小説の舞台設定と世界観について
ある時から人類の社会は、逃げられる社会から逃げられない社会へと、生き方の基本戦略を大きく変えた。
人類学者 西田正規(朝日新聞)
黒豹コメント:
これまで社会派の小説(らしきもの)を書き続けてきて、
ふと考えてみました。
果たして自分の小説は、主人公が生きる舞台設定には神経を使ってきたが、宗教、哲学、概念と言った「世界観」は織り込まれているのだろうかと。。
そんなとき西田先生の、
「人類の生き方の基本戦略」の言葉が目につきました。
ちょうど、アフリカ内乱を舞台にした小説を書いていたところでした。
現状を調べていくと、内乱の原因の一つである希少鉱物に関する争いの影に、破壊されつつある原住民コミュニティの悲惨な現実が見えてきます。
まさに「逃げられない社会」を地でいく蟻地獄の様相。
果たして人間同士の殺戮の上に成り立つ近代文明は、
彼らにとって望まれることだったのかどうか。。
今回は特に、「世界観」を意識しながら書くことが大切だと、
痛切に感じた次第です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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