思ってた以上に魅力がなかったPixel 6 Pro
先日、いつも行っている動物園に行ったときに「望遠の強いスマホが欲しい」という欲が爆発してしまったのと、GEOが中古スマホセールをしていたのと、楽天カードが分割を使うと現金キャッシュバックするというキャンペーンがあり、動機と機会が完全にマッチングしてしまったので、今回新たにPixel 6 Proを購入してしましました。
目当ては高画素+4倍光学のペリスコープ型レンズ。望遠の強いスマホのライバルだとGalaxy S21以降のUltraシリーズやXperia 1 III以降の1/5シリーズが該当するのかなと思いますが、Galaxyは値段の観点から却下。久々にXreriaを触ってみようかなとも考えたのですが、レビュー記事を見ると望遠レンズは悪くないはずなのに高倍率はかなり荒くなるのでこれも却下。そのためPixelに決定しました。
Pixelは、AI機能に興味もあったので少し期待していたのですが、まあ使用した感じを綴っていこうかと思います。
まず伝えるなら、下記の機能とカメラ性能に惹かれない限り買う必要性はないです。
まずPixelの機能紹介
Pixel独自の使いやすい機能
通話スクリーニング
着信した電話をAIに受けてもらって、相手の話に応じて出るか切るか選べる機能です。個人で試した感じ、文字起こしはそれなりに正確なのかなと思います。まあ正直この機能の文字起こしは文脈さえ読み取れればそれなりに正確というだけで十分ではあるので、とても実用的かと思います。たまに留守電の代わりになるとおっしゃってる方も見ますが、留守電は自動応答ですがコチラは手動でスクリーニングボタンを押さないとダメなので流石に無理があるかなと思います。が、大切なのでもう一度言いますが非常に実用的な機能。
この曲なに
常時音楽を検索し続けてくれる機能です。便利。ただ、常時スマホに“聞かれてる“わけなので、怖いと思う人は怖いかもしれません。あと私個人的には、常時マイクを使うということなので電池の減りがやや気になります。(ただ、特に電池を食ってる様子も無いので問題なさそう)
ボイスレコーダー
プロから絶賛されるほどの文字起こし能力。職業柄使わないので体験できてませんが、試しにアニメの文字起こしを少しだけしてみました。確かに凄い。ほぼほぼ合ってる。しかも、リアルタイムでここまでできるのがえげつないです。Galaxyは録音後の処理であの残念な精度だというのに…
編集マジック
写真に写っている物を動かしたり大きさを変えたりとやりたい放題できる機能。楽しいという一言に尽きます。あまり極端にするとAIから「そんなことできん」と突っぱねられます。あと、Galaxy AIが写真の角度を調整して足りない部分は補間するというかなり実用性の高いAI機能を導入してるので、天気を変えられる以外の便利さが少ない編集マジックの、早々の大幅改修を望みます…
その他Pixelの代表的な機能
代わりに待ってて
コールセンターにかけた際、オペレーターに繋がるまでAIが待っててくれる機能。話に聞くだけだと便利ですが、最近のコールセンターはタイミングさえ間違わなければつながりやすいところが多かったり、そもそもチャットサポートだったりするので、その目玉機能感のわりに使われないんじゃないかと思っている機能。しかもフリーダイヤル限定。
文章マジック
正直使い方がわからん…ただ、使えたところで現時点ではGoogle メッセージだけみたいなので、今の日本で実用性があるかは不明です。使えると、AIが文書生成をアシストしてくれるみたいなので結構便利かもしれません。これもGalaxy AIの下位互換感が少しありますが、まああっちは恐らくクラウドベースなので…
絵文字から壁紙生成
もう名前の通りの機能なのですが、正直使わない…
選択
アプリ履歴画面にした際にスクリーンショットボタンの隣に出てくるボタンで、画面上の文字をコピペできます。arrowsの「なぞってコピー」的な機能で便利かと思いきや、後述する機能で最低でも半分くらいは良さを失ってる残念な機能です。
他社Androidでも対応可能便利機能
かこって検索
使うかな?と思ってた機能なのですが、先程あげた“選択“の機能の代わりに“ワンタップで”使えるのでほぼ上位互換。選択精度と操作性に若干の難ありなのですが、改行が挟まれてるとか長文をコピペするでもなければ個人的にはそこまで困るほどでもないので、やっぱりこっちの方が個人的に好きです。あと画面上の文の翻訳もサクッとできるのがいい。ただし今後2億台のデバイスで使えるようにするみたいなのでそんなに物珍しい機能でもなくなるのかも。
Gemini
Googleアシスタントと違って文脈がぐちゃぐちゃでも言いたいことを汲み取って理解して調べてくれたりするのは非常にいい。私はまだ使いこなせてませんが、今の時点でこれだけは言えます。クッソ便利です。
…と、色々機能を列挙してみましたが、使いやすい機能と他社スマホでも使える機能以外はマジで使うシーンが少ないかそもそも使わないです。使う機能だけ書くと記事の情報が少なくなりすぎちゃうので頑張って書きましたが…もっとこう…華のある機能欲しいな…Pixelがアプリ開発者向けの機材という側面もあるのかもしれないけど…
ということで次は
カメラ
まあこれ目当てで買ってますので実力を発揮してもらわないと困るのですが、私の望みであった望遠はかなり綺麗に寄れるので大満足です。動物がメインになると思いますが、望遠の作例もいくつか掲載しておきます。
また、超広角も普段はあまり撮らないですが綺麗に歪みとかは特に気にならず撮れます。ただちょっと画角狭いかな?
標準ももちろん綺麗。が、私の手持ちにはAQUOS sense8がありまして、標準だけで比べるとそこまで差がないです。Pixel 6 ProがF/1.85の1/1.31インチ、sense8がF/1.9の1/1.55インチなので、実力的には6 Proの方が上のはずですが、Pixel 6 Proはノイズリダクション重視でsense8はディティール重視の仕上げになってる感じで、シーンによりけりな印象があります。まあ個人的にはsense8の方が好みかな。まあこの辺は結構個人の好みが出ると思うので一概にどっちが良いとは言い切れないのでご了承ください。
こんな感じで、メインカメラはPixelが悪いというより他社の性能がかなり上がってるような印象です。Pixelもしっかり撮れてると思います。
それよりも望遠が素敵です。
下調べをしっかりしてから買ったつもりなので望遠が綺麗なのは知っていたのですが、実際ここまで綺麗に寄って撮れちゃうと感激してしまいますね…!
明るさと距離と被写体の関係でAQUOS sense8だと荒くなって毛並みのフサフサ感が無くなってしまうパンダすら、フサフサ感をしっかり残して撮影可能です。
かなり遠くに居た、近くにいたら踏んでしまいそうな大きさの鳥の雛も、毛並みのディティールは怪しいながらもモフモフ感はしっかり再現して撮影できてしまいました。
もちろんここまで寄れるので月も撮れちゃいます。ただ、プロ設定でもISOやシャッタースピードはおろか、露出も選択できず、「明るさ」なるフワッとした表現の項目しか触れないので、明るさ調整に苦労しました。
ちなみにsense8だと、ISOもSSも変えられるので明るさは調整しやすいですが…モザイクアートかな…?ここまでモザイクだと、餅をついてるうさぎもなんとなく分からんでもない。
その他
今回購入したのがGEOのCランク品ということで外装の傷が多いのは承知の上だったのですが、なんとスピーカーが壊れてしまっている可能性が高いです。だって最大音量の半分くらいまであげないとまともに音が聞こえないし、最大まで上げるとスピーカー以外の部品が明らかに共振してる音もするし、何よりRedmi 12 5Gより音質が悪い…スピーカー音質は高いと聞いてたので、これが正常品なら文句が出るレベルです。。。なのでスピーカーはレビュー不可です。すみません。それ以外で気になった点など挙げていきます。
カメラ番外編
ズームする際、Pixelが0.7倍〜20倍でその時に最適だと思われるレンズを自動選択してズームしてくれるモードと、撮影者が超広角0.7倍〜0.9倍、広角1.0倍〜3.9倍、望遠4.0倍〜20倍と好きなレンズと倍率の組み合わせを選択して撮るモードがあります。で、その機能自体はとてもいいなと思うのですが問題がありまして、倍率表記は同じなのに最大まで寄れる画角が全く違うのです!!画像は今回掲載しないですが、Pixelおまかせ時より手動選択の方が圧倒的に寄れます。寄れすぎて解像感が無くなってしまうところまで寄れます。最初手動をメインで使っていて「聞いてたよりも最大ズームぼやぼやじゃない?」と思い検証しているうちに気づいたのですが、案外使い勝手悪いのでどうにかしていただきたいなと…
電池持ち
デジカメ利用がメインで先述のスピーカー問題もあるのでゲーム用途に使う気は全くないのですが、カメラだけ使う分には結構電池持ちいいなと思います。朝から例の動物園に行って夕方まで写真を撮り尽くしても半分くらい残っているので、普通の人が普段使いで一日使ってても気になることはないんじゃないかなと思います。
ディスプレイ
意識してなかったですが、意識してない=不快じゃないということなので、外でも十分見えるくらいの明るさは確保されていると思います。比較に上げるのはかわいそうですが、Redmi 12 5Gは外では暗すぎて使い物にならなかったですからね…色味とかは当然ながら綺麗でした。
本体
大きくて重いのは知ってました。が、思ってたより薄く感じました。持てないことはない。あと仕様とはいえ、カメラ部がカタカタ動くのは少し心臓に悪いです。
総評
スマホとしてみた時の完成度はGalaxyに遠く及ばず。Xiaomiの(個人的に)劣悪なUIよりかは慣れてるぶんこちらに分がありますが、AQUOSみたいにちょこっといじってくれるだけで少しはマシになるはずなのになぁ…といった感じ。
が、反面AIはGoogle謹製だけありとても優秀。これを使い切れるかどうかで、スマホを買って満足したかどうかの評価が変わると思います。まあこちらも、GalaxyみたいにWEB要約とかの使いやすくてどんなものか実感も湧きやすいAIが導入されてると尚良いのかと思いますが…
なので総じて、「値段含めてポテンシャルは無くはないのに、全く活かしきれてない」という、ものすごく残念な評価に落ち着くかなと思います。これ一台で全て済ましたいんだ!という人には全くおすすめしません。
逆にカメラ目当てなら、5万円で買えるスマホにもなる中古コンデジとしては悪くないかもしれません。ただ6万円超えるとそろそろ3年落ちになるので…うーん…