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自国に誇りを持てた話


前回のnote更新から一ヶ月。相変わらずバイトに勉強に遊びに忙しく充実した日々を送っている。タスマニア島にいれるのもあと4ヶ月、楽しい時間は本当に過ぎるのが早い。

最近の大きな出来事と言えばシェアハウスの家主とバトったこと。月に請求される電気代がべら棒に高く1人あたりの電気代算出方法もガバガバだったので、ルームメイト全員から署名を集め『Request for Clarification』と題して正式な証拠提示と詳細な説明を要求した。時には粘り強く強気で接することが海外生活では必要だ。

それからもう一つは、先日両親とzoomを繋げて20分間のプレゼンをしたこと。結果的に14枚ものスライドになったがそれでも所々突っ込まれた。さすがはうちの両親。こっちの土地でいろんな経験をしていろんな知識を身につけているうちに、新たに自分の『夢』を見つけた。
その夢を実現するためには海外大学院で学び卒業することが一番の近道だという結論に至り
まず何よりも先に両親を説得する必要があった。プレゼンの結果と新たな夢については追々noteに綴っていこうと思う。


今回ここに記載したいことは、改めて「日本という国に誇りを持てた話」。今日はとても良い日だった。

普段通りレストランでウェイターをしていた時のこと。食べ終わった食器を下げようとある老夫婦のテーブルへ着いたとき、そのご夫婦に話しかけられた。
「あなた、日本人でしょう。」

「そうです、どうして分かるんですか?アジア人の区別ができるんですか?」と答えた。
私が働いているのは日本食レストランなのだが面白いことに日本人スタッフは私だけ。他はアジア圏からとオーストラリア人。しかし老夫婦はその事実を分かっていながら私に問いかけたようだった。

私たちアジア人にとってアジア人を識別することは容易だが、そのご夫婦はタスマニアとメルボルンの出身だった。
私の問いに対して老夫婦は、
「ええ分かるわ。日本人はどの国よりもマナーがなっているもの。私たちは日本が大好きでもう3回も日本を訪れているのよ。
いろんな場所を観光したけれど、どこに行っても誰に話しかけてもみんな親切で本当に礼儀正しかったわ。
私たちは日本人の国民性や美徳センスを心からリスペクトしているのよ。」
と答えた。
その後も、旅行中日本人に助けてもらったエピソードや訪れた観光名所、私の出身地の話などで、バイト中にも関わらず大いに盛り上がった。
日本食レストランに来るゲストは日本食だけでなく日本という国自体に好感を持っている人も多いように感じる。退店の際に日本語で「ありがとう」と言われたり出身地を聞かれたりすることはよくあることだ。

しかし今日は少し違った。
ご夫婦は会話の中でこんなことを言った。

「あなた以外の従業員は日本人ではないでしょう。私には分かるわ。あなたにはきちんとマナーがあってとても親切にしてくれたわ。ありがとう。」

嬉しかった。誰かが見てくれている、頑張って働いててよかった、日本で育って良かったと思えた。一見すると差別的な発言かもしれないが、実際に3度も日本を訪れた経験からの発言なら差別というよりは区別だろう。

特段そのご夫婦に気を配っていたわけでもなく、いつも通りオーダーを取り、フードをサーブし、食器を下げていた。しかしこれらの「何気ない行動」の中に、日本人として育った環境の中で身に付けた振舞や礼儀作法が無意識に練り込まれていたのだろう、出身国の見分けがつくくらいに。
これって凄いことだなと素直に思った。友人に日本の教育システムがどうだとか働き方がどうだとかブーブー言ってた私だが、改めて日本人としての誇りと自覚を持ったと同時に日本人の「国民性」と「美徳感覚」が世界で認められているような気がしてとても嬉しかった。

去り際には互いの名前を教え合い、「また来るわねユリ。」と言いながらチップをくれて帰っていった。どうやら常連さんだったらしい。
海外でアルバイト経験ができるなんてこんな貴重なことはない。次お店に来てくれた時にはどんな話をしようか。
思い出すと自然と笑みが溢れる、そんな良い日だった。



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