マニュアル車に乗って考える事
富山の大学校に進学する長男が「せっかくマニュアル車の免許を取得したんだから、出来ればマニュアル車が欲しい」という要望を受け入れ、春先に何軒か中古車店をまわり、ようやく希望どおりのクルマが我が家やって来たのが、彼にとって新しい生活が始まる直前の3月中旬だった。
慣れない土地での運転は大丈夫かな、という親の心配をよそに日常のちょっとした買い物はもちろん、同級生同士の気ままなドライブだけではなく、休日に行なっているアルバイトでは県外までこのマニュアル車を利用している。何だかんだで月間走行距離は平均すると1000キロになっている。
帰省したおりには私もこのマニュアル車を運転する事があるが、何とも言えない良さがある。
手足をしっかり使って操作するので、忙しい反面退屈になる事がない。何より楽しい。
オートマに比べて動力伝達装置が複雑ではなく、故障の心配が少ない。
踏み間違えによる暴走が発生しにくい。
エンジンだけでなく、シャシーなどの調子に敏感になる。
何を隠そう彼が乗るフランス車の同型(マニュアル車ではない)を8年近く20万キロをともにした経験があり、疲れの来ない快適なシートや日本車との共用部品が多く品質も高い事は知っていたが、軽自動車とさほど変わりない小さなエンジンでは非力過ぎないだろうかと心配したが、ほとんど1人で乗る事が多いし、最近オイル交換して直後に添加剤も注入したので、「すごく調子が良い」と言っている。
高齢者に限らずブレーキとアクセルの踏み間違えが原因と思われるオートマ車の暴走事故を見るにつけ、あるいは安楽を追求したばかりに運転する楽しさをうばっているとも考えられるオートマ車では味わうことが出来ないマニュアル車のメリットを強調せずにはいられない。