偽服従非暴力革命 企画書
●キャッチコピー
武力ではなく非暴力による革命
●あらすじ
現代某国
富裕層は贅を極めマスコミも政府も腐敗しきっていた
低賃金で働く家畜同然の国民はそれに気付こうともしない
そこへ突然起きた隣国からの軍事侵略
正義解放軍を名乗り
最新兵器であっという間に制圧されてしまった
最初こそ民衆は「正義解放軍」を支持していたが
次第に移行していく独裁政権に辟易して行く
1年後、独裁政権を打倒するべく
美貌の女子大生リーダーを中心としたレジスタンス隊が
色仕掛けと酒で見回り隊から軍服と銃を奪い
戦車まで奪って国会を一度は奪取するが
返り討ちに合い全員が公開処刑される
そのTV中継を観ていた青年達は後に
「非暴力革命」の書籍を地下図書館で手に入れ
武器に頼らない静かな抵抗で革命をやり遂げる
●1話
私達は どうしてこんな世界に住んでいるのか ・・
現代某国
一見すると裕福なこの国も実は貧富の差が在り
多くの人々は低賃金労働と高い税金に長年苦労していた
中所得層以下の子供達は食べるモノにも困窮していたり
親からの虐待を受けていたりする一方で
富裕層の家庭ではペット達に高級な部屋や食事が与えられている
有名人やSNS長者や、企業などの成功者達は
我が世の春と、その成功を独占し寄付等をする事も無く
貧しき人々を見て見ぬふりをしていた
社会ではイジメが蔓延し弱き者が更に弱い者を叩き
若者の間では富裕層からの詐欺や強盗が増えて殺人まで起きていた
民間のマスコミや企業間でも
セレブ同士の癒着で健全な競争はされていなかった
政治は不誠実と腐敗で議会は居眠りばかり
形だけの選挙は意味を成さず賄賂が横行
まともな政治活動をしている議員は無く
しているのは選挙の後援会周りのゴルフや接待ばかり
税金を使って視察とは名ばかりの観光旅行
集めた税金は無駄使いばかりで国の借金を増やしては
支出も議員報酬も削減する事無く増税ばかり繰り返し
毎晩政治資金パーティーに浮かれていた
そんなある日、白昼堂々唐突に隣国からの軍事侵略が起きる
主要な軍事施設がミサイル先制攻撃を受けて早々に崩壊
国会会期中を狙ったドローンの毒ガス攻撃で
政府与野党議員は、ほぼ全員即死した
空海陸路からの侵入も簡単に許した
長年の平和主義の元で時代遅れの武器しか持た無い国軍は
僅かな抵抗を試みたが最新兵器で次々と突破され
たった一日で完全占領されてしまった
「正義解放軍」を名乗る占領軍は
圧政から民衆を解放すると謳ってマスコミを使い自らを宣伝し続けた
テレビ局を始め各メディアは「正義解放軍」の原稿をそのまま垂れ流した
「正義解放軍」は新たな法律を次々と立法可決し
先ず腐敗しきった生き残りの政治家を逮捕拷問した
次に富裕層をリストアップし税金逃れや社会弱者への寄付額の無い
芸能やスポーツ等の有名人を次々逮捕しTVで公開謝罪させた
企業の税金逃れを公表し1兆円規模の追徴課税を命じた
子供達の間では「正義解放軍」を真似る遊びが流行ったり
今まで威張っていた富裕層の子供が逆にイジメられる様になったりしていた
「正義解放軍」は国会図書館を始めとした図書を全て燃やし
国会美術館、博物館、宗教施設を破壊し始める
この国の民族や文化は間違っているとして民族浄化を始めたのだ
宗教も自分達の宗教を布教し国民に改宗を強要した
2話以降
現在の国民が着る物、食べる物、観る物、聴く物
全てが外国被れし汚染されているとして規制の対象になり
「正義解放軍」が許可したモノ以外は違法になった
反抗する者は処刑された
国民の中には「正義解放軍」の賛同派と反対派に別れた
「正義解放軍」は国民に「平等」「公平」「忠誠」を誓わせ
「報告」と言う名の「密告」を推奨する
国民は互いに監視し合う様になる
1年後・・・
国内はすっかり色を失なっていた
「正義解放軍」に憧れる中学生の少年の家では
母親が「正義解放軍」の陰口を言っていた
それを目の当たりにした少年は「正義解放軍」にソレを報告
母親は即時連行され見せしめにその場で公開処刑される
少年は「正義解放軍」から褒め讃えられ名誉勲章をもらうが
興奮が落ち着いて来ると取り返しの付かない後悔をする様になった
そんな誰もが「正義解放軍」を恐れている中
若者達の中で動きが起きる
レジスタンスグループが出来はじめていたのだ
全国模試1位でIQ180 空手の学生チャンピオンでもあり文武両道な
女子大生のシーナをリーダーにした学生グループが政権打倒を画策する
シーナは聡明で誰にでも優しく美貌の持ち主でカリスマ性もあった
ナウシカ隊とジャンヌ隊と名乗ったグループは行動を起こす
街を巡回監視している軍の見回り隊を観察し始める
見回り隊のルートや行動パターン、メンバーと性格を調べ上げる
見回り隊は武装してジープに乗り、街を巡回している
横柄で横暴な分、怯える民衆を見くびっていた
そこにスキがあると見たレジスタンス隊は
知り合いの飲み屋を借りて準備をする
軍政権指定の服装をわざと乱して店の前に立ち
見回り隊に言いがかりを付けられる様にして上手く店内に誘い込み
色仕掛けで油断させて酒を飲ませて酔わせおだてて軍服を脱がせ
4杯目の酒に睡眠薬を混ぜて全員を眠らせた隙に縛り上げ
計画通り軍服と銃を手に入れた両隊はジープに乗りこみ
国会近くの軍の施設へ向かう
途中、他の見回り隊とすれ違うが 敬礼をして上手くやり過ごす
観察して行動パターンを把握していたのが功を奏した
いくつかの関門をやり過ごし何とか軍事施設に辿り着き
戦車を2台盗む事に成功する
他の戦車や施設の出入り口には仕掛けを施して
追って来れなくした
ナウシカ隊は国会に突っ込み激闘の末に占領に成功
正義解放軍の幹部達を制圧した
ジャンヌ隊はTV局をジャックした
その様子は全国に放送され国民は歓喜した!
レジスタンス隊は英雄になり
シーナは一躍時の人になった
しかし、そう思ったのは僅か1日だった
正義解放軍大将の皇(すめらぎ)が指揮する特殊部隊に
逆襲され制圧され返してしまう
プロ中のプロには即席部隊では歯が立たなかったのだ
ジャンヌ隊の男性リーダーはその場で射殺
あっけなく殺された
ナウシカ隊とジャンヌ隊は連行され
国家反逆罪で男達は拷問を受け
女達はその目の前で全員強姦された
特にリーダーのシーナはその美貌から皇が直々に手を下した
鎖に繋がれ、服を切り裂かれ、髪の毛を掴まれながら強姦され続けた
何度も何度も何日も強姦され
数日後には下っ端の隊員達にも輪姦され
ナウシカ隊ジャンヌ隊の拷問された男性隊員達も
脅され命令されながらシーナを犯した
その様子は全国中継された
シーナは強姦された後、裸のまま丸坊主にされ、野ざらしにされ雨に打たれ
放置された1週間後に公開処刑された
皇の高笑いがTV中継で全国に放送された
その放送を目の当たりのした国民達は恐怖し絶望し
正義解放軍に平伏した
そんな中でも怒りに震えて国の未来を憂う者達がいた
社会人や大学生の青年達だった
ある日の彼等は地下街にある店の年老いたマスターに先導されて
店の奥の用具置き場の中にある秘密階段を降りて行った
そこには焼却処分から守られ隠された書籍達があり
マンガや雑誌が数多く本棚に並んでいたが
一番奥の本棚には更に仕掛けがあって
その仕掛けの中には世界中の政治や思想や宗教の本が並んでいた
その中の一冊「偽服従非暴力革命」の本をマスターが若者達に渡す
そこには武器を持たず反抗せずに政権を転覆させた実例が記してあった
東ヨーロッパやアラブ諸国の史実だった
1.
反抗では無く無気力や無抵抗で逮捕の口実を与えない事
工場労働者達は半服従で仕事はするが
わざとミスをしたり効率を下げて生産性を落とす事 それを多くがやる事
収入を減らし納税支払い額を低くして政権の収入を下げる事
仮病を使い仕事をサボる。休む。
政権に都合の良い、耳障りの良い表面的な建前ばかりを言って
独裁政権に危機を悟らせ無い事
農業漁業は集荷分をウソの申告をする事
2.
国民全体でストライキをする事
デモをする時は大人数で各地で一斉に行い
逮捕されたら抵抗せず直ぐに収監されて収容所や刑務所を溢れさせ
機能をマヒさせるのが目的
その間は働かなくて済む
働かなければ納税しなくて済む
3.
誰も家から出て来なくなり街から人々が消える
戦略的閉じこもりで街を機能不全にさせる
店はシャッターが閉まったまま車も電車も止まっている
物を買わないので宣伝しても物が売れない
スポンサーが費用を出せ無くなるのでTVもラジオもストップさせられる
月末前には全員が銀行残高を引き出して
ローンや家賃等の引き落としが出来ない様にする
企業は収入源を無くすので法人納税が出来ない
4.
そうして政府を弱体化させてから
全員で家の外にただ立ち尽くす事
何も意思表示せずただ立っている事
立っているだけでは取り締まれない
民衆は隣同士で手を繋ぎ人間の鎖を作った
その長さは県を横断する程だった
兵隊達が何かをして来ても絶対に暴力で応戦しない事
兵隊達には心で説得する事
貴方の親や家族、恋人や妻や子供の生きる社会が本当に独裁政権の言いなりで良いのかを眼を見て語りかけ兵隊1人1人の心に直接訴える事
兵隊達は民衆に暴力を振るうのを止めた
だれも上官の命令には従わなくなった
兵隊を操縦出来なくなり
国民は働かないので税収が上がらず
半年ほどして独裁政権は無意味化し崩壊した
民衆は遂に偽服従の非暴力革命で独裁政権を倒したのだった
そして民衆のリーダーは臨時政権を建てて素早い行動に出る
政治空白は命取りだからだ
独裁政権に加担して来た政治関係者や軍や警察やメディアの幹部達を
カメラの前に引きずり出した
処刑や逮捕をしない事を条件に全国放送で国民に謝罪と忠誠を誓わせ
引き続き業務に従事する事をさせた
国の機能不全を防ぐ為だった
そして国は徐々に色を取り戻す
政治の腐敗を防ぐ為に
政治家は試験制度を取り入れて資格免許制度にした
大臣や総理大臣も資格試験制にして適材適所にした
DX化を進め省人化し金のかかる選挙や政治の無駄を無くした
政治家の動向はネット公開され不作為や不誠実、癒着、賄賂を無くした
税金の使途は監視委員会を立ち上げ無駄遣いを無くした
企業や有名人達も寄付額は公表される事で成功を独り占めする事はなくなった
外交政策が細やかに取られ他国への技術援助を大増し
自国への味方を増やした
軍事力は極力省人化無人化自動化遠隔操作化が進められた
準徴兵制が施行されたが それは万一の有事の際にだけ国民は協力する事
子育てが終わった上の世代から順番に協力を仰ぐ事
若者や子育て家庭の徴兵は憲法で禁止された
終わり