某仏教系宗教に入会していた時の話

あれは20歳くらいの時だったでしょうか。

ある日、同級の知人から会いたいと連絡が
あり、待ち合わせの場所に行くと、そこには知人と見知らぬ中年男性が。

「○○って知ってる？」と、唐突に始まった宗教の話は、約2時間に及んだと思います。

話の内容に感動した訳ではありません。
話を信じた訳でもありません。

が、私の人生、生まれた時から負け戦確定の人生でしたので、もし幸せになれるなら、と淡い期待と好奇心に負け、その翌日、入会のお経をあげに行きました。

「このお経を毎日読めば、功徳が積まれ幸せになれる。」

と自信満々に豪語されたので、とりあえず
朝晩1回20分、毎日続けることにしました。

数日すると宗教の会員の人から、○日に集会があるから来れる？と連絡があり、暇なのもあって試しに行ってみることに。

宗教の集会と聞くと、かなり怪しい雰囲気を想像しますが、意外なことに、みなさん常識的で和やかな雰囲気でしたね。

集会が終わりに近づくと、

「ちゃんとお経あげてる？そろそろ勧誘してみようか！他の人を入信させると、お経の
何百倍も功徳があるんだよ！」

「お経をあげてるだけでは本当に幸せには
なれないんだよ。」

と、勧誘してなんぼの宗教であると、ここで
初めて理解しました。

この時、私が確かに感じたのは、信者の人々は、他人を救いたいから布教しているのでは
なく、宗教を広げたいから布教している、ということです。

人の為に宗教があるのではなく、宗教の為に人がある。宗教に忠誠を誓っている感じです
無論本人たちは気づいてはいませんが。

さすがに私もおかしいと思いましたよ。

普通、お経を読んで、良いと自分が感じたら自然と人に話すようになるのでは？と。

でも、それは彼らの中では違うらしいです。

一刻も早く布教しないと、日本は滅亡に向うので、とにかく布教が最優先とのことです。

ハッキリ言って、私は、自分が幸せにさえ
なれれば他のことはどうでも良かったので、
「？」と思いつつ勧誘も頑張ってみました。

たけど、当然上手くいきませんでしたね。

宗教自体の怪しさに加えて、私自身、相手の幸せなど考えず、ただ自分が利益を得たい
だけの勧誘でしたから、相手もそうした空気を読み取るのでしょう。

それでも何人かは入信させることに成功したので、何か初級の役職を頂きましたが笑

初めて入信させた時は嬉しかったですね。
どんな絶大な功徳が出るのか！と楽しみで
仕方がありませんでした。

でも、言わずともお分かりのように、
2年間、毎日のお経と、勧誘もしてきましたが
功徳など全く無かったです😫

むしろ、縁の遠い知り合いに無理矢理宗教の話をするのですから、まあ気分は悪かった
ですね。

この宗教入会時期は、ネットワークビジネスをしていた時期と被っていたので、友人知人は尽く、私の前から消えていきました。

普通に考えて、そんな自己中心的な人間が
幸せになどなれるはずもないのです。

ですがこの宗教の考え方は、
信仰さえ真面目にしていれば自ずと良い人間になる。だから宗教活動を第一にしなさい。
というものでした。

その結果、私がどんな人間になったかと言うと、それは悲惨なものです。

信心無き者を見下し、私は真理を知っているという霊的な優越感を後ろ盾にして、必死で自分の優位性を保とうとしている、極めて歪な人間に成り果てていました。

そしてそれは私だけではなく、他の信者も
「正義のマウンティング」に酔いしれているように思えました。

そうして徐々に嫌気が強くなっていき、少しずつフェードアウトしていきました。

しかしそれですんなりとは終わりません。
会合などに参加しなくなった後も、
信者がしつこく家に訪問しに来るんです。

新聞を持って読み聞かせにきたり、お布施を集めにきたりと、正直かなり迷惑でした。

幸い、そんな過激な団体ではなかったので、暴行や脅しはありませんでした。

ただ「罰が当たるよ」と遠回しに常に言ってくる感じではありましたが。

全くの無駄な時間に思える2年間でしたが、
私にとって非常に有益なこともありました。

一銭にもならないのに毎日お経を唱える事で、自分にも継続する力がある、という認識を芽生えさせてくれたことです。

これが私にとっての最初で最大の功徳だったのかもしれません。

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これで話は終わりになりますが、
この宗教団体のことを批判する意図は特に
ありません。

私が感じたことをありのまま書かせてもらいましたが、私がもっとマトモな人間だったら功徳も享受できたかもしれませんしね。

またお金に汚い団体では無かったので、信者の皆様は純粋に信仰心を持って布教に励んでいたように思います。

問題があるとしたら、その排他性ですかね。

どの宗教も、我こそが正しいと思っている節はありますが、この団体はそれが非常に顕著でした。

もし自分達だけが正しいのなら、その絶対的功徳でもって、信者全員がブッチギリに幸福になれば、みんな進んで入信するんじゃないのかなぁ。

「現世利益も確実に出るから本物なのだ！」

と豪語してましたし、それならこの団体以外が不幸にならないと辻褄が合わない気がするのですが、これ以上言うと「罰」が当たり
そうなので、ここらで止めておきましょう。

お読み頂き、ありがとうございました。