VRコンサート体験記 TOMORROW X TOGETHER
私は健康上の問題で通常のコンサートに一生行かれないとあきらめていて
今までオンラインコンサートしか体験したことがないのですが
このところの急激な気温の変化と度重なる台風のせいで天気痛に悩まされ、すっかり心身ともにやられてしまい
「9と4分の3番線で君を待つ」の歌いだしを壊れたレコードのようにつぶやく毎日
得体のしれないゲル状の生物になりそうなくらい落ち込んでいまして
なんとか人間に復活したく
私の愛してやまないKpopアイドル・TOMORROW X TOGETHER のVRコンサートへオキシトシンを求めて行ってまいりました
平日の真っ昼間の品川
私は自他ともに認める筋金入りの方向音痴ですので、雑踏・乗り換え・出入口の多い駅とくれば、三拍子そろってほぼ肝試しです
交通機関で予定通り二回ほど迷って、ようやく映画館にたどり着きました
ここまでは想定内ですが
エントランスのトイレで迷ってしまって、さすがに自分が哀れになりました
トイレ内の通路がぐるぐる周回できる構造だったんですよ
開場時間までにトイレから抜け出せなかったらどうしようかと思いました
なんとか迷宮を抜け出し、チケットを持って入場
めぐりズムみたいな目の周りだけのマスクを渡されます
これの上からゴーグルを着けるんですね
特典のポスターを丸めてバッグにしまうのにちょっと苦労しました
筒とか持っていけばよかった
場所柄・時間などのためか観客はわりと大人の方が多く
私のように一人で来ている人も多かったです
プルバトゥのぬいぐるみやトレカケースをジャラジャラ提げたにぎやかな可愛い子ちゃんグループに両隣を挟まれたらどうしようなどと気後れしてたんですけど
心配無用でした
みなさん落ち着いた雰囲気でしずしずと着席
始めにゴーグルの使用方法のレクチャーが正面スクリーンに出てきます
正しく装着すると焦点が合っているかチェック完了の音声が入ります
私は眼鏡のままでゴーグルを装着したので、けっこう難しかったです
周りの人が「わ〜すごい!見える!」って言ってるのにまだ装着できなくて焦りました
ゴーグルのアジャスターを締めすぎると眼鏡が顔に押し付けられて痛いし
締めないとゴーグルの重さで眼鏡がずり落ちてくるし
結局ゆるめに着けたゴーグルをずっと手でささえながら見るスタイルになりました
まあそれでも問題なかったです
ただし手をほとんど動かさなかったからか、VR内で自分が握ってるテイだったMOA棒の映像が途中で消えちゃいました
空中浮遊してる宝石をつかむと、どのメンバーがご案内してくれるかを選べるのですが
隣の方はどれが推しの宝石かわからないとパニクっていらっしゃって
「これかな?」
「あっ」
「隣の人の手?ごめんなさい触っちゃった」
「いいえこちらこそ」
と、互いの顔も見えないままのやりとり
(白状しますとリアルMOAとの接触はこれが初めてだったんですよ。友達いないので…切な)
観客が少なめだったので全員そろって声出しという雰囲気ではなく
「MOAのみなさん応援してくれますか?」的なメンバーの語りかけにも
控えめな「でぇ〜」がちらほら、という程度で静かなもんでした
…曲が始まるまではね
とにかく近くに見えるらしいと聞いてましたが
覚悟が足りませんでした
うっかり鼻が触れちゃいそう!!!
私、警備員に取り押さえられませんか?!
これは合法なんですか?!
っていうくらい近いんです
もう会場内、阿鼻叫喚
ジェットコースターやお化け屋敷でもこんなに叫ばないだろっていうくらいの阿鼻叫喚
テレビで紹介されてた映像では観客がみんな前に手をかざしてましたけど、あれは「触りたい」が半分で「心臓がもたないからこれ以上近くに来ないで」が半分だったんじゃないかと…
視界がとても広くて、上は空まで届きそうな樹や建物が見え
下は投げ出されたヨンジュンのつま先が
「これって現実なら私の足踏まれてるよね?」っていう角度で見えました
そしてお肌がほんっっっとにキレイ
事前収録の日本のテレビ番組なんかだとフィルターかけすぎてビスクドールみたいになってた時がありましたけど
今回の映像はとても自然で、ほんのりと赤みを帯びているかんじとか、かすかに産毛にファンデーションがのってるのまでわかる画質でした
(生々しくてすいません)
彼らは美しすぎて修正するとCGのキャラクターみたいになっちゃうじゃないですか
そうなると興ざめなので、私としては作り込みすぎないところが良かったなと思ってます
衣装や髪の質感まで見えるのがすごかったです
とにかくメンバーの姿を見つめるのに忙しくて余裕がありませんでしたが
普通のコンサートの舞台美術では難しそうな迫力のある背景でした
草花が揺れたり雲が流れたりする演出が隅々までリアルで華やかで
もっと余裕があればそれもよく眺めたかったな〜と思ったり
いや無理だろ、どうせ何回見てもメンバーに釘付けだろと思ったり
私は日頃からゲームでも酔ってしまうほど画面の揺れに弱いのですが
今回はほとんど酔いませんでした
手前に歩いてくるメンバーをカメラが後退しながら写している場面でほんの一瞬だけクラっとしましたが、他に辛い場面はありませんでした
カメラの動きがなめらかでゆっくりだったおかげかもしれません
自分で視線を動かせるので、推しが端のポジションに移動したらそっちを向くとかができました
スビンに触られそうになったり
ヨンジュンに回し蹴りされたり
ボムギュに着火されたり
テヒョンに頭を鷲づかみにされたり
ヒュニンカイの鼻と鼻がかすったりしたい方にはオススメです
始めはこの料金で1時間足らずだと割高だなあと感じていましたが、実際に見るとあれ以上長かったらゴーグルが重くて疲れそうだし
何より没入しすぎて現実に戻れなくなりそうなので
あのくらいの時間でちょうどよかったです
大満足
終わったら髪はボサボサだし眼鏡は曇ってるし
ほっぺたは汗でべとべとだし喉はカラカラでした
会場内は飲食禁止なんです
開始前にもっと水分補給しておけばよかったなと思いました
今後も通常のコンサート会場へ足を踏み入れることはないでしょうし
オンラインでもそれほど大画面で見られる境遇ではないので
私にとってVRは素晴らしい救済です
ありがとう最新技術
ありがとうトゥバちゃん
苦労して撮影に取り組んでくれてありがとう
特別な場所を与えてくれてありがとう
夢のような、そして夢ではないと思えるような最高の時間でした