負けないためにギャルになれ
駅で歩いている女性にぶつかりにくる男がいるという話を聞いたことがあるだろうか。
私も女であるがほぼ都市伝説だと思っていた。
二十数年生きてきたが出会ったことはなかったし、なんなら痴漢されたこともされている人を見たこともなかった。どちらかと言えば私が前を歩いている人の靴を踏むことは多かった。一応弁明しておこう。決してわざとではないのだ。
しかし先日、ぶつかり男は存在しているのではないかと思うようになる出来事があった。
それは先日の冬コミ(12月終わりのコミックマーケット)。私は友人と2人で初めて初めて遊びに行ってきた。
友人は私より小柄で体つきも細い。私も最近太ってきたが、そんなの関係なしに細いのだ。背丈は平均ちょっと下くらいで、男性ばかりの会場では少し存在感は薄かった。
私も別に大きいわけではない。背丈も平均的で体格も着痩せするタイプなので特に目立ったところはない。強いて言えば、メイクが濃いくらいだ。アイシャドウはバチバチに色を出したいので、それに合わせてアイラインやマスカラも濃くなっている。まあ、要するに目力が強いのだ。
そんな初心者2人で会場を回っていたわけだが、やたらと人にぶつかる。どちらかと言えばぶつかられるのだ。会場は人が密集していたため、十字のように行き先が違うならばある程度仕方ないと思う。しかし正面からぶつかりにくる人が多い。
状況にもよるが私は押されたらその人を押し返すように歩いた。正面から私の方へ真っ直ぐ歩いてくる人もいた。人混みの中を逆走してきている上に、私がいないようなそぶりで歩いてくるのだ。そういう人はしっかり目を見れば向こうが避けてくれた。別にそれだけで問題はなかった。
しかし友人は吹っ飛ばされていった。2、3時間で3回は吹っ飛んだ。そうじゃなくてもぶつかられる回数は多かった。会場に入って一時間ほどした時、彼女は突然「次来る時はギャルの服着てくる」と言い出した。なんで?と聞くと「舐められてるからぶつかられる」そうだ。ちょっと面白い。
確かに女性客は少なく、いてもコスプレをしている人が多い。私服の我々は弱そうに見えるのかもしれない。でもギャルになる発想はなかった。一応言っておくと、我々はギャルっぽい服は基本着ない。どちらかと言えばオフィスかジュアルの方が普段着ている服に近い。
「最近通販でギャルの服買ったんだよね」と彼女は続けた。もう買ってあったのか。なぜ、、
しかしまあ、考えてみれば私がぶつかられた回数と友人がぶつかられた回数が結構違う。別にいちいち数えていたわけではないがそれでもわかるのだ。友人の方が多い。ヤツらは多分、人を選んでいる。
私がぶつかられる時はほとんど後ろからだった。前から来たのは初めてぶつかられた時の一回だけだ。それ以降は前を見て歩くようにしたため、正面からぶつかることはなかった。でも友人は正面からぶつかられて後ろに吹っ飛ぶのだ。これは明らかに何かある。
私の考えは弱そうな人に向かってぶつかりに行っているのではないかということだ。その発想でいけばギャルになろうとする気持ちもわかる。見た目が強ければぶつかられないならば武装するしかないのだ。
友人は発言がぶっ飛んでることも多いが基本的にはおとなしい。今まで何度かそういうことがあったのだろう。定期的にギャルになりたがるのだ。あと急に筋トレを始めたりする。友人は何があっても怖がったり、精神的に追い込まれたりするタイプでない。だから私は毎回面白がって聞いているが、人によってはしんどいだろう。
今後そんな人に会ったらこう言いたい、
「ギャルになりなさい」と。
ヤツらは清楚系の弱そうな子にしか強く出れないのだから見た目だけでも強くなればいいのだ。根本的な解決にはならないが、精神的に楽になれるならばやった方がいい。
最後になぜこの話をしているのか聞いてほしい。決してぶつかり男のような人に負けてしまう女子に向けての注意喚起でない。ぶつかってくるヤツが臭くて腹が立ったからだ。
普段人と会ってたらそんな匂いにならないだろうと思うほど匂いがキツイのだ。ぜっったい人付き合い出来ないからこういうところで強がっているんだろう!?外で遊ぶなら風呂入ってから来い! 以上
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