
65年前の父がユーチューブに出ていました!
のどかな日曜の午後、リビングに響く三婆の声。
「あ!あー!」「あれ!あれ!」「お父さんだーっ!」
時を少し戻します。
数ヶ月前から私、姉、母は日曜の午後を姉の家で過ごしています。
のんびり、ダラダラ。
最近、痩せ気味の母の為に姉はお菓子やフルーツを沢山用意してくれて、有り難い。
テレビで(ポツンと一軒屋)や(アタック25)を見ながら、くだらない話をしてダラダラモグモグゴロゴロ。
何にもない日の幸せ。
その日、見たい番組も終わりユーチューブでも見ようかねと探っていると、故郷の映像を発見。
65年前、隣の市との道路が開通した記念映像を地元のマスコミがまとめたもののようです。
モノクロの中にカラー動画が混ざっているのは映画のフィルムで記録を残していたのでしょう。テレビのカラー放送が始まる前ですから。
開通セレモニーやパーティー、記念の駅伝、パレード。
「この頃の市長さんだ」「こんな昔からコンパニオンっていたんだね」「あら、この人あなた(私)の名付け親だよ」「ほほー」
なんてことを話しながらいつも通りの、のんびりした午後。
と!
記念のお祭りパレードの様子が映った瞬間。
「あ!あー!」「あれ!あれ!」「お父さんだーっ!」
下帯姿に白いはちまき、勇壮に太鼓を叩く父の姿がそこにありました。
ほんの数秒ですが、大盛り上がり!
「写真と動画撮ろう」
「あ〜、お父さんだ〜」
「お姉さんのスマホの方が画像良いんじゃない?」
「お父さんだね〜」
「お母さん、動画撮ってるから静かにして」
「ごめん、ごめん、あ!おとーさーん」
「お母さん、しーっ」
まさか65年も前、私が生まれる前、28歳の父の姿をユーチューブで見られるなんて。
5年前に亡くなっていますが、イケメンで、頭が良く、優しい自慢の父でした。
生きているうちにこれを見たら喜んだろうな。
と、思いましたが
もしかしたら、私達のダラダラゴロゴロの日曜が楽しそうだったから参加したくて見せてくれたのかも。
お父さん、来てたの?
お母さんは若いお父さんを見て、とっても喜んでいたよ。いつか、どこかで会えたらこの話をしようね。
幸せな午後のひとときでした。