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使用前と使用後があるから。

使用前と使用後、◯◯前と〇〇後は、確実に違う。
そんなことを、ふと思った。

先日、人と2人きりで会う約束があった。
決して嫌いな人ではない。むしろ好きな人だ。
でも、なんとなく面倒にも思った。何を話したらいいんだろう、2人きりで話がもつかな、とか、遠くに出かけていくのも、やや面倒だった。
結果、楽しかった。すごく楽しかった。話し始めたら、いくらでも出てきた。なんだ、私、この人好きじゃん、と思った。
使用前、使用後だ。

やる前は面倒だったり、不安だったり、不安だから、面倒に思ったり、いろいろな考えが邪魔をして、やらない理由を考えたりもする。
初めてのこと、慣れないことをするときは、たいていそうだ。
でも、たいてい、やる前とやった後で、気持ちは確実に変化している。

ちなみに、この人と2人きりで会うのは、初めてではなかった。
なのに、毎回、うまく話せるかなと思う。
そして、毎回、やっぱり楽しいで終わる。
おそらく好きだから、うまく話したくて、うまく話せなかったら嫌だなという不安が生まれるのだろう。
人の心は複雑だ。でも、会う「前」は緊張しても、会った「後」は確実に自分の気持ちが変化することを知っているので、その人に会いに行く。

その人と会うことに限らず、なんでも「前」と「後」があるものだ。
前と後があったほうが、印象が変わったり、YESがNOに変わったり、自分の心に動きが感じられて面白い。

会って話して、行って見て、印象が変わることって、多いよなぁ。
めちゃくちゃ有能と思っていた年上の人が、案外天然だったりするしなぁ。
会ったほうが、いいも悪いも、わかるし、
聞いたほうが、いいも悪いも、わかるし、
話したほうが、いいも悪いも、わかるの。

そんなわけで、何かが面倒なとき、「前」と「後」を思い浮かべるようにしている。
「後」を知りたくて、面倒な腰をあげると、たいてい「後」が良い感じなので楽しい。
今日も、引き受けようかどうか迷っていた仕事、できるかどうか不安に思っていた仕事を、気がついたら引き受けていた。
さて、「後」がどうなるか。

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