まかキキずんで『塩の街』やったら絶対ぴったりだったのでは?という話
有川ひろさんのデビュー作『塩の街』
元々有川さんの作品が大好きで、ワードセンスが甘くて最高なので宝塚との親和性もかなりいいのでは…!?思っていて。それで宙組で塩の街、万に一つやったりしないかなーと密かに思っていたのですが…真風さんが退団発表をされて叶わぬ夢となってしまったので…(もともと可能性は限りなくゼロに近かったのですが)本当に私のただの願望の話です。
塩の街、すっごくいい恋愛のお話なんです。あらすじの説明がうまくできなくて…コミカライズの時の文章が好きなので引っ張ってきます ↓
塩が街を埋め尽くす「塩害」の時代。
崩壊寸前の東京で暮らす真奈は、大きな荷物を背負った行き倒れの青年・遼一を拾う。
彼女の保護者的存在の男性・秋庭とともに遼一の目的地である海を目指すが…?
私が見たいと思っている配役は
秋庭さん・・・真風さん
入江さん・・・芹香さん
遼一・・・桜木さん です。
真奈はまどかちゃんでも潤花ちゃんでもそれぞれ違った真奈になるけどどっちも絶対いいだろうなと思うと決めきれなくて…
番手をそのまま配役に落とし込んだらそれぞれが一番ぴったりな役になるという奇跡の作品で、本当に三人それぞれ最高に合うと思っています。
まず真風さんの秋庭さん。秋庭さんは一言で言い表すと真奈いわく「いつも優しくするときに怒る人」で、大人だし多分誰よりもいろんなことを見ていて、ぶっきらぼうに見えて実はすごく真奈のことを大事に大事にしていて。口には絶対に出さないけど常にヒロインのことを守って気にかけて一緒に過ごしています。(図書館戦争の堂上教官をご存じでしたらキャラクターは割とそれに近い感じです)で、その優しくするときに怒るっていうのも真奈以外の人からすればなんでなのかわかるんですけど、あくまで真奈はそれに気づかない。あと単純に秋庭さんはやることがイケメン過ぎます。ネタバレになるのでここでは控えますが、後半はかなり罪な男です…。もう真風さんの包容力とヒロインへの大きくて深い愛がそのまんま秋庭さんにぴったりだと思うので…。
で、入江さんは!!私、芹香さんの演じられる「自分の能力の高さを誰よりも分かっていて、だから自分は何だってできると信じてるカリスマ」が大好きなんです。自分自身をすごく評価しているけどだからと言って自分に酔っているだけの小者には決して見えなくて、実際それに見合うだけの能力も持っている。それが人物としてすごく個性的で魅力的で。あれを魅力的なキャラクターに昇華させてしまうのは本当に芹香さんのパワーだなって思います。
今までのお役で似ているのは天河のラムセスとか、ルネサンスのロレンツォとか。自分を高く買っているからそのレベルについて来れる人に出会った時は心から嬉しそうにして「二人で世界を変えよう!」みたいに詰め寄るし、でもふいに本心とも思えるような弱さを見せることもあって。入江さんも通ずるものがあって、ちょっと危険な思想も信じて突き進んでしまうところがあるので周りから見ると脅威ではあるのですが、でも読んでいて彼という人物を嫌いにはなれなくて。理想主義者かと思えばそんな彼にも泣きどころがあって、それがすごく人間臭くて好きです。確か文庫本になるとき?に巻末に彼が主人公のスピンオフが足されたんですけど、そこに彼の人となりとか秋庭さんとの関係性が見えてすごく良いです。
そして遼一。これを桜木さんがやったら多分私は感情移入しすぎて号泣必須です…。遼一もまた罪な青年なんですよ…。
三日間ほぼ飲まず食わずで歩き疲れて死にかけてるところを真奈と出会って、そこから秋庭さんの元に連れ帰って、まぁ色々あるわけなんですが。遼一は出会った時から柔和な感じで笑顔の穏やかな青年なんですが、その奥に誰が言っても曲げなさそうな頑なな何かがあるんですよ…。目の前でニコニコ笑ってるのに、なぜか今にも消えてしまいそうな危うさもあって。このなぜか儚くて、どこか遠くに行ってしまいそうな遼一を桜木さんにやってほしくて、桜木さんの持ち前の爽やか王子の雰囲気と、表には出さない「何か」を的確に表現される演技が合わさったらぜっっっったいに最高だと思うんです。
あと、物語そのものとして、まず人が塩になってしまうという信じられないような設定なのですが、そのあたりをうまくデフォルメして表現することは宝塚は得意中の得意だと思ってます。しかもその塩の結晶は綺麗であればあるほど逆にその恐ろしさが際立つので、舞台装置としてもすごく映えるんじゃないかと。
とにかく、もし読んだことがある方がいればわかっていただけるのでは…?と思っているので、読んだことが無いという方も興味を持たれた方はぜひ一度『塩の街』を読まれてから宙組キャストで想像していただければ!
以上、本当に私のただの願望でした…。