【人生を変える本30冊】①『すべては導かれている』田坂広志
【人生で起こること、すべて良きこと すべては導かれている】
田坂さんの言葉は力強く、静かに心に染み渡ってくる。初めて本を見つけたのは2020年の春だった。体調を崩し働くこともできず、仰向けで本を読む日々が何年も続いた。そんななかで出会った。
田坂さんも若い頃に大病を患い、余命宣告まで受けた。そんなときある禅寺の禅師に出会い、言われた。
「人間、死ぬまで、命はあるんだよ!」
「いまを生きよ!いまを生き切れ!」
ああ、自分は心が死んでいた。過去を悔い未来を憂いて、かけがえのないいまを生きていなかった。もう明日死のうが構わない、与えられた一日を精一杯生きよう!
YouTubeで田坂さんのスピーチを何度も聴き、励まされた。私の病もまた、自分を成長させるために、なにかに気付くために、人生に与えられたものだ。そう信じていて、今振り返ってそれは正しかった。
「自分の人生は、大いなる何かに導かれている」「人生で起こること、すべて、深い意味がある」
蜘蛛の巣の糸がキラキラ光って宇宙の星みたいにみえること。偶然のその先にあの人と出会えたこと。
直感やシンクロニシティ(偶然の一致)、そうして紡がれる人生の美しさ。
逆境のなかにいても覚悟を決めて、自分の心を、世界を信じていまを生きること。この一冊が自分の人生観の柱になっている。
田坂広志が語る「すべては導かれている―逆境を越え、人生を拓く五つの覚悟―」