2024年ベストアルバム/EP
【年間ベストアルバム2024】
2024年のリリースで印象に残った作品50枚選びました。アルバム25枚、EP25枚とボリュームが多いですが2024年記録をするのにはこれくらいが丁度良かったです。1番下にSpotifyのプレイリスト置いてます。
50.青春群像録『命乞う』
高校生バンドとして2023年様々な大会に参加してきたバンドが2024年に3曲入りの作品をリリースした。複雑なギターリフや女性ボーカルの伸びのあるサビ。ライブハウスの凄い人たちとしても、アニソン枠としても、フェスで見る凄い人たちとしても成立しそうな雰囲気。
来年のライブ予定もあるみたいなのでこれからも楽しみ。Blume popoやひとひらなどこの系統と先輩バンドと共に自由に進化していってほしい。
49.Ber『Room For You』
ミネソタ出身のSSW。Chelsea Cutler、
Soccer Mommy、Sasha Alex Sloanなどのインディーポップシンガーが立て続けにアルバムをリリースした2024年。非日本語圏のSSWの曲を聴くとき、自分は歌詞を読み込むというよりかは楽器含めた空気感や声の響き方を楽しむことを大切にしている。その点でミネソタの冬の冷たさや録音物としての特別感を感じたこのEPが印象に残った。
48.Phoebe Rings『Phoebe Rings』
ジャズスクールで出会い、オークランドで結成されたバンドPhoebe Rings。ジブリやゲーム音楽から影響を受けたドリーム・ポップ、ボサノヴァの美しい旋律。このバンドの1番の良さは韓国バラードの影響をジャズバンドとして活かしている部分。韓国出身のボーカルが歌いこなす器用さが好き。
ライブが良すぎる…
47.はにかんで春『LIVE AT 御茶ノ水KAKADO』
赤田あつきと言えば曽我部恵一に曲を送り続け、認められてレーベルに入った最近ぽくないガッツのある人。そのガッツさが曲にも出てる。テンポがゆっくりでも曲調が静かだとしても命を削って歌う迫力熱い。
70年代邦楽のような渋さと2000年代の地下インディーロックのような儚さ。このバンドを必要としてる人きっとたくさんいる。
46.Ghost Bookstore『Ghost Bookstore』
韓国の文化としてバンド音楽が認められ始めた。近年のSilica Gelの活躍もそうだし、韓国のチャートにK-POP、バラードだけではなくバンド音楽も乗る流れができつつある。そんな時代にGhost Bookstoreというバンドがでてきた。2024年結成と若いバンドではあるが、バンド音楽としてのリフの自由さ、コード進行の自由さ全てが新しい。マスロック×韓国語が新鮮など韓国語とこのテンポ感の曲マッチするのかと驚くポイントが多い。
4曲目の「Spring Song」出始めのMONO NO AWAREを感じてものすごく好きです。
45.ブランデー戦記『悪夢のような1週間』
2年前のYouTubeにアップされたMusicaのMVが有名になり、そこから凄い勢いで各地のフェス常連のバンドになった。正直、この作品に出会うまではインフルエンサー経由のチヤホヤされているバンドかと勘違いしてスルーしてたけどこの作品に圧倒された。90年代のリズム、太いロック、流行りでない超かっこいいコード進行で脳をかき乱される。
ファンション性や中身のある懐かしさなど今のアイコンとして選ばれる理由しかない。海外でも人気でそうね。
adidasのクラシックなCMコラボめっちゃ映えとる
44.Crystal Tea『High School Musical』
平成の時代にタイムスリップしたかのような真っ直ぐな平成J-POP。日本にいながらこの感性を保つのは難しい気がするから国外でこのアルバムが生まれたことに納得できる。
韓国リスナーからは韓国の10年代ポップスを感じるとの声があるようでもっともっと音楽知りたいなと思った。
43.魅力女。『火星に着いたらその時は』
クリープハイプ、indigo la endに影響を受けてきた世代。尾崎世界観と川谷絵音に影響を受けてるバンドはいくらでもいるがどれもが印象に残りにくいが、このバンドは違った。男性ハイトーンボーカルにバチクソ上手い楽器隊。歌詞が直接な書き方してる訳ではないけどなんだか生々しく印象強く伝わってくる。
indigo la endが「冬夜のマジック」でスピッツを出し、魅力女。は「flow seanson」で相対性理論を出した。時代のアップデート。
〇〇ぽいから少し抜けた今作。もう一段階抜けた先で爆発的ヒット作り出しそう。主な活動拠点は長崎なので全国色々まわるくらい人気になってほしい。目の前でドラムの演奏見たい。
42.Betty『Knack』
静かな曲調に重なる彼女の大人な低めの声。曲の進行だけをとっても白い。次のシーンに移った!がらっと変わった!とワクワクしながら楽しめた。
自分が音楽をジャンク的に拾う人間だったらここまで楽しめなかったのかな、などと思ったりする。
Clairoの出現以降、ベッドルームポップシンガーが大量に現れたが、繊細な音作りができるできないかは結構大きい差。Make Timeおすすめです。
41.Julie Kuhl『Clouds of Grief』
フランス生まれ、ドイツ育ちの19歳SSWジュリー・クール。顔を青色に塗ったアバタージャケの1stアルバムも聴いていたがそこまでハマっている訳ではなかった。前作は音数が少ない所にフォーク的な乗せ方が目立っていたが、今作はベッドルームポップ的なノリ方やR&B、ダンス度合いが増した歌い方が増えていた。音的にもジャズ方向にもアンビエント方向にも合いそうだなと感じさせる素晴らしい作品。
透き通る声と歌の幅広さもぐんぐん成長している。今後大注目アーティスト。
40.Conton Candy『melt pop』
女性ボーカルとポップスの相性とはをテーマに聴いてきた今年の結論「相性良い」。うっすい振り返りになってしまったけどこの作品を聴いて自分の中での正解になった。まとめる力あるし、コード進行が声のトーンと特徴に1番ハマるものを選んでいる。
ファジーネーブルでのヒットを経てMステや様々なTVに出演した彼女らの経験は1枚のアルバムとしてJ-POP史の一つになった。
下半期のフェスでライブを観て音源を超えるパワーと惹きつける魅力を体験。若いバンドながら馬力が違うなと感じた。
39.After Thoughts『Vignette』
韓国のバンドシーンにやっとポップロック・シンセポップを中心にした集団が現れた。これまでのリリースも聴いてきたけどちょっと地味だった。それと比べて今作は振り切れてるしロックの方向性も良い。本人たちもきっと手応え感じているはず。
The Japanese House、The 1975ファンは必聴です。
38.Junior Varsity『My Star』
世間ではロゼの中毒性のあるAPT.が流行り、元ネタのMickeyを聴く機会が増えた。そんな今だからこそJunior Varsityを聴いてほしい。
インディーロックとオルタナティブポップの新しい風が吹いている。2000代初期に一瞬戻りながらも2024年の音として未来を感じさせるポップソングで楽しませてくれる。
37.Ashmute『The World You Like』
韓国でしか生まれない音、韓国語と音の親和性を体験できる作品。一曲目の曲展開、サビへの持っていき方素晴らしい。
36.Krooked Kings『Shiver』
ユタ州のインディーポップバンド。歌詞は女々しい度レベル150くらいあるけどそれがまた味になる。一時期このバンドのライブ映像をYouTubeで漁るように聴いていた。ドラムとボーカルの相性良い。
深夜ドライブで流してたら最高なんだろうな。2025年はやろ。
35.Puggs『パグスの遭遇体験』
活動拠点、大阪・京都。関ジャニの楽曲再生したかな?と最初思った。アイドルバンド的な緩さのあるロック、だけど曲の作り込み方がガチなので作業を止めて聴いていた。古きポップス、ガレージロック、ロカビリーの上手い使い分け凄い。
電影まじで聴いてほしい。24年のベスト級。
34.モリシタヒビキ『どうにも透けない』
ピアノアルバムにここまでハマるのは久しぶりだった。彼女はピアニストとして活動しながらロックバンドでもキーボーディストとして活動している。シリアスアニメと相性良さそうなキリキリしたような緊張感。ロックバンドで培った激しさとピアニスト人生で得てきた緩急のある表現がばっちり組み合わさった作品。
菅野よう子作品にある神秘さを内包した迫力と同じものを感じた。
33.Babe City『I Love You Forever』
24年のM-1は新しいを追求した漫才が続く中でバッテリィズの王道をしながら個性を輝かせる漫才が跳ねた。
Babe Cityも王道のインディーロックをする中でボーカルが1番輝くジャンルでずっとやっている。キャリアを通してぶれてない所がこのバンドの魅力。アンビエント的曲があってもカントリー的曲があっても芯にあるインディーロックの枠からははみ出さない。次の作品へ向けた堅い1stアルバムとしてめちゃくちゃ良いものを生み出した。
32.Chorokbada『from our chorokbada』
2023年に現れ、2024年に解散。もともと短い期間のつもりでバンドを組んだかは分からないが、このEPにはとてつもないドリポ・シューゲイズのエネルギーが注ぎ込まれている。韓国のドリーム・ポップはこれだという正解。
31.The Last Dinner Party『Prelude to Ecstasy』
2024年大躍進した5人組のロックバンド。音楽ファンの誰もがこのバンド来ると確信した1stシングルの次の年、デビューアルバムをリリース。壮大な1曲目のイントロから音楽的挑戦と王者の貫禄で満ち溢れている。グラムロックを女性5人で組んでこの時代で爆発させる輝かしい姿はフジロックの配信という短い時間でも自分の心に突き刺さった。
あまりにも完成されているから誰かが音楽業界に変化を加える目的で作られたプロジェクトではないか、と一瞬思ったがそんなんどうでもいい。かっこいいからそれでいい。
ツアーを体力的問題で中止したりとぶっ飛びすぎた1年間だった。来年はペースを落ち着かせながら楽しく活動してほしい。
30.Tapir!『The Pilgrim, Their God and the King of My Decrepit Mountain』
ロンドンで結成されたインディーフォークバンド。2023年にリリースしたEP、Act1とAct2にAct3を加えたアルバム構成となっている。赤いバクの被り物をしている集団だか決してコメディバンドではなく、フォークの歴史を大事にする音であったり、フォークトロニカでガツンと来るインパクトなどを加えるなど音楽シーンの中でひっそりとフォークの歴史を更新する1枚となっている。
BC, NRのライブサポートを務めたりとサウス・ロンドンのバンドとして規模を大きくしている。
このアルバム、Tapir!の歴史ついては↓の記事が分かりやすい。
29.ミレー『ブルー、燃えて』
東京のインディーロックの良さを詰め込んだ3曲のEP。10代の彼女らは東京という孤独を感じやすい世界で東京インディーロックを表現の場として選んだ。20数年生きてきた自分より自分の人生に向き合っているし、闘いながらできる限りの言葉で自己表現する姿かっこいいなとおじいみたいな見方をしてしまった。
24年12月ミレーは無期限の活動休止に入った。バンドの解散が重なった年で1番ショックだった。リーガルリリーみたいに東京インディーを背負うバンドになると思ってた。10代のメンバーでのバンドだったからそれぞれ色んな場所で活躍をしてほしい。
28.Geordie Greep『The New Sound』
Black midi解散。からのジョーディー・グリープソロデビュー。目まぐるしく変化する2024年だった。ジャズや南米音楽を栄養に新時代のロックをかき鳴らすデビューアルバム。新時代を拓くのは常識を破壊するコード進行。やばす。
タワレコ行ったらジョーディー・グリープが広島クラブクアトロに来る!とポップが出ていた。買う予定なかったが何も悩まずポストカード付きのCDを買った。
27.WOLVEs GROOVY『WOLVEs3』
アヤコノ・ ましのみによるポップバンド。
理由:パッション
コンセプト:グルーヴ
この作品、このバンドを好きなのは中毒性があるグルーヴ感とメロディ。他に言うことはない。
26.Andr『Hidden Card 藏招』
台湾の2000年生まれのインディーポップアーティストAndr。デビューアルバムが知るきっかけだった。この作品はその前に出されたEP。これまで作った楽曲が5曲入っている。Andrを一言で言ってしまえば天才。インディー・ポップを中心とした音作りの中にラップやロックの疾走感を加えたりなど器用なこともできる。インディーポップの素晴らしい作品が台湾で近年たくさん出てくる中で一曲一曲の完成度の高さが目立つアーティストだった。
アルバムが少し惜しいと思ってしまったのはまとまりや繋がりが薄いこと。だからこそEPで一曲一曲に向き合った時に音のこだわりだとかアーティストのポテンシャルがが強く印象に残った。
次作は曲数多くなくていいからアルバムとして繋がりがあってヒップホップ要素が増えた作品を期待してる。
アルバムで1番好きなのは毛線球少女です。
25.LUCY ROSE『This Ain't The Way You Go Out』
上半期1番聴いた大人アルバム。 10年以上ミュージシャンとして作品をリリースし続けているベテラン。この作品を聴くまでふわっとしか知らなかったけど若手ミュージシャンには絶対出せないだろうと思う力を感じた。電気を消してこの作品に包まれたくなる。
この作品をリリースした時期、Lucy Roseのお腹の中には赤ちゃんがいた。そのパワーも乗っかって凄まじい作品になったんだろう。
24.ddbb『dark』
韓国インディーズの隠し球ddbb。韓国ロックのかっこよさむき出し。初期Billie Eilishを彷彿とさせるダークポップや韓国語のかわいさが活きたポップ。作品としてのテーマが良かった。
今作には入らなかったが3rdシングルでこれだ!というパワーロック。
このあとのリリースでフォークを挟みそっち方向に行ってまうのか〜と思っていたら今作のオープニングrabbit dashでそれそれ!そのポップさ!となった。
これからもこのバンドに揺さぶられるんだろうな。
23.Nikoん『public melodies』
このアルバムを聴くためにサイトから申し込んでWAV音源データをもらい、自分で決めた額を振り込んだ。音楽を聴くためにこんなに段階を踏んだことはなかったがそれだけ価値のある音源だった。
男性ボーカルに女性コーラスが乗るロック。このタイプの構成の音楽聴いたことなかったから自分には衝撃が強すぎた。これは思春期の男子が押し入れに閉じこもって聴いて楽器を始めてしまうやつだ。
ジャケにある通りアルバムにはCwondo(No Buses)が参加しており最近のNo Busesの尖りの方向性も感じる。とにかくかっこいい音楽として聴いてほしい。CD通販もあるのでぜひ。
音楽のメインの利用はサブスクなので、今一度ジャンク化してないかと自分に問いかける。
22.Chloe Slater『You Can't Put A Price On Fun』
この新人アーティストを無視するわけにはいかない。イギリスグラストンベリーの新人枠で大きな印象を残し注目されたマンチェスターの20歳。ポストパンクに乗せられた政治色強めな歌詞。軽い気持ちで聴くと強めのパンチを喰らうアーティスト。
Wolf Alice、Paramore、Fontaines D.C.を聴くようで、その影響を存分に発揮した新曲も最高だった。
これからどんな流れでビッグになっていくんだろう。
21.the neverminds『Nevermind, The Winter.』
岩井俊二映画「ラブレター」に影響を受けた作品。邦シューゲイザーからの影響もあり、日本の音楽好きにとっては好きになる理由が多い。
邦シューゲイザーの独特な空気感、キラキラ感の再現をしながら海外シューゲイザーの力強い粗さなんかも取り入れている。
全部心の隙間にすっと入ってくる曲だから感情が不安定になってしまう。
20.Brandon Nembhard 『IF NOT NOW, WHEN?』
普段ヒップホップを聴かない人間が無茶苦茶ハマったラッパー。ジャマイカ育ちロンドンで活動。ブランドンの曲に惹かれたのはラップのトラックの良さ。サンプリング元があればサンプリング元をきちんと載せる誠実さ。ラッパーの普通かもしれないが色んなことがプラスに映った。演技の才能があってファッションセンスも良い。魅力しかない人。
19.恐龍的皮『I Dig You』
今の台湾ミュージックアツい。気づくきっかけを与えてくれたのが恐竜の被り物を被った男女のインディーポップデュオ。ポップソングとして一曲一曲のサビが持つパワーが凄い。穏やかな海辺の風景が浮かぶかと思えば目の前に2匹の恐竜が出てきて急に踊りだす。そんな緩急を持った作品。
DAZED100Asiaに我是機車少女と共に選出。
18.Paira『EP01』
ブラジルのデュオによるデビューEP。ドラムンベースの曲調とエモオルタナロックが同時に暴れ出し、男女ミックスの歌声は焦燥感に駆られる寂しげな歌声として伝わる。
ナンバーガールに影響を受けたらしく、多くの日本人リスナーが聴いていた記憶がある。
個人的にはサカナクション聴いた時と似た心がぐっとなる感情になった。
17.Emei『RABBITHOLE』
カルフォルニアのオルタナ・ポップシンガー。激しいK-POP的なブレイクダウン。頭がぐるぐる回る刺激のあるポップ。幼少からミュージカルやディズニーが好きだったらしく曲もその世界観。
もちろんRABBITHOLEは不思議の国のアリスから。MVにもたくさんオマージュシーンが出てくる。
16.Sailor Honeymoon『Sailor Honeymoon』
BiKN shibuyaで来日。行きたかったよ〜。
パンクバンドSailor HoneymoonがリリースしたデビューEP。8曲入りは果たしてEPなのか。
あんまりまっすぐパンク聴かないんだけど全部大好きだな。
最初のシングルリリース前はインスタにBikini Kill、Janis Joplin、Patty Smythなどの女性ロックシンガーの写真をアップ。このプロジェクトはロックシーンにおける女性の地位のさらなる確立。意思を感じる。
1stシングルまでMeaningful Stoneがメンバーだった。バンド組み立ての時期は彼女のロックも両方の音楽に影響を与えていたのではないでしょうか。
この曲メロディ良すぎる。
15.cephalo『Fluorite code』
今年の東京インディーのサビの強さではkurayamisakaとcephaloが2強だと思ってる。
あまりにも曲が良いためバンドとして凄い!の見方ではなく歌モノとして凄い!になるくらい夢中。
cephaloは2024年にEPでデビュー。これが凄すぎる。東京シューゲイザー・ドリームポップの歴史でもこんなにキャッチーに曲を作り上げるバンドこれまでいた?という衝撃。
圧倒的な個性を持ってデビューしたバンドが年末リリースしたアルバムは夢の詰まった作品でした。
ラインのミュージックルート225にしてます。
14.Clairo『Charm』
これだけ個性が独立して圧倒的メロディーの良さを持った曲を作れるアーティスト珍しいんじゃない?
23年の最後の日にmaybe next yearと投稿が有り、そのワクワクのままリリースされたグラミー賞ノミネート作品。幸せと希望に満ちた静かなR&Bはただ単にキャッチーなメロディを作ろう、ではなく大人なムードに仕上げられている。歴史の中に刻まれたこれまでの曲を掘り起こし、現代ミュージックを前に進める力に変えた流行り物とかではない永久に残り続ける作品だった。
Jonah Yanoとのコラボ作品も良かったです。
13.Minsu『Me, Stranger』
Minsuの恋愛経験をポップに日記みたいに綴られる歌詞。人の恋愛話を聞くことが苦ではない自分の性格とメロディーの良さがこの作品にハマらせてくれた。49.で非日本語圏のシンガーの曲は歌詞より響き方を楽しむことを優先と言っていたがこのアルバムはちまちま翻訳してでも歌詞を読み込むべき。
韓国のインディーシンガーのトップは個人的にYoon Ji Youngだと思っている。曲の温度感や脱力感は2人とも似ていると思っているが、Minsuはバラード少なめの歌い方と"かわいい"がぼやけないようにロックのかっこよさを完全に排除している。
1曲目の
When I was young like eleven〜
で一気に引き込まれる。
かわいいものに対してかわいいと思う感性があって良かった。Minsuはこの作品に限らずそのことを考えさせてくれる。
12.Blurred City Lights『天使のいない街で』
このバンドを知ったきっかけはボーカル神谷さんのXアカウントから。聴いてきた音楽が同じすぎて出先で声出して笑ってしまった覚えがある。
自分の中でずっと大切にしているアルバムとしてAimerの「After Dark」がある。作品の影響の土台にはこの作品があると思った。共通するのは
・愛を伝える相手がいなくなった
・孤独を抱えた自分
「天使のいない街で」を「after dark」の別ストーリーとして勝手に解釈して聴いてます。
シューゲイザーのジャンルとの相性が良すぎて彗星に関してはよだれが出るくらい最高。光れ光れ走り出せの転調で昇天。
Aimer、羊文学、mol-74、クレナズム、きのこ帝国の曲を一度でも好きと思ったことある人は聴いてください。ぐっと来る共感部分あるはずです。
11.Royel Otis『PRATTS & PAIN』
バーで働いていたバイトとアメリカで音楽修行をしてきた青年が組んだデュオ。2人がならすインディー・ロックは80年代のロックを思い出し、MGMTのような誰もが欲するポップサウンドを両立。Otisの青臭いインディー・ロックの表現は内省的な曲もクールに映ってしまう。
プロデューサーとしてはサウス・ロンドンで活躍するDan Careyが参加。アルバムの流れを急に変えたこのいかつい曲を差し込んだのはあなたの仕業ですか?
Spotifyリスナー現在975万人。ここまで大きくなったのもこのアルバムの凄さを表している。
10.Slow Fiction 『CRUSH』
ニューヨークは定期的に最高なバンドが出てくる。このオルタナロックバンドはコロナパンデミックから抜け出した開放感をこのデビューEPに記録した。ボーカルのJulia Vassalloのカリスマ性のある歌い方、心拍数が加速するドラムの暴れ方に熱くテンションが上がる。
9.中野ミホ『Tree』
Drop's中野ミホによるソロ作品。デビューアルバムは激しさではなく余裕のある優しさから出る力強さを感じた。日本の歌謡ってこんなにいいんだと感じさせてくれる名盤。
生活してたらたまーに歌を口ずさむことがあるんだけど歌うとしたら24年はこの作品の曲ばっかだったな。
アルバムをしばらく楽しんだあと、
ロマンチック☆安田(ex.betcover!!)がキーボードを担当していると知る。
ああ、このピアノにも惹きつけられてたんだ。
8.a子『GENE』
とうとうフルアルバムが。ウィスパー系のポップスシンガーの中でもトップクラスの中毒性と華やかさ
有。今まで椎名林檎と比較されることが少なくなかったが安直だなと自分は思っていた。最後に入ってる地声で歌唱された曲「ボーダーライン」で今までで地声を封印してきた理由が少しわかった。これは椎名林檎だ。影響元がはっきりしていながらも独自の感性でJ-POPにおけるロックの新しい道を開こうと進んでる姿かっこいい。
引用元の投稿こんなに反応あるとは思わなかった。
知名度どんどん突き抜けてインディーの枠から飛び抜けてほしい。
7.Remi Wolf『Big Ideas』
自分にとっては22年のLizzo、23年のRAYE、24年のRemi Wolf。
強制的に踊らされるポップサウンドの力恐ろしい。80年〜90年代ディスコが新しく新鮮に生まれ変わった。歌姫の称号を得るためには最低限このレベルの情熱とパワフルある歌声じゃなきゃだめなんだなと思った。24年はZeddの作品にも参加。軽々とEDMのテンポに合わせてしまう実力。
フジロックキャンセルのリベンジ来日ありがとう行けるかな?行きたいね。
2/18(火)Zepp SHINJUKU
2/19(水)GORILLA HALL OSAKA
6.Trooper Salute『Trooper Salute』
日本語ポップスの新しい伝説が始まってもうたかも。今年スタートしたプロジェクトTrooper Salute。シンフォニックインディロックバンド。意味あんま理解してないけど、こんなメロディ聴いたことないを発明しようと作られた色んな仕掛けがあって面白い。ライブ映像がまとめて流れてきた時期があったがボーカルが歌上手すぎてひくレベル。なんやこのバンド。
リファレンスにbetcover!!の狐。あの展開はここから来たのか。
5.雪国『pothos』
バンド名の通りひんやりした心に寄り添う音楽。文学的歌詞を持ったバンドが少ない中、このバンドに対しては歌詞の凄さにどきどきしてしまう。
特に好きなのはポトスの歌詞に出てくる
・価値のない僕にしか書けない歌を聴いて
・価値のある君にしか書けない歌を聞かせて
自信の無さや弱い人間から吐き出される聞かせてが今の自分に鋭く刺さった。
収録曲1時間以上あって一つもポップに傾くことない徹底っぷり。スロウコアの力を借りて特別な作品に仕上げられている。1stアルバムでこのレベルなら次作はどうなってしまうんだろう。
1番大切にしているアルバムにmol-74の越冬のマーチがある。雪国『pothos』と合わせて聴いて孤独の海を好きなだけ漂いたいと思う。
4.flowerolove『ache in my tooth』
キャピトル・レコード所属ロンドンの19歳。ローファイポップシンガーにこんな凄い人いたのか。声質、リズム感生まれ持った最高な素質あり。
年ベスに選ぶならRachel Chinouririとこの作品かで迷ったがこの作品の方が個人的に中毒性で圧倒された。
3.Meaningful Stone『Angel interview』
Meaningful Stoneのことをずっと追いかけていた1年だった。2ndフルアルバムは1stのドリーム・ポップ、フォークは残し、シューゲイザーでの激しい演出が加わった。彼女は過去のインタビューで自身のことはミュージシャンではなく音楽療法士だと表現していた。そのため、ジャンルにはこだわらずその時の気分を伝える時に伝えやすいジャンルを選択する。その先に音楽で救われる人がいればそれが活動する意味になる。
23年に韓国の電子音楽ミュージシャンKIRARAと関わりを持ったこと、24年にSlowdive×Parannoulを観に行ったこと、ヨガの活動を増やしたこと、家族にネコが増えたこと全ての出来事が今作の方向性やパワーに繋がっていると思った。
今作プロデュースに入ったのはCloud kohというアーティスト。電子音楽×バンド要素を取り入れた今作としては良い組み合わせだったと思う。
学生時代習得したチェロの技術を発揮した曲
ニューメタルの衝撃
今年中に時間見つけてこのアルバムのまとめ記事書いてみようと思ってる。ずっとずっと大好きなアルバムです。
2.Dora Jar『No Way To Relax When You Are On Fire』
思い入れがある作品が他にあったとしてもそれより夢中にさせてしまうのが音楽の衝撃。Dora Jarは全部を持っていった。インディー・ポップ、オルタナティブポップ、ドリーム・ポップを中心に好んで聴いてきた1年だったが3つ全ての項目において自分好みの高スコアを叩き出した作品だった。
前作Digital Meadow(2021)から彼女のキャリアを追っているがここまでインパクトのあるアルバムは期待してなかったのでびっくりした。普通のフォークではなくオルタナティブな変化が1つ以上加えられている。ポップが尖るとロックになる謎現象に怯えてしまった。
ピアノと歌唱のバランスbetcover!!と同じものを感じた。
visualizarとしてYouTubeに全曲載せる変わった所が好き。ライブで様子のおかしい人がお腹からとんでもない歌を吐き出してるのに笑ってしまう。
1.yonige『Empire』
大阪出身バンドyonigeの最高傑作。
結成から11年の間にメンバー脱退、ヒット曲、事務所独立色々な事があった。自分自身リスナーとして長いこと聴き続けてきたが、ここまでオルタナとJ-POPが喧嘩せず強いメロディーを持ったバランスに仕上げるポテンシャルがあるとは思ってなかった。
牛丸ありさの歌詞作りのセンスはもちろんあるけど、サポートベースの土器大洋(元LILI LIMIT)の制作への関わり方が今1番丁度良いんだろう。
ここからは想像だけど牛丸ありさが2023年で出したPanikhidaでやりたかった尖りの方向性と土器大洋がLILI LIMIT、MO MOMAで十分発揮してきたけど弾けきらなかった部分を埋め合わさって出来た奇跡みたいな作品だと思う。
今年1番聴いた曲は「神様と僕」だった。
これまでのバンドとしての閉塞感、絶望からの楽観的思考が描かれたこの曲に自分自身の現実から逃げたい気持ちを預けたかったのかもしれない。
これからの人生では精神的に音楽聴けないレベルの精神状態になる時があるかもしれない。
そんなときはEmpireツアーで観た新鮮な衝撃刺激が他にも絶対あることを忘れず生きていきたいもんです。
最後に好きな曲1曲目ずつ入れたプレイリストです。
2024年ありがとうございました。
それでは2025年、よろしくお願いします。