ムクドリ
洗濯物を取り込むのにベランダに出てみたら、今朝の違和感がハッキリとした形となって現れました。ムクドリが一羽雨戸の樋にじっと立ち竦んでいるのです。鳥だから立ち竦むとは言わないのかもしれませんが…
今朝の違和感、それは雛の鳴き声が妙にしっかりとした鳴き声に変化したことでした。そうです、雛はみな巣立ったのです。何故、そう言い切れるのか。親鳥であるムクドリの嘴に餌となる虫をくわえてないからです。ただ、突っ立ってるのです。鳥にも子が巣立った空しさがあるのでしょうか、それとも何も感じてないのでしょうか。やることなく、ただ雨樋に留まってるだけです。時々首の角度を変えて遠くを見てるような、これからどうするのかをぼんやりと考えてるようで考えてないような。ある種の放心状態のようです。
この光景を私は初めて見ました。雛が一羽ずつ巣立つ様子を見守りたかった。ムクドリの子育てはツガイでするものなのか、それすら知りません。今こうしてタップしてる最中もカーテン越しにムクドリを観察してるのですが、一羽しか姿が見えません。あんなにせわしなく餌を運んでは食べさせ、また狩に出る。それを繰り返してたのは確認してたのですが…
たった今「ぎゅるるー」と親鳥ムクドリが囀りました。視線を上に向けたらもうムクドリの姿は在りません。
ああ、何もかもが一瞬の出来事。見逃した。
風が出てきた。
悲喜交交の内
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