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朗読劇「Fiend/Friend in 20faces」Wキャストで見える違いとまとめ

おさらい。東京5公演目Aキャスト(山寺さん、井上さん)を3階の1番上から、大阪6公演目を1階前方真ん中(佐久間くんの正面)で観劇しました。

佐久間くんのポジションは最初だけ1番下手、その後は基本センター、アジトに潜り込んだ時は上手にある装置の上(から落とし穴に落ちて下に降りてた)

前の記事で井上和彦さんの明智小五郎は明朗な名探偵と書きました。大塚明夫さんの演じる明智小五郎はもう少し年上のイケおじ感満載の探偵。BLEACHの京楽春水に近いテンポ感とトーン(伝わる人には伝わる。伝われ。)
2人の明智には明確に年齢差を感じ、そこから小林少年との関係値にも違いがありました。
井上明智に小林少年は懐いていて、先生!先生!と後ろをついてまわる子犬のような小林少年。

大塚明智は小林少年を後ろに控えさせている大人の雰囲気と尊敬と信頼の眼差しでみる小林少年(さすがにそこまでの表情は見えてないので声から見える雰囲気です)

「行こうか、小林くん」と明智が声をかけると先生の前にちょこちょこ寄ってくるのと、動き出す明智の後ろにぴたっとついて動くのの違いみたいな(みんな想像して頑張ってついてきて)

ここに年齢差があるから金子さんの笠原団長も年齢上げないと違和感が出るんだけど、違和感なく演じていらした金光さんもかなりの実力派です。BLEACHのベルチしか分からんくてごめんなさい。

若い分、父親の悪事が許せず対峙した時にその苦悩がよく見えたのが井上さんの明智小五郎、自分のせいで父親に犯罪を犯させてしまったことへの苦悩、そのせいで自分と母親が苦労したことへの憎しみそれが伝わってきました。大塚さんの明智は父親への怒りと捨てられた悲しみを流石の響くお声で圧倒していたと思います。(余談ですが、私がよく行く朗読劇ではなぜか悪魔とかなんか人間じゃない役でよく出てきます大塚さん。よく響くお声で笑い声をあげるとほんとに体が振動する感覚になります。)

一方、二十面相は年齢差も多少あるけど。頼りになるお兄ちゃんな山寺平吉、ちょっとお調子者の片鱗が見える山口平吉。お二人共に最初の麟太郎を助けるシーンは若く。青年になった麟太郎と接する時にはもっと大人に。変装中はその人に合わせて、変装を解いていくと段々と平吉の声に戻る。そのグラデーションのように変わっていく声は流石7色の声を持つ山寺宏一であり、追い詰められて煙幕はって逃げるところは日本一有名な怪盗役山口勝平各々の見せ場だったと思います。いやほんと、似合いすぎる。配役が天才

山寺さんの時は上から見てるので目線までは確認できませんでしたが、前方で見ていた友達と擦り合わせた結果、山寺平吉さんは対峙する凛太郎がいるであろう場所に向かって語りかけていた、私の見た山口平吉さんは麟太郎を演じている佐久間くんへ目線を向けながら語りかけていました。どちらがいいとかはないです。お二人の役の捉え方と表し方だと思うので。
私の席からは麟太郎とその向こうに勝平さんが見えたので、その優しい目線に泣きそうでした。

多分2人の違いって他にも沢山あって、私も全部を拾いきれているわけではないですし、全て私の主観です。どちらが正解でもなく、色んな明智と二十面相が存在したんだなと、思っていただけたら幸いです。

2公演の佐久間くんの違いとしては、1回目と2回目の間に8公演挟んでいて、単純に1週間でめちゃめちゃ上手くなったなと感じました。
東京時は走りがちだったテンポも一定のペースで落ち着いて、発音しづらそうだった文も目立たなくなっていました。だから大阪6公演目#めちゃめちゃ上手くいった にめちゃめちゃ納得してました。笑
梶くんも大塚さんも勝平さんもほんの数日前まで別の朗読劇に出ていらっしゃいました。(私は別キャストの日だったから御三方とは久しぶりでしたが)それだけアニメのアフレコと同時に朗読劇を演じてきている大ベテランに揉まれて、対峙して、色んなことを吸収した2週間だったのではないかなと思います。

現在日本には朗読劇をやってるチームがいくつもあり、各々有名な声優さん方が出演されています。その中でも野坂さんはミステリーを多く手がけていらっしゃいます。今回の怪盗二十面相以外にもホームズ、ルパンなど。だからきっと、もっといろんな解釈があると思うのです。そのままのストーリーを感じたあと、もしかしてあれって?と解釈を続けるの、オタクめっちゃ好きです。ね?そうだよね?

今回の朗読劇を見て、こんな世界があるなんて!と感じてくださった方も多いのではないでしょうか。なかなかテレビなどでは見る機会もないし、宣伝もされないので認知度がそこまで高くないジャンルかもしれません。勝平さんもカーテンコールでお話されていましたが、今回佐久間くんきっかけで朗読劇を知って、もっと見てみたいと思ってくれる人が少しでもいたらいいなと思います。私はただの声優オタクですが、日本の声優陣のハイレベルな朗読劇を堪能してもらえたら嬉しいな、と思います。今回佐久間くんがキャスティングされたのも野坂さんがやりたい!と思ってくださったことはもちろん、佐久間くんが出たらきっと普段は朗読劇とか行かないけど、行こうと思ってくれる人がたくさんいて、そこから朗読劇というものを知ってくれたらいいなという理由もあるのでは無いでしょうか。私の様なオタクはその後押しをするだけです。
 
今回の朗読劇を見て、佐久間くんは本当に舞台の上が良く似合うと思いました。ライブはもちろん、お芝居やダンスも魅せたいから演劇やミュージカルも良いと思いますが、このジャンルは彼の力量無くしては難しいレベルです。あの大御所たちをメロメロにするのは可愛いからじゃない、可愛いのは当然として、作品にどれだけ向き合って努力して、向上心をもって向き合えるかどうか。この人とならまたやってもいいな、と佐久間くんはきっと思ってもらえたと思うので、またこんな機会も巡ってくるんじゃないかなと思います。その時にはまた、(チケット取れたら←最重要)、彼の声を聞きに行きたいと思います。



おまけ。
最後のセリフを真正面から浴びて、その一言に乗せられた感情に感動してはらはらと泣いていたわけですが、スタンディングオベーションで泣きながら拍手していたオタクに「今日はメンバーの岩本照が見に来てくれています」と追加攻撃を食らわせる佐久間大介。
私は少し前にいたので人の隙間からお顔が見えました。ほんとに、2025年の運使い果たしたかも。



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