(創作)仮面ライダーガッチャードデイブレイク9話 立ち上がれファイター!可能性創るアルケミスト

前回までの仮面ライダーガッチャード

賢者の石を手に入れた闇の錬金術師グリオンと、りんねの父九堂風雅がガッチャンコ!死闘の末、風雅は敗れ、ダメージを負ったグリオンも眠りについた。そして、それから5年が経ったある日、、


ーキッチン一ノ瀬(2030 1月 宝太郎23歳)
宝太郎「ありがとうございました!」
(扉にclosed の札をかける)
(机の上の食器を流しへ運ぶ宝太郎)
宝太郎「ここでいい?」
珠美「うん、ありがとう!」
(横に並んで珠美の横で一緒に皿洗いを始める宝太郎)
珠美「ねえ、本当に良かったの?」
宝太郎「え?何が?」
珠美「ほら、高校を卒業して、これからどうするの?って話した時。」

(回想 高校卒業直前の宝太郎(2025))
宝太郎「母さん、俺、高校を卒業しても、店を手伝いたい。もっと美味しい料理を作れるようになって、お客さんみんなを笑顔にしたい!それが今の、俺のガッチャだから!」

珠美「もちろんお母さんとしては嬉しいのよ。宝太郎がいてくれるおかげで、お母さんもすごく助かってる。でもね、」
宝太郎「ん?」
珠美「宝太郎、他に何か、やりたかったことがあったんじゃないのかなー、って。」
宝太郎「他に、やりたかったこと?」
何気なく、いつの間にか習慣として両手に身に付けるようになっていた青とオレンジの指輪に目をやる、が、なにも思い出せない。

ー冥国のアジト
(5年間眠り続けていたグリオンが目を覚ます)
アトロポス「グリオン様!おはようございます。グリオン様。」
グリオン「アトロポス、私が眠りについて何年になる?」
アトロポス「5年ほどです。」
グリオン「そうか。」
(クロト―、ラケシスも馳せ参じる)
クロト―「グリオン様、お目覚めになっていらしたのですね。」
ラケシス「お久しぶりですわ、お父様。」
グリオン「下がれ、人形ども。」
(冥国の三姉妹の顔が曇る)
グリオン「さあ、我が野望のため、まずはケミーに秘められた闇黒の力をすべて解放してやろう。冥国に染まれ。」
(九堂風雅が遺したケミーたちから悪意人形を依り代としたマルガムを錬成し、さらに世界中に散らばっていた残りのケミーを対象に自然物などの無機物を依り代とした高度な錬成によりマルガムを同時錬成。合計100体のマルガムが錬成される)
グリオン「これこそがケミーの本来あるべき姿。さあ行け。人間どもに、正しき進化の形を見せてやれ。」
(高笑いするグリオンを怪訝そうな表情で見つめる三姉妹)
グリオン「そうだ、少し、挨拶に行ってくるか。」

ー街中
(お遣いを頼まれた宝太郎)
宝太郎「あとは、、玉ねぎと、牛乳は買ったから、?」
(謎の爆発音を聞き、音の聞こえた方向へ。)
(行った先で、ホッパーマルガム、ライナーマルガムが人々を襲う現場に遭遇)
宝太郎「なんだ、あの怪物!?はっ!、、、」
(指輪に目をやり、失われていた記憶を取り戻す。)
(回想 初めてガッチャードに変身した日、先輩たちとケミーを回収していた日々、次々と仲間を失っていった日々、りんねを失ったあの日)
(りんねの指輪を見る)
宝太郎「俺、なんで忘れてたんだ。こんな、、大事なこと。!、どうして、ホッパー1が!?」
(5年前、風雅にホッパー1を含むすべてのケミーを託していたことを思い出す)
(人々の悲鳴)
宝太郎「とにかく、今は止めないと!」
宝太郎「ホッパー1!やめろ!ホッパー1!ぐあっ!、」
ホッパーマルガム「ホッ、ヴァ―!」
ライナーマルガム「スヂーム!スヂーム!」
ファイターマルガム「エグシィ゛ド!」
サボテンマルガム「サボォ”ォ”ォ”ォ”」
(ほかのマルガムにも襲われ、多勢に無勢なうえ、生身ではとても敵わず、一方的に痛めつけられる)

ーサンマルガムの中
りんね「ううっ、、、ここは?私、確か、あのとき、、あ、もしかして、私、ザ・サンの中に?、、、あ!一ノ瀬!」

宝太郎「ダメだ、、俺にはもう、仮面ライダーの力は、、」

ーサンマルガムの中
りんね「宝太郎は、ずっとひとりで戦ってる。私が、宝太郎を支えないと!はぁぁぁぁぁぁぁ!」
(りんねの強い想いで悪意の束縛を断ち切り、サンマルガムから解放され、宝太郎を連れ、その場から退散)

ー拠点
宝太郎「ううっ、、?ここは、?、、あ、ザ・サン?君が助けてくれたのか?」
りんね(ザ・サン)「宝太郎!私だよ!宝太郎!」
(モニターに人々がマルガムに襲われる様子が映り、宝太郎はそれを見てただ茫然とする)
りんね「一ノ瀬!、、、どうして?どうして声が届かないの?」
宝太郎「こんなの、俺一人でどうすれば、、は!」
(ザ・サンのカードを見て、命を落とす直前のりんねの言葉を思い出す)
(回想 りんねの死の直前「私、まだ、一緒に戦いたかった、宝太郎
、」)
宝太郎「ああ!、、、俺はあの時、九堂を助けられなかった、、」
りんね「宝太郎、、」
宝太郎「九堂はいつも、錬金術師としての使命を大切にしてた。もしケミーのせいで、みんなが苦しんでいるなら、九堂は絶対に戦う。だから、俺も、九堂の分まで、戦わないと!、」
(ケミーライザーから声が聞こえる)
???「一ノ瀬宝太郎。我々に力を貸してほしい。」

ー錬金連合極秘施設入口
(ケミーライザーに転送されてきた位置情報に従って施設にたどり着いた宝太郎)
(二人の門番が立っている入口で一人の男に出迎えられる)
ミヤビ「待っていたぞ。一ノ瀬宝太郎。」
宝太郎「あなたは?」
ミヤビ「私は鐘築ミヤビ。錬金連合の上級錬金術師だ。」

ー錬金連合極秘施設メインホール
(二人で、誰もいない巨大なホールの中に入る)
宝太郎「ここは?」
ミヤビ「ここは錬金連合が所有する極秘の施設。この場所を知っているのは、連合の中でも限られた、一部の錬金術師だけだ。もちろん、グリオンにも知られてはいない。」
宝太郎「っていうか、どうして俺の名前知ってるんですか?」
ミヤビ「連合に所属する人間ならば、君のことを知らない者はいない。人とケミーの多重錬成にとどまらず、レベルナンバー10の超高等多重錬成までを成功させた、錬金術界の若き新星だとね。」
宝太郎「そうですか、、でも、今の俺は、変身できないし、それに、ケミーのみんなも、、」
ミヤビ「ああ。その件で、君に協力を要請したいんだ。」
宝太郎「え?」
ミヤビ「君も見ただろうが、街のいたるところでマルガムの目撃情報が出ている。どうやら、ケミー100体すべてが、マルガムとなって解放されたらしい。」
宝太郎「マルガムが100体?、、あ、それじゃあ、やっぱり風雅さんは、、」
ミヤビ「ああ、、、この騒ぎを受けてすぐ、連合上層部とは連絡が取れなくなった。分かり切っていたことだが、彼らを当てにはできん。無関係な一般人に、ケミーが危害を加えるのを見過ごすわけにはいかない。」
宝太郎「ケミーに罪はない。悪いのは、ケミーを利用して、みんなを苦しめるグリオンだ!」
(ミヤビが立ち止まる)
ミヤビ「ああ。その通りだ。だが、仮に闇の力に操られているとはいえ、ケミーが人を傷つけたという事実には違いない。ダイナマイトを生み出した人間に悪意がなくても、ひとたび命を奪えば、その罪は作った人間にも、道具それ自体にも着せられる。ケミー本人が望んでいないとしても、傷つけられた本人は、ケミーに罪があると考えるのが自然だ。」
宝太郎「、そんな、、」
ミヤビ「だからこそ、我々はケミーを守らなければならない。」
宝太郎「え?」
ミヤビ「ケミーは、錬金術師が生み出してしまった命だ。新たな命を生み出した責任が、我々にはある。ケミーに人を傷つけさせないことは、人間だけではなく、ケミーを守ることでもある。人とケミー、命の価値は同じだ。この均衡は決して崩してはならない。すべての命を諦めずに、世界の秩序を守り抜く、それこそが、現代の錬金術師である我々に課せられた、使命だ。」
宝太郎「人もケミーも守る。そうだ、俺は!」
ミヤビ「そしてそのために、呼び寄せたのだよ。我らが同志たちを。」
(扉が開き、ホールの中に老若男女、階級・年齢等様々の錬金術師、約千人が入ってくる)
(???「そんなの関係ねえ、そんなの関係ねえ、そんなの関係ねえ、、、」)
ミヤビ「皆錬金術師だ。世界の秩序を守るため、同じ使命を共有する仲間として、私の呼びかけに応え、集まってくれたんだ。」
宝太郎「そうか。俺、まだ一人じゃなかったんだ。」
(りんねの指輪に目をやる)
宝太郎「、、よし!行きましょう!みんなを救いに!」
ミヤビ「ああ。錬金術師の使命にかけて、我々は必ず、この世界を救うぞ!」
(賛同する錬金術師一同)
(宝太郎「九堂、みんな!俺は戦う。人もケミーも、すべての命を守る、錬金術師として!」)








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