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私の両親

  今日のハイライトは確実に、お母さんが言った、「どうしようもなくだめな人だけど、好きだよ」だと思う。

お父さんとお母さんは仲が悪い。というか、仲が悪いという過程を通り過ぎ、もはや何か大事な部分が擦り合わせられなくなっている状態だ。

争いは同じレベルのものでしか起きないとはよく言う。同じレベルとか、土俵とか。そういう話を持ってこなくちゃ納得できない感情があること、それはひどく悲しいことだと思う。

私は当然、お母さんはお父さんが嫌いだろう、と思っていた。だって険悪な空気になることがしばしばあったし。私はお父さんが嫌いだし。

そもそも、2人の相性はあまり良くないと思う。片付けが壊滅的に下手なお母さんと、こまめに整理整頓するお父さん。掃除は素早くそこそこのクオリティを目指すお母さんと、徹底的に時間をかけて綺麗にするお父さん。

でも、私の「どうしようもなくだめな人だと思うけど、好き?」という問いに、「どうしようもなくだめな人だけど、好きだよ。でも、好きとか嫌いとかじゃないな。」と答えた。

好きだけど、好きとか嫌いとかじゃない。難しい言葉だ。

あんなに喧嘩したのに、あんなにイライラしたのに、好意がある。でもそれはもはや、好意とかそういう類のものではない。

むずかしい。未熟な私にはまだ早いかもしれない。

でもそれが例えば、愛とかいう名前のものであれば、とても愛しくて、とても難儀なものだと思う。

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