあげたいなって思ったし、誰かのきっかけをつくることができたら、すごく幸せやなぁと思って運営メンバーに入れてもらいました。

ー 一年を走り抜けて、どうだった?

2023年のイベントで、参加者の(大村)ひなたが、ゲストで来られていた料理人の澤田シェフのお話を聞いて大号泣してる場面があったんだけど、実はその、ひなたに、「絶対に来てほしい」って言ったのが私で。大号泣しているひなたが、去年の私を見てるかのようで、運営をやってよかったなって思った瞬間でもあるし、私はてんきさんに導かれてここにやってきて、それを今度自分が次に繋げられたっていう、すごい連鎖を身をもって体験した日だったなって。

運営をする中でしんどいところもあったけど、なんかあの瞬間を見てしまったら、もうなんか「そんなことなんて吹っ飛んじゃうよ!」って思いました。

ー すごく重なるところがあったんだね、2022のわかと。

そうそう。「去年のわか」がそこにいたって感じだった。

ちきゅう留学2023でのわか(右)と、ひなた(左)

取り組んでいる活動について

ー 今わかは、すごく大きな挑戦をしていると思うんだけど、改めて今取り組んでいることについても詳しく聞きたいです!

やってる活動としては、太平洋島嶼国を中心に、マングローブの植林活動をサステナブルにするための活動を行っています。

具体的には、マングローブの葉っぱからクレヨンを作っていて、現地で雇用を生み出しながら、その利益でまたマングローブの植林をしていくっていう、循環するマングローブ植林の新しい形を作る為に頑張っています。

一番最初のきっかけは、中学校3年生の時。社会科の先生が、ツバルの海面上昇についてのドキュメンタリーを見せてくれたことで、その時になんかすごいやるせない気持ちとか、申し訳なさみたいなものを感じて。ドキュメンタリーの中で、マングローブを植林することによって海面上昇の護岸侵食を防ぐことができるっていうのが出ていたのを見て、「これや!」って思いました。

調べてみると、現状の植林活動は社会貢献活動的な側面がすごく大きいから、より持続可能なマングローブ植林の形を作りたいなって思って。もうその中学3年の時からマングローブが好きで、ずっと「マングローブ、マングローブ!」って言って大学も決めてきたし、他の活動も、全部マングローブに繋がるんじゃないかと思って活動してきたという経緯があります。

マングローブとわか(左から2番目)


ー 時系列としては、ちきゅう留学2022が終わってからトビタテのプロジェクトに採択されて留学が決まって、その後ちきゅう留学2023の運営をしてから、実際にフィジーとキリバスに渡航したっていう流れだと思うんだけど、ちきゅう留学から受けた影響とかはあったのかな。

ちきゅう留学と出会ってなかったら、今の私何してるんやろうっていうぐらい、本当にちきゅう留学であったことが全部きっかけとなって今があるなっていうのを思っています。特に大きかったのが、2022のイベントのBBQの時に、ゲストの新井和宏さんに、「マングローブが大好きだけど、その好きなものとの向き合い方がわからなくて」ていう相談をしたんです。その時に、新井さんは「とにかく考え続けることだよ」と言ってくださったんです。

実はそれまで、自分がマングローブにどんなふうに向き合っていくのか、答えを出すのがすごく怖ったんです。「好きなものは、ただ好きなものとして置いておきたい」というような感覚があったから。
でもちきゅう留学2022に参加して、「自分の好きなものは好きでいい」っていうことに気がつくことができた。じゃあその自分の好きなものの中にある、確かにある、自分の温度みたいなものをそろそろ解き放つべきなんじゃないかっていうのを思って、ちゃんと真正面からマングローブに向き合ってみようって思った経緯があります。

それからぐるぐるぐるぐるずっと考えていた時に、トビタテ留学ジャパンっていう奨学金制度があることを知りました。マングローブの葉っぱは塩を含んでいるので、「マングローブの葉っぱから塩を作って、その塩で経口補水液を作ります」っていうプロジェクトでトビタテに採択していただいて、渡航して、それで今に至るって感じです。

ー 新井さんの存在が、大きかったんだね。

本当にそう。2023年のバーベキューの時、新井さんに「一年前にこういうことを言ってくださったので、私なりに考え続けて、やっと私と自分と好きなものの向き合い方を見つけることができました。フィジーに11月から行ってきます」とお伝えしたら、新井さんは「苦しくなったらいつでも戻っておいで。相談しにおいで」って言ってくださって。

不安しかない状態の時に、その気持ちを汲み取ってくれた気がしました。 そのとき、「いつでも戻っておいで」と寄り添ってくれるようなスタンスの方に久しぶりに会ったんです。マングローブのプロジェクトが決まってから、「これはお金になるよ」とか「本気でやったら起業できるよ」みたいな感じのことばっかりを言われて、疲弊してしまっていた時期だったので、新井さんの言葉にすごく助けられたなって思います。

ー 実際に行ってみてどうだった?

フィジーに渡航して、思っていたようにマングローブの葉っぱから塩を作ることはできたのですが、いざこれを販売していこうという時に、塩は口に含むものだから販売のハードルが高いということに気がついて。12月の後半〜年末ぐらいに今一度その手段を見直してみようって思いました。

年末っていうこともあって、2023年の振り返りをしてみようと思った時、パッて出てきたのがクレヨンだった。クレヨンってすごく扱いづらいけれども、手触り感というか、熱量が一番伝わりやすいものだなぁと思って。
私は伝えることや言葉にすることは苦手だけど、自分の思ってることを誰かに届ける手段はずっといつもクレヨンだったなと思い出したんです。
それを自分で作ることができて、かつ自分の好きなマングローブで作ることができたらワクワクするんじゃないかと思って、プロジェクトを塩からクレヨンに変更。クラウドファンディングをして、クレヨンを作ることにしました。

現地の方と試作を繰り返すわか


ー わかの目標に向かってまっすぐに進んでいくエネルギーは本当にすごいよね。何馬力あるんだよ!って思う。

でも、クラファンを始める時はすごく怖かった。元々留学中にクラファンを始める予定もなかったし、本当に世の中に認めてもらえることなんだろうかとか、自分の「好き」だけの話じゃなくて、いろんな人を巻き込むプロジェクトになっていくことが、すごく不安で……。その時期は留学期間の中で、一番泣いてました。挑戦する勇気というか、「この活動には価値があります」っていうことを言い切れる自分がいなくって、自分に対してすごい弱気だなぁって。

でも、それまでフィジーに飛び込んで挑戦し続けてきた自分を思い返して。「怖いって思いながら、それでも挑戦してます」っていうことをさらけ出すことで、勇気を育てることができるんじゃないかなと思って、SNSに投稿したり。そうしてブレイクスルーできた感じがあった。


ー クラファンを始めてみて、今どんな感じなのかな?

4月30日まで残り20日で、あともうちょっとで60%に行くという状況(4.11時点)です。やっぱりフィールドがフィジーっていうこともあるし、マングローブ植林って日本にいたらあんまり身近じゃないものだからこそ、共感してもらえるような発信をするっていうのはすごく難しいなと思ってます。
でも、ちょうど自分がクラファンをはじめた時期に、ちきゅう留学のメンバーもそれぞれいろいろ頑張ってて、クラファンに挑戦してる人も「何人いるの!?」ってくらいたくさんいて、正直に頑張ってる人たちが近くにいるっていうことが自分の励みにもなっていたし、今でも頑張ろうと思える源になってます。一人のプロジェクトなので孤独だけど、みんなと話している時間だったり、みんなからもらった応援のコメントを読んでる時間だけは、私は一人じゃないかもって思えるみたいな。そんなふうに、ちきゅう留学がお守りになってます。


クラファンに挑戦中!〜4月30日まで

今後のこと

ー 今後の展望を聞かせてください!

これからも私は、足繁くフィジーとか、キリバスとか、太平洋島嶼国に通う未来が鮮明というか、やっぱりすごくしっくりきていています。
おもしろかったのが、フィジーの言葉で「ワカ」は「根っこ」っていう意味を持っていて。キリバスに行ったら「ワカナ」が「根っこ」という意味を持つらしく…!現地の人たちにもあなたは導かれてきたんだよみたいなことを言ってもらって。本当にそうだなって思うくらいにしっくりくる環境だったから、「これから自分の心を使っていきたい場所はここだ」って思って。いつか、フィジーに行ったらわかがいるみたいな状況になっていくんじゃないかなって思います。

下段左から2番目がわか


ー 今年も一緒に運営をやっていくわけだけど、ちきゅう留学の方の展望とかそこにかける思いとか、今これから始まろうとしていることに対して思っていることを聞きたいです!

今こうやって、ちきゅう留学のnoteが始まったりとか、新しい風も吹いてるし、すごく風通しの良い環境がそろってきてるなぁと思っていて。そこをもっとブーストできるような存在になれたらいいなって思ってる。自分は目立つようなことはできないけれども、大切なところを見過ごさないようにできる存在でありたいなと思います。


ちきゅう留学ファミリーへ

ー ちきゅう留学ファミリーのみんなへ言いたいことお知らせしたいことがあれば!

まずはちきゅう留学っていう場にいさせてくれて、皆さん本当にありがとうございますっていうことをお伝えしたいなと思っています。
あとは、今クラウドファンディングに挑戦をしていて、なかなか厳しい状況にいて、私一人の力じゃどうにもできない大きなものに立ち向かおうとしているので、もしよかったら私の背中をポンと押してもらえるような、拡散だったり、ご支援だったりとか、していただけたら、この上なく幸せです。よろしくお願いします。


ー では最後に、わかにとっての地球留学とはなんでしょう!

私にとってちきゅう留学は大切なものを大切にさせてくれる場所だなと思っていて。自分の中にある大切なものを大切にできない時も、もちろん日常の中にはあるけれど、ちきゅう留学のミーティングをするとちきゅう留学のあの雰囲気に戻ることができるし、クラウドファンディングを通して留学生やちきゅう留学ファミリーから応援メッセージを貰うと、あの時の感情に戻れる。やっぱり私が大切にしたいものってここにあるっていうのを呼び覚ましてくれる。そんな場所であるし、これからも自分の大切なものを大切だって言い切れる、そういう人たちと一緒に過ごしていきたいなと思ってます。



「ちきゅう留学 その後 vol.2」を読んでいただきありがとうございます!
わかのまっすぐで、ひたむきな活動を応援していただけたら、そして、是非是非わかと繋がっていただけたら嬉しいです!

これからも、ちきゅう留学のその後の巡りをお伝えできたら嬉しいです。

いいねやコメントもおまちしています♪

次回もお楽しみに!

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interviewer : Yu Tobikawa , Tenki Maruyamano
editor :Yu Tobikawa , Rio Funazumi , Tenki Maruyamano
creative designer :Yu Tobikawa , Tenki Maruyamano

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