外貨建て生命保険について

外貨保険、利率上昇で販売65%増 為替リスクも
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB174QM0X11C22A0000000/

  
 米国の金利上昇に伴い、外貨建て保険の販売件数が増加している。保険会社は基本的に国債で運用するため、米国債の金利はダイレクトに運用に響いてくる。現在は急激な金利上昇による円安ドル高なので、米ドル建て資産を持っている方は思わぬキャピタルゲインを得ているだろう。だが、金利が高い外貨建て保険も当然ながら万能ではなく、リスクが高い。

 外貨建て保険は様々な仕組みがあるが、変額保険を除き、基本的に一定の利率は保証されている。一方、為替レートは日々変化しているため、円ベースの元本は毎日変わっている。故に、満期の解約時に受け取る外貨ベースの元本は確定するものの、円ベースの額は解約当日になるまでわからないのだ。契約時に1ドル100円だったものが、50円になっているケースも可能としてあり得る。逆もしかりだ。

 ちなみに、貯蓄性の高い保険は短くてだいたい5年~10年の間での契約が多いと記憶している。中途解約すると元本割れするケースが大半だ。急激な円安ドル高なったからといって、中途解約のデメリットが受け入れられなければ、放置するしか方法がなくなる。これが流動性リスクだ。

 結論をいえば、外貨建て生命保険の最大のリスクは長期間資金を固定化することにある。言い換えれば、流動性が失われることによって為替リスクが付随して出てくるのだ。

 米ドルの高い金利は魅力的ではあるものの、日本国内で運用するかぎり、納税や評価額はかならず円ベースになる。また当然ながら、国内の法定通貨は円であるので、米ドルをいくらもっていようが、チョコボール一つも買えないのだ。

 変化の激しい時代にあって、流動性リスクの高い保険商品、特に外貨建てはよくよく注意した方がよいだろう。

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