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最強の姉、しかし…

以前、何度か姉にまつわるエピソードを書きました。
その中で子供にモテモテと紹介しましたが、実は子供以外にも人気があります。
(子供に関しては、超常現象レベル)

町内で久しぶりに誕生した赤ちゃん、というので生まれた時から大人気。
結婚で地元を離れる時には近隣のばーちゃん達が涙にくれ、結婚式では(私達から大切なあの子を奪う、にっくき輩)と新郎を睨み続けるという不思議な光景でした。

あねちゃん(姉の仮名と思って下さい)と一緒の時がいちばん楽しかったといろんな人に言われたり、電車で隣に座った人に人生相談されたり、人気者エピソードは無限。
今も昔も周囲のお世話をしているというのもありますが、HSP傾向があって、人付き合いが苦手な私とは大違いです。

そんな最強の姉の欠点、それはかなりのあわて者。

独身時代、ある集まりで料理出しのお手伝いを頼まれた時のこと。
和室の配膳で姉は鯛の焼き物をお出しする役割。姉の後ろで茶わん蒸しを担当していた同僚が必死に笑いを堪えながら小声で
「あねちゃん、お魚釣っちゃってる」
なに?と思って見るとエプロンの端に鯛がぶらーん。まぁ、和室で尖った歯の鯛の焼き魚。あり得る。
慌てた姉はその鯛を素手でむんずと掴み、お皿から鯛が消えているお客様の所まで戻って「失礼しました!」とお皿に返却。
姉の名誉の為に言っておきますが、普段はこんな失礼はしません。慌てると、不思議な行動になります。

特に慌てるのは(席を取る)タイミング。
乗り物や映画のチケットを取るのに不要の緊張をするようです。
映画を見に行った時もタッチパネルではなく受付で買う映画館だったのですが、人気の作品でほぼ満員上映回チケットを取ることができました。お金を払って大満足でその場を離れると。
「お客様ー、チケットお忘れでーす!」
ま、私も一緒だったのですが…。

日々、小さい慌て技を繰り返して夫さんに「落ち着きなさい」と言われた回数は「愛してる」より多いはず。

でも、我が家のいろいろなトラブルもパワフルに解決し、両親も大切に見送り、子供たちを育てあげ孫たちに激愛される姉。

ある種のカリスマ性を持っていますが、それはひとりひとりへも精一杯尽くすからなのでしょう。
あねちゃんと一緒の時がいちばん楽しかったと言われる人と人生を伴走できる私はかなりの幸せなのだと思います。

でも、私達も歳をとってきて危ないので怪我が無いよう、突っ走る前にひと息つきましょうね。





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