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「審美眼」を求めて:映画「PERFECT DAYS」と私

・「PERFECT DAYS」なんて良い映画なんだ。
Amazonプライムで観れる最高。

公式ホームページからの紹介文を引用します。
※ちなみに公式ホームページめちゃくちゃオシャだった。

ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースと
日本を代表する俳優 役所広司の美しきセッション。
フィクションの存在をドキュメントのように追う。
ドキュメントとフィクションを極めた
ヴェンダースにしか到達できない映画が生まれた。
カンヌ国際映画祭では、
ヴェンダースの最高傑作との呼び声も高く
世界80ヵ国の配給が決定。

こんなふうに生きていけたなら

東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、
静かに淡々とした日々を生きていた。
同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。
その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、
同じ日は1日としてなく、
男は毎日を新しい日として生きていた。
その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。
木々がつくる木漏れ日に目を細めた。
そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。
それが男の過去を小さく揺らした。

PERFECT DAYS公式ホームページ
https://www.perfectdays-movie.jp/story/

・この映画は全然ドラマチックじゃないんです。普通。映像的には日常をきれいに捉えていてまさに「エモい」という表現がぴったりなんです。

・主人公の平山さんがまた寡黙(なんだけど、役所広司さん凄すぎ。それでも感情が伝わる。)、けど、美しさというものを知っている人だと思いました。

・ぼくは昔「ストレングスファインダー」という自己分析ツールを使ったことがあるのですが、その中に「審美眼」という謎の項目がありました。

・アーティストでもない自分がこれをどう活かせばいいかわからなかったのですが、平山さんのように、日々の生活の中で、自分が微笑むことができるものを見つけること、これこそが「審美眼」なのではないかと思えたのです。 

・すこし、自分を誇らしく思えました。そして自分の審美眼も、日々の生活の中で磨いていきたいと思いました。

・白黒はっきりさせるのではなく、丸とか四角で単純に区別するわけでもなち。だれもが多面的で、醜いし美しい。なんかすごく綺麗なことを言いたい気持ちにもなるんですが、そうではなくて、自分が純粋に格好つけずにいられたら、誰にどう思われるかわからないですが、格好いいですよね。見方は人それぞれですが、自分が自分に対してどう見るかは決められますから。

・寡黙だからこそ、平山さんが話すことは何かぐっときます。「影が重なって濃くならないなんて、そんな馬鹿なことがあるか」というところは、優しさと彼自身の価値観が重なっていいセリフだなぁと思いました。

・最近アプリで「路傍のフジイ」という漫画を読んだのですが、平山さんとちょっと似ている気がしました。フジイさんも寡黙でルーティンをこなしながら、自分がいいと思えるものに対して、納得して、選択していく。そんな姿に周りの人々が惹かれていくという話なので、なんだか近しい気がするんです。取捨選択、自分で決める。これが幸せに生きる第一歩なのかもしれません。自分が「善(よい)」と思えることをしていくのが人生だ、と何かの本で読みました。

・もし2時間という上映時間に躊躇しているのなら、Amazonプライムで配信されている今、1時間ずつ分けて観るのも良いと思います。僕もそうやって2日に分けて観ました。平山さんが小説を少しずつ読んでいるように、ゆっくりと空気感を味わいながら、咀嚼するのも良いのではないでしょうか。

・あと、ぼくが星野源さんが好きなこともどこか繋がっている感じがしました。日常の中で何を感じ、何を思うか。良いことも悪いこともあって、それら全てが日常であり、それで良いし、それが美しい。美しいものを見つけることもできるし、怒りや悲しみに浸ることだって許される。大切なのは、この続く日常の中で、私たち自身を生きるということなのかなと思うのです。星野源さんの曲を聴くとなんだかそう思うんです。

・だから、審美眼でたとえ地獄のような状況でも心を震わせるような「嬉しい、ありがとう」を見つけ、「影を重ねて」生きていきたい。そう思いました。


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