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秋のはらこ祭終了…哀…

職場の若者と話をしていて
「食べ物は何が好き?」と訊きました。
しばら〜く悩んだ後に
「しょっぱければ…いいかなぁ」と。

私が悪い。
世代を超えて共通の話題を、と思ったのですがその人は食べ物に興味が無かったみたいです。興味が無いことの嗜好を訊かれても困りますよね。
私は若い頃からオシャレにミリ程も興味が無かったので
(どんなファッションが好き?)
と問われて、困ってしまい
(汚れてなくて、袖がついている服)と答えました。
職場の人も頑張って、答を絞り出してくれたのだと思います。ごめんね。

さて、年齢を重ねて他の欲がポロポロ削げ落ち、今では食べ物のことばかり考えている私。
好きな食べ物は即答できます。
(白米、鶏、魚卵)!

筋子、たらこ、明太子。
どれも美味しい。生のたらこを甘じょっぱく煮たのも好き。
しかし…
悲しことに、魚卵好きには楽しいシーズンが終わろうとしています。

(秋のはらこ祭)
*勝手に命名*

新米と同じ頃、東北地方では
生はらこ=イクラが店頭に並びます。
鮭が帰ってきて、生はらこが出まわってくると目がギラギラ。
タイミングが難しい。残暑の中で食べるものではないような気がするし、値段も考えて。
涼しい風が吹き始める頃、生のはらこをほぐして、自分好みに調整した酒、醤油、ちょっぴりだけのミリンに漬け込みます。

魔法がかかったようにピカピカの新米にひと晩漬け込んだはらこをたっぷりかけて食べる至福の瞬間。

おい…し〜い!
1年ぶりの幸せ。

今住んでいる宮城では、鮭の炊き込みご飯にはらこを乗せた(はらこ飯)が主流です。
鮭・イクラの価格が高くなっている昨今、贅沢な親子丼。もちろん美味しい。

でも、白米至上主義の身としては、炊きたてのご飯に乗せて食べるのが好き。
おかず不要です。

テレビのグルメレポートで「お口の中でイクラがプチプチ弾けて、美味しい」と言う方がいますが、多分そのイクラは美味しくないな。
弾ける歯ごたえのイクラは川の上の方まで上がった産卵直前のモノ。
美味しいのは、噛まなくても良いようなはらこで、それだけに潰れないように丁寧にほぐさなければならないのです。

春、桜が散る頃。
日本中がその儚さにため息をつきますが、仙台に住んでからあまり感じ無くなりました。仙台は(杜の都)の名前通り驚くほどに新緑の季節が美しいから。

しかし、生はらこの季節が終る頃、寂しくて悲しくて来年の秋が待ち遠しくなります。
いや、お店にはまだ出ているんですよ。
ただ、
高い!
大きめの(美味しそうな)のは昨日、5000円から7000円!の値札がついていました。
どこの王侯貴族さまが買うのだ?
昔は鍋焼きうどんやお蕎麦にも入れていたけど、そんなのは夢のまた夢。塩イクラではできない半熟はらこの美味しさは格別なんだけど。
売り場で貴族のはらこを暫く見つめたあと、未練を断ち切って目線を移すと、そこに救世主が。

塩数の子。
そうかそうか、キミの季節か。
数の子も味付けで売っているのより、塩抜きをして自分で漬けるのが好きです。
こっちはプチプチいのち。
数の子をひとくち、ビールを飲むと微妙な磯の香りがたまりませんな。
もちろん安くは無いけれど、やめられない。他を節約しなければ。

ところで以前、友達が
「九州の人からいただいたんだけど」と明太子をお裾分けしてくれました。
おー!まい、がっ!
腰が抜けるくらい美味しかった。
九州の人は毎日、あんなに美味しい明太子を日々食べているのでしょうか。
う〜む、羨ましい。

それにしても、日本に生まれて良かった。こんなに美味しいお米と魚卵があるもんね。

あ、キャビアとかあるか!





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