輝ける方向音痴【エッセイ】
こんにちは、アイチャイムです。
特技は方向音痴です。
そんじょそこらの方向音痴とは格が違うわたくしですが
実はもうひとつ強力な特技があるのです。
知らない人に道をきかれることです。
よりにもよってなぜわたくしに、なのか。
さっぱりわかりませんが、
やたらと道をきかれたり時間を尋ねられたりします。
まわりにたくさん人がいるのに、わたくしだけを目がけて来られるかたが多いです。
何か目に見えない光線でも出てるんですかね。
もう一度言います。
わたくしは尋常でない方向音痴です。
おわかりですか。
わたくし自身が道に迷いかけているときでさえ、おかまいなしに彼らはやってきます。
駅のホームで長いベンチの中ほどに座っていたとき、
横に座っていた他の人たちの前を通過してまっしぐらに歩み寄ってきて時間を尋ねられたのはさすがに怖かったです。
念のため言っておきますが、時計を着けてなどいませんでした。
何がその人を吸引したのかは謎です。
さらに困ったことに、わたくしは極度の人見知りで、自分が迷ったときも人に道をきけないくらいなのです。
そんな性格なので、知らない人にぐいぐい来られると焦ってしまい、
あやふやであってもうっかり道を教えてしまうことがあります。
あなたがどこかで道を尋ねたくなったら、相手がわたくしでないことを必ず確認してください。
万が一、わたくしだった場合、あなたはそこで詰みます。
新宿の雑踏の中で外国人につかまって英語で道を尋ねられたのが最大のピンチでした。
もちろんわたくし自身が絶賛迷子中でした。
アイドンノーを連発して逃げ切りました。
なんで人混みをかきわけてまでこっちに来るんでしょうか。
ここ数年ほど心身共に弱っていたせいなのか一時期は道をきかれなくなりました。
今年に入ってから久しぶりに道を尋ねられました。
10メートルくらい離れたところにいた人と目があった瞬間に
「来る」という予感がしました。
それ以来、また頻繁に道を尋ねられるようになってしまいました。
これは体調が回復した証拠だと思うことにしています。
道を尋ねるときはくれぐれもお気をつけください。