許しの最終目標は感謝
人から何か仕打ちをうけたとき
人間関係のトラブルが起きたとき
私たちは相手に対して怒り、恨み、憎しみ、
そして「許せなく」なります。
許せない相手と距離を置いたとしても
ふとした出来事で相手が脳内に蘇り
それと共に怒りなどの悪感情がふつふつと煮えたぎります。
そこで必要になるのが許しという感覚です。
ブログにお越しいただきありがとうございます。
心理カウンセラーの飛田竜之介です。
よければ最後までお付き合いください。
「許し」というテーマはとても奥深く
一つの記事で完結させられるほど
簡潔明瞭なものでは実はなく……
そこに至るまでにはいくつものプロセスを踏んでいく必要があるのですが
今回は少し簡単にまとめさせていただきます。
さて、人から何かされた、言われたとき
私たちは被害者意識を持ちます。
「あんなことを言われた」
「あんなことをされた」
そしてそれが許せなくて
「ねぇ聞いてよ!実はあの人に・・・!」
と誰かについつい話したくなるものです。
ですが、この時点で
被害者ポジションであることを利用して
相手を攻撃する加害者になってしまうのです。
「あの人にあんなことをされた!」と言い
相手のことを攻撃する加害者ということです。
そして、風の噂でそれを知った相手も
「いやいやあいつが!」と相手を攻撃し始めます。
このうように心理学では被害者と加害者は同じという見方をします。
被害者ポジションに立つということは
同時に加害者ポジションにもなることを意味します。
実際に相手と距離を取ったとしても
心の中でその人に対して深い怒りや憎しみを持っていると
心理的にはべったりとくっついた状態(癒着)
なので脳内論破を始めたり
脳内罵倒大会が開催されたりするんですよね。
そこで必要になるのが無害者という意識
相手を許すことですね。
「むかつく相手を許すなんてできない!」
きっと多くの人がそう感じると思います。
これは私自身も過去に何度も感じたことがありますし
今でも、瞬間的にはそう思ってしまうことがあるかもしれません。
それぐらい、中々に難しい内容であると思っています。
ですが、この許しとは相手のためではありません。
純度100%の自分のための行為です。
考えてみてください。
もし、むかついていた相手のことが「もうどうでもいいや」と
なれたらトラブルを繰り返すこともないし
脳内論破や脳内罵倒大会を開催する必要もありません。
それって心理的にすごく楽じゃないですか?
なので、相手のためではなく
自分のために相手を許しましょうという提案をさせていただいているんですね。
そこで大切になるのは自分軸
物事を主体的に捉える感覚です。
「あの人のせいで……!」と怒りたくなる気持ちは
とてもよくわかります。
ですが、この状態では人生の主人公(主語)を
相手に明け渡してしまっている状態です。
主体的……とは言えません。
まずは、悪感情を思うがまま吐き出しましょう。
その感情が残っていると、主体的に捉えるときに障害になってしまいます。
(吐き出し方はトラブルにならないやり方をしましょう。
信頼できる人に聞いてもらう、紙に書き出すなど……)
そして感情が少し落ち着いて
俯瞰して考えられる余裕ができたら
物事を主体的に取り組みます。
・どうしてこの問題が起きたのか?
これはアドラー心理学でいう「目的論」という考え方です。
過去やトラウマは存在しないと主張するアドラー。
自分が何か目的を達成するために
過去に起きたことを利用していると考えることです。
例えば……「家庭環境のせいで暗い性格」と考える人がいるとします。
ですがこの場合、「人と関わるのが怖いから関わりたくない」という
目的を達成するために家庭環境を利用していると考えることです。
つまり、今問題を抱えているのも
何か目的があるのではないか?
それを利用することで目的を達成しようとしているのではないか?
という視点を持ってみます。
そうすると、今まで抱えていた問題が
少し違ったものに捉えられるようになってきます。
さらに心の余裕ができてくると
相手のことを感情的理解を示せるようになってきます
「この状態になったら、ああしてしまうのも確かにわからなくもない」
といった感覚です。
この感覚になれればほとんど許しの状態と言えるでしょう。
許しとは気にならないこと。
相手のためではなく
まずは自分自身のために許しに少しずつ挑戦してみてはいかがですか?