ニデック 第51期定時株主総会
今回は1973年に精密小型モーターの会社として4人で創業し、並々ならぬハードワークと積極的なM&Aで、世界中に約13万人の従業員・300社以上のグループ企業を擁する「回すもの、動かすもの」すべてを手掛ける総合メーカーに成長した、ニデック(旧社名 日本電産)の株主総会レポートをお届けします。
ニデック株主総会(リーガロイヤルホテル京都)
6月18日(火)10:00~ 出席:約400名
事業報告の後、永守グループ代表のご挨拶
4月1日からの新たな経営体制で、私のワンマンショーから脱皮し、徐々に出番は減ってきている。即ち人材が育ってきているということ。
これまで後継者選びで2,3回失敗しているが今回の新社長はいい。
私は8月で満80歳になるが、体力は38歳(人間ドック検査では58歳)
今日もたくさん質問が出ると思うが、私はあまり出ないようにしたいので、楽しくないかもしれない(と、言いながら結局1番よくしゃべっていた)
岸田新社長より「戦略と展望」について
ニデックの企業文化や製品群への思いを熱っぽく述べた後、AIの発展でデータセンター向けの水冷モジュールが爆発的に増えていく・・・ことなど。
(選挙の街頭演説のようだった)
続いて、質疑応答(順不動で一部を抜粋)
・新社名をPRするTVコマーシャルについて、永守会長の評価は?
→大好評、あんなにいいコマーシャルはないと思う。
・(岸田新社長へ)ソニーからニデックへ移った動機は?
→永守代表との面談で虜になった。
ソニーは(ソフト路線への転換で)モノづくりが少なくなってきたので、世界中に製品を展開できるニデックに魅力を感じた。
・買収により工作機械のシェアも上がってきたが、買収した会社のニデック体制は浸透している?
→技術力はあるが赤字の会社を安く買っている。そういう会社はすぐやらない・できるまでやらない、そこを直せばすぐに良くなる。
・データセンター向けの水冷モジュールについて、競合が激しそうだがどのようにシェアを高めていく?
→半導体を冷やす冷却システムは簡単につくれるイメージがあるかも知れないが、水が一滴でも漏れたらデーターが全て無くなってしまうこともある。すごく高度な技術が要求される。
ニデックの技術力は容易くマネできるものではない。
・従業員の報酬・福利厚生について、いい人材確保のためにもっと上げるべきでは?
→平均給与よりも優秀な人がどれくらい貰えるかが問題。
年功序列ではなく、頑張っている人にはどんどん出す。
応募はたくさんあり、人材に困ってはいない。
・新しい技術をアピールする予定は?
→たくさんあり過ぎてアピールしきれない。
2026年にニデックのモーターが付いた空飛ぶクルマが出る。
既に2800台も受注がある。そのうち普通の車と同じくらいで買えるようになれば、これも爆発的にモーターが必要になる。
約110分で終了
生憎の大雨のせいか例年よりは参加人数が少なかったように思えるが、意見・要望を含め16名が発言し、前半の2~3問以外は永守会長が何かしら言及していたので、参加者は概ね満足だったのでは。
一番気になった永守代表と岸田新社長の関係については、質問に回答する岸田氏に対して、「ありきたりな回答でつまらない・・・」などと度々ツッコまれていたものの委縮している様子はなく、良好に思えた。
6594 ニデック(6/18 終値)
@7,339 配当利回り 1.09 %
PER 25.56 倍 PBR 2.58 倍
永守代表自身が創業前から熱心に株式投資をしており、株価には人一倍敏感。終始一貫して
「自信満々、私を信頼してほしい、株価は10倍にも100倍にもなる」
そして
「短期でもうけたいなら当社の株は持たない方がいい」
「心配だったら売ってくれたらいい、そのうち後悔する」とも