恋情のほころびをもう1回考察したい。
数日ぶりにまたあのなんとも言えないモヤモヤを味わいたいと思って恋情のほころびを見て、もう1回語りたいと思ってしまいました。
まあ以前にそれなりに感想とか考察を書いたので今回は改めて見て気づいたことというか気になったことを書きます。
具体的に言うと庵ちゃんの優しさに気づいてしまったのでどうしてもその優しさを感じたポイントを書こうと思います。
このお話は主人公の悠人と幼馴染の庵の2人のすれ違いから悲しい結末を迎えるわけですが、庵という少女は悠人に対して恋愛感情を持てなかったのは、姉心と言いますか、庵にとって悠人は守りたい相手でありそれは恋愛感情には当たらないのは何となく分かります。そして悠人は庵に救われた身ですから。孤独だった悠人を庵が拠り所になってあげたわけですから、恋愛感情を持つのも至極当然と言っていいのかなと思います。
要は2人の馴れ初めからしてこの気持ちのすれ違いは必ず起こる運命だったと思います。
しかしそのいつかが最悪な形で起こってしまう。
そしてその最悪が悠人にどれだけのショックを与えたかは悠人の反応を見ればわかります。しかも庵は無意識に追い打ちをかけてしまいましたしね。悠人の行動は絶対に肯定できないものですが悠人の感情に関しては同情してしまう部分もあります。
ただこの同情は第三者目線です。庵からしたらそんなの知らんで終わりなんですよね。だから庵は決して悠人に同情はしていないんです。これ重要です。庵は悠人に一切の同情はないんです。
それなのに庵ちゃん、悠人に無理矢理されている際に言葉で拒絶はしましたが抵抗はほとんどしなかったんです。
胸を晒され、性器を咥えさせられ、挿入される際も抵抗はしなかった。
これが何を意味するのか。庵は悠人との行為を望んでいなかったのは事後の反応を見ればわかります。それでも抵抗しなかったのは、その場で自分が抵抗することによって悠人を悪者にしてしまうからだと思います。
最初に述べましたが庵にとって悠人は守りたい相手なんです。
2人の行為が行われたのは学校内の備品室。どこに近いのかなどはわかりませんが学校内である以上恐らく叫べば誰かしら気づく可能性はあったと思います。それをしなかったのは庵がそれをしてしまえば悠人は悪者になってしまうから。正直助けを呼べる場面はたくさんあった中でそれをしなかったのはそういう理由だと思います。
そして庵が抵抗しなかったのは助けを求めなかったことだけではありません。庵は行為中、基本的に腕を頭より上にしています。強姦に詳しくないので憶測ですが、自分なら抵抗するために殴るか相手を抑えようと、相手側に腕を使うと思います。しかし庵はそれをしませんでした。
ただ行為の途中に悠人が庵の両腕を引っ張る様子もありましたので無抵抗だった訳では無いのかもしれませんが、抵抗しなかったタイミングがあったのは確かだと思います。
ではなぜここでも抵抗しなかったのか、これも同情でも自らしたい訳でもないのだとしたらやはり庵の優しさなのだと思います。
正直この場面抵抗しなかった理由はちょっとわからない部分があります。少なくとも挿入されそうな時に手で抑えてるのを見るに同情して受け入れようという優しさではないのだと思うのですが、庵にとってはこの瞬間に悠人との信頼関係が大きく崩れてもおかしくない訳ですから、もしかしたら抵抗せずにやめてくれるのを信じてた可能性はあります。
ただまあ消去法で残ったのは悠人を物理的に傷つけたくないって気持ちなのかなと思っています。
物理的な傷というと庵と悠人の出会いの場面では悠人が顔に傷がありましたし、そういう怪我なども含めて悠人を守りたいっていう気持ちだったのかなと思います。つまり庵の優しさです。
まあ悠人はあらゆる所で庵に助けられているわけですね。庵の優しさっていうのはこの作品ですごく重要な要素であり2人のすれ違いを引き起こした原因なわけです。
悠人に対して姉心、つまり弟のような存在として認識していたであろう庵にとって、この作品内の一連の出来事で恐らく悠人に対しての気持ちが大きく変わると思います。姉であり続けた庵が今度は自分を助けてくれた人に恋をしたのを見るに、悠人にとって出会い方として庵と結ばれるのは簡単ではなかったのだろうと思いますが、最後のシーンで悠人が放った言葉、もう昔みたいにはいられないという言葉は2人の始まりの終わりを意味する言葉であり、庵にとって悠人という存在の大きさを見るにこのまま終わり続けるかと言われるとそうでは無い気がします。
ただ悠人に対して庵がどういう感情を抱きどう変化するのか。姉としての役目を終えて別々に進むのか、それでもまだ関わりたいのかによって結末は変わります。
続編は恐らく無いでしょうし、あったとしても何となく2人は結ばれなさそうなので自分の妄想の中で2人が新たな関係性で新たな1歩を踏み出す妄想をしようと思います。
ではこのへんで。興味持ったら買ってみてください。さようならー。