40代無職独女の読書①若干のネタバレ含みます。(ご注意を)感想から脱線。
そんなにたくさん読むわけではありませんが、年に20~30冊の本を毎年読んでいます。
(お金がないのですべて図書館で借りてます)
もっぱら、ミステリーが多く、東野圭吾さん、中山七里さんの作品が大好きです。
今回は中山七里さんの「能面検事の死闘」を読ませていただきました。
(本日読了)
リーマンショックのロスジェネ世代の人物による無差別殺人事件が起こり、
その犯人を釈放するように犯行声明を出す爆破犯、ロスジェネ世代の犯人への擁護論。
私は、リーマンショック時代のロスジェネではなく、その前の失われた10年のロスジェネ世代であり、いろいろ考えさせられるお話でした。
ここからは少し私の過去の話を。
3流大学卒業の私は、就職口(受ければ落ち受ければ落ち…)もなく実家に帰り、しばらくの間アルバイトをしていました。
その後大学病院にパートタイムで事務員をし、そこでも1年後仕事が人数的にあぶれたところに異動させられ、居場所もない状態でした。
先輩事務員(正職員)の何をさせたらいいのか困った顔がいまでも忘れられません。
その後、カルテやフィルム(束になるとかなり重いです)を運ぶ部署に配属され、そこは、地下にあり薄暗く、霊安室の隣、カビのにおいが漂うところでした。
数か月後、カビによるアレルギーになり、咳が止まらなくなり、身体を壊しました。
もう、辞めようと思ったところで、秘書の誘いをいただき、働くようになりました。
ですが、そこでも社会保険にも入れない、安い給料での働くこととなりました。
事務員(パートタイムは社会保険には入れていましたが、休みが多い月だと手取り8万円ほどになったり低給料…)
秘書は社会保険に入れずそこから高い国民年金、国民健康保険、市県民税を払いトントン…
この本では(ここは少しネタバレ)最後の方に、無差別殺人の犯人の父親が、犯人を就職できないことを罵倒していたということが明らかになりました。無能やらなんやら…
事実、私も秘書をしていたころ、父親に反抗したところ、「大した仕事をしているわけでもないくせに」と言われたことがあります。
確かに大したことはしていなくても、一生懸命やってはいたんですけどね。
親世代としてはそんなこと関係なく、正社員でしっかり働いてないと、働いていることにすらならない。
まぁ、こんな考えの親ばかりではないと思いますが。
いまでは無職で何も言えませんが、笑
時代のせいにするなということなのかもしれませんが、私にはそれを乗り越えるだけの能力はありませんでした。
今になって、もう少し早く秘書を辞め、次の仕事を真剣に探しておけばよかったと思っていますが、後の祭りですね。
何が自分にできるのが、本当にわからないくらいです。
ハローワークで氷河世代応援企業(非正規雇用就労経験が多い人、安定した就労の経験が少ない人など)もあります、と言われて、登録しようとしたら、ハローワークのおねえさん「雇用保険上秘書だった期間、正社員になってます…」
「え?」
社会保険にも入ってない、賞与もお小遣い程度・・・正社員???
ちょっと、正社員の定義がわからない。
「登録はできると思うけど…」
いや、していただきたいですけど、その氷河期応援企業の少ないこと少ないこと・・・
ただでさえ40代の求人が少ないのに、そんなことに協力する企業が今後もあるとは思えない。
これ意味あります?
県庁や警察官の氷河期世代採用枠の募集があればその世代が大勢押しかけ…
正規で働けていない人、安定を求める人であふれかえり。
支援が正直、遅すぎる。
失われた世代はすでに40代…
普通でいえば中堅以上になる歳、企業側も何もできない40代を雇いたいとは思わないでしょうね。
この本の犯人のように、世の中に復讐をするというのは許されないとは思いますが、低賃金で独身で、夢を持ては難しい。
今は女性でも無職では結婚は難しい。(なにより同じ世代がロスジェネ世代。)
努力すればとか、勉強すればとか、言いたいことはわかるけど、能力がある人だけではない。
なによりもいま、食い扶持を探さなくてはならない。
という感じに、仕事の経験さえさせてもらえなかった世代もあるのだと、少し語らせていただきました。
ただ私の場合は実際に努力不足が主な原因なので、大したことは言えないのですが。
読書の感想から脱線しましたが、この能面検事のシリーズは3冊目で、すべて読みましたが、不破検事の能面冷静沈着ぶりがかっこよく大好きな作品です。今回ロスジェネ世代の犯行ということで、こちらを書かせていただきました。
ということで、この辺で!
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