【手の外科専属の作業療法士が考える】母指入門編(関節・筋・支配神経)
導入
手指のリハビリテーションを施行する中で母指の機能は切っても切れないはずです。今回、手の外科専属の作業療法士である私が母指の入門編としてこれだけは押さえておきたい事を伝えていきたいと思います。
この記事を読むことで、母指の関節名称・筋肉の種類・支配神経が明確に分かるようになります。最後まで読んで頂くことで明日のリハビリに使えるはずです。
最後までお楽しみください。
母指 呼び方
まず、母指と書いてありますがなんと呼ぶんでしょうか。
ははゆび
ぼゆび
ぼし
どの呼び方が正しいのでしょうか?分かりますか?
そう、正解は「ぼし」ですね。
英語では、Thumbと記載します。読み方は「サム」です。
母指 関節名称
母指の運動に関与する関節は概ね3つあります。1つずつ名称を確認しましょう。
IP jt:指節間関節/しせつかんかんせつ/Interphalangeal joint
MP jt:中手指節関節/ちゅうしゅしせつかんせつ/Metacarpophalangeal joint
CM jt:手根中手関節/しゅこんちゅうしゅかんせつ/Carpometacarpa joint
示指から小指では、DIP・PIP・MP・CM関節が存在していると思います。しかし、母指には、PIP関節が不足しているためDIP・PIP関節を総称してIP関節と呼んでいます。DIP関節のDとは、Distalの意味で遠位と言う意味を示します。PIP関節のPとは、Proximalの意味で近位と言う意味を示します。そうなんです、母指には指節間関節が1つしかないことでIP関節という名称になっています。
母指 筋
母指に付着している筋は何種類あるのでしょうか?
手関節内・手関節外かも記載しておきます。
「【直ぐに実践できる】母指球筋・小指球筋の覚え方」で母指球筋については記載していますのでそちらもご確認ください。
合計 8種類でしたね。
これで、母指の運動に関与する筋の種類は確認できたと思います。
表の略語が分からない場合は、「セラピスト必見 筋略語」を確認してください。
では、それぞれの関節に付着している筋はどの筋に当たるのかも確認していきましょう。
全て覚えていますか?
では、それぞれの筋は何神経に支配されているのでしょうか?
全ての筋の支配神経がどの神経に当たるか分かるでしょうか。考えてみてください。
どうでしたか?全て当たっていたでしょうか?
ピンチ形態によっても異なる筋を使用します。「手指ピンチの効果的な考え方」にて記載していますのでそちらもご確認ください。
参考文献
1)林 典雄.改訂版第2版 運動療法のための 機能解剖学的触診技術 上肢.株式会社メジカルビュー社
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