(創作)仮面ライダーガッチャードデイブレイク18話 想い込めシ恩返し、左手の約束

前回までの仮面ライダーガッチャード

新たな戦いに闘志を燃やすクロトーと、再び前へ進む決意をした宝太郎がガッチャンコ!クロト―はドレッド・改に変身し、バッテリーマルガムを撃破した!新たな仲間を手に入れた宝太郎、彼が平和な未来を掴める日は訪れるのか?


ー基地
(新たな避難所を開設した宝太郎と生き残った錬金術師たちは、エリアDの住民を受け入れて、ここ3カ月ほど、避難所兼拠点としての環境を整えるためにみんなで協力して作業を進めていた。)
(手作りのカレーを味見する宝太郎)
宝太郎「うぉぉぉぉぉ!ガッチャ!完璧だ、流石、俺~!ほら!みんなも食べて!」
住民1「よし!みんな休憩にしよう!」
(作業に従事していた人々が集まってくる)

但馬「やっぱり宝太郎はすごいな。」
宝太郎「何言ってんだよ。みんなが入れる大きな避難所をつくってくれて、しかも内装を錬金アカデミー風にしたのだって、全部但馬だろ?但馬って意外に錬金術上手だよね。」
(避難所の内装は、但馬によって錬金アカデミーそっくりな姿に再錬成されていた。)
但馬「意外で悪かったな!でもさ、宝太郎が元気になった日から、何か一気にみんなも明るくなったっていうかさ、ほら、こんなにみんなが笑ってるのを見るのも久しぶりだし。もしかしたら、この調子なら、いつか本当にグリオンを倒せるかもしれないな、なんて。」
宝太郎「かも、じゃないよ。俺が、絶対グリオンを倒して、みんながまた、もと通りの生活を送れるようにする。それが俺のガッチャだから、、あ!ちょっとごめん、、」

(みんなとは離れた場所でひとり作業を続けているクロト―)
宝太郎「ねぇ!クロト―も一緒に食べようよ!」
クロト―「断る。私はホムンクルスだ。食事をとる必要はない。」
宝太郎「でも、俺、クロト―に、みんなとも仲良くなってほしいし。」
クロトー「普通の人間なら、化け物を受け入れるはずがない。」
(悲しい表情の宝太郎を置いて、外に出るクロト―)

クロト―「アトロポス!」
(クロト―の前にアトロポスが現れる)
クロト―「どこに行ってたんだ、なあ、お前も」
アトロポス「クロト―!、、ひとつ、お願いがあるんだけど、、」
(驚くクロト―)

ー基地の裏
宝太郎「アトロポス!よかった、君も無事で。どうしたの?」
アトロポス「、、その、、えーっと、、」
宝太郎「ん?俺に何か用?」
アトロポス「、僕は、ずっと、羨ましかったのかもしれない。」
宝太郎「え?」
アトロポス「お父さんに愛されてて、君たちみたいな友達がいて、どんどん強くなっていく、りんねちゃんが。」
アトロポス「羨ましかったから、いっぱいいじわるしちゃった。そうしたら、りんねちゃんにはもう、会えなくなっちゃった。」
アトロポス「ラケシスが死んで、僕にもやっと分かった。ずっとそばにいた人がいなくなるって、こんな気持ちなんだって。だから、、」
アトロポス「、、ごめん、なさい。」
(アトロポスの目から涙が溢れる)
アトロポス「君は、いつもりんねちゃんのそばにいたから、きっと君も」
宝太郎「うん。大切な人に会えなくなるのは、すごくつらくて悲しいことなんだ。」
(回想 りんねが息を引き取る様を見て動揺するアトロポス)
アトロポス「、、りんねちゃんが死んだあのときも、同じ気持ちになった。あのときは何か分からなかったけど、本当は僕も、いつもそばにいてくれる人が欲しかった。りんねちゃんとも、仲良くなりたかった。友達になって、もっと遊びたかった、、」
(りんね(ザ・サン)「アトロポス、、」)
宝太郎「そっか。、、アトロポス、ありがとう。でも、九堂のことは、君のせいじゃない。それと、九堂と友達になるのも、まだ間に合うんじゃないかな。」
アトロポス「え?」
宝太郎「確かに九堂はもう、この世にはいないけど、」
(オレンジ色の指輪に目をやる)
宝太郎「俺たちが忘れない限り、九堂は俺たちのそばにいる。だから、九堂のこと、俺たちでずっと覚えていよう?」
アトロポス「、、うん。、、」
宝太郎「あのさ、アトロポス。ここにはクロトーもいる。それに人間のみんなも、きっと君のことを受け入れてくれる。だから、俺たちと一緒に戦おう。」
アトロポス「、、僕のこと、許してくれるの?」
宝太郎「俺だって、君たちのこと、ちゃんと分かってあげられてなかった。それに、俺が目指しているのは、みんがが幸せになれる世界だから。大丈夫。君が変わろうとするなら、人はいつだって変われる。俺はそう信じてるから。」
アトロポス「、、ありがとう。」
(アトロポスが宝太郎に向かって微笑みかけ、宝太郎も笑顔を返す。)
アトロポス「恥ずかしいところ、見せちゃったね。」
宝太郎「いいんだよ。ひとりじゃ弱くても、みんなで支え合えば、強くなれる。俺たちはそうやって生きていくんだ。」
(陰から見ていたクロト―も嬉しそうに笑みをこぼす。)
(爆撃音)

ー基地の表
(宝太郎、クロト―、アトロポスが表に駆け付けると、基地がサルマヌス率いるドレットルーパー軍式の襲撃を受け、錬金術師がシールドを錬成して攻撃を防いでいた)
クロト―「ここを嗅ぎ付けられたか!」
サルマヌス「さあ、その人形諸共、全員殺しつくして差し上げましょう。」
(ユーフォ―レックスマルガム2タイプミクスタスに変身)
宝太郎「そんなことはさせない。クロト―、ドレッドは任せていい?」
「クロスオン!」
クロト―「ああ。」
宝太郎「変身!」
「エクシードファイター!」
宝太郎「はぁぁぁぁ!」
サルマヌス「何!?」
(スーパーガッチャードクロスエクシードファイターワイルドの音速飛行でサルマヌスを基地から遠ざける)

(ドレットルーパーに銃口を向けられ、怖がりながらも銃を構える住民)
青年「おい!こっち来んなよ!、、うぅぅ、、」
(クロト―が前に進み出て、人々を庇う)
青年「あんた、、」
クロトー「お前たちは下がっていろ。」
「スチームライナー!ダイオー二!」
(ドレッドライバー改を装着して、ドレットルーパーに飛び蹴り、数体のドレッドトルーパーをなぎ倒したところで)
クロトー「変身!」
「ドレッド 弐式!」
クロト―「はぁぁぁぁぁ!」
(足技でドレットルーパーを蹴散らしたのち、ブラッディ―DOを召喚、炎を纏った棍棒でドレットルーパーを一掃する)」

(クロト―の戦いを見つめるアトロポス)
(回想 りんね「普通の人を巻き込まないで!」「あなた、私と友達になりたいんでしょ!」「まだ、戦わなくちゃいけないから!」「私が、一ノ瀬を支える!」)
アトロポス「りんねちゃん、僕は、どうすれば、、」
(手のひらに金赤の指輪を乗せて見つめる)
(回想 九堂風雅が倒れた時、その場に残された指輪をアトロポスは回収していた)
クロト―「はぁ!アトロポス、お前も下がってろ。」
(何かを思い立ったように、宝太郎とサルマヌスが向かった方角へ走り出すアトロポス)
クロトー「おい!アトロポス!、あぁ!はぁ!」
(アトロポスを追おうとするもドレットルーパーに阻まれるクロト―)

ー更地
宝太郎「はぁぁぁぁぁ!」
(スーパーガッチャードデイブレイクとマルガムが戦っている現場に到着したアトロポス)
アトロポス「りんねちゃん、もし君がいたら、どうするんだろう。」
(回想 グリオン「はじめまして、アトロポス。私は君の父親だ。」「君たちは、私が作り出した愛しき我が娘、家族じゃないか。」「下がれ人形ども。」「お前たち出来損ないの人形はもはや用済みだ。」)
(自分を愛してくれていたはずのグリオンに裏切られたことが受け入れられず、まだ自分がどうすればよいのかを決断できずにいるアトロポス)
アトロポス「あ、、」
(突如現れたドレットルーパーに周りを囲まれる)
(吹きゴマ型で壁を錬成して銃撃を防ぐも破壊され、腕が被弾して金属化してしまう)
クロト―「アトロポス!くっ!」
(クロト―も駆け付けようとするが、またも敵に阻まれてしまう)
(さらにドレットルーパーに銃口を突き付けられ追い詰められるアトロポス)
宝太郎「アトロポス!」
(回想 りんね「まだ、一緒に戦いたいよ、宝太郎、」)
(決意が固まり、立ち上がるアトロポス)
アトロポス「君の望みは、僕が引き継ぐよ。だからりんねちゃん、僕と、友達になってくれる?」
(りんね「うん。分かったよ。アトロポス。」)
アトロポス「え?」
宝太郎「はぁ!、、え?あぁ!ちょっと!」
「ユ~ニコン!ザ・サン!」
(宝太郎のケミーホルダーが光り、ユニコンとザ・サンのカードが勝手に飛び出る)
(ザ・サンが光でドレットルーパーを怯ませ、ユニコンが浄化能力でアトロポスの腕が修復される)
(さらにアトロポスの腕の中の指輪がザ・サンに反応し、金オレンジの指輪に再錬成される)
クロト―「!、、」
(アトロポスが指輪を左中指に装着すると、意識がザ・サンの精神世界に飛ばされる)
アトロポス「、、りんね、ちゃん?、」
(白いヴェールの向こうで微笑むりんねの姿が)
アトロポス「りんねちゃん、ごめんね、僕は君に、、」
りんね「もう、いいんだよ、アトロポス。これからは、一ノ瀬のことを、助けてあげて。」
アトロポス「うん。りんねちゃん、僕と一緒に、戦ってくれる?」
(笑顔でりんねが頷いたと同時に現実世界に戻ったアトロポス)
「アルケミスドライバー!」
「アルケミスリンク!ハイアルケミスリンク!」
「ユニコン!ザ・サン!」
アトロポス「変身!」
アトロポス「今日から僕の字は、仮面ライダートルネード。」
(全身を駆け巡る竜巻に包まれ、仮面ライダートルネードサンユニコーンへと変身を遂げたアトロポス)
アトロポス「さあ、消してあげるよ。」
(風を纏い、マジェードを彷彿とさせるような素早い身のこなしで次々とドレットルーパーを撃破していく)
アトロポス「ふっ!はぁぁ!」
(吹きゴマを風で回転させて、無数の矢を錬成し、ドレットルーパーを全滅させる

宝太郎「よし、俺も!」
「ビ―トルクス!スーパー!」
(クロスビートルクスの怪力でマルガムを粉砕しようとするも、ユーフォ―エックスの力で逃げられてしまう)
宝太郎「それなら!」
「リクシオン!スーパー!」
宝太郎「はぁぁ、たぁぁぁぁぁ!」
サルマヌス「何!?」
(四方八方にクロスリクシオンの電撃を放ち、マルガムの動きを止めることに成功)
「テンフォートレス!」
宝太郎「はぁぁぁあ!」
サルマヌス「ぐわぁぁぁあ!」
(クロステンフォートレスの大砲がマルガムに命中)
「クロスウィザード!スーパー!」
宝太郎「はぁぁぁぁ!」
(エクスガッチャリバーで斬りかかりつつ、クロスクロスウィザードの力でマルガムの背後に魔法陣を錬成し、大剣を放射して攻撃するも、マルガムのエックスレックスの力で尻尾で攻撃を防がれる)
サルマヌス「舐めるな!私はグリオン様より力を授かったのです!貴様ような人間ごときに負ける訳がないでしょう!」
宝太郎「俺だけじゃない。」

(横からトルネードが参戦)
アトロポス「はぁぁぁぁ!」
サルマヌス「何!?」
(突風の力を込めた拳で強烈な一撃を喰らわせる)
クロト―「はぁぁぁ!ふっ!はぁぁ!」
サルマヌス「ぐわぁぁぁぁあ!」
(さらにドレッドもブラッディ―DOで攻撃)
「ターボオン!」
宝太郎「はぁぁぁぁあ!」
「ゼグドラシルエクストラッシュ!」
サルマヌス「ぐわぁぁぁぁぁ!」
(ファイヤーガッチャードデイブレイクスチームホッパーに変身し、超加速の威力を乗せながら、ゼグドラシルを装填したガッチャリバーで斬りかかる)
サルマヌス「なぜだ!なぜ裏切者の古人形ごときに苦戦する!」
アトロポス「違うね。僕は裏切者の娘。本当の裏切り者は、、グリオンだ!」
クロト―「貴様とは、戦ってきた厚みが違う!」
宝太郎「加治木との思い出を傷つけた、お前を俺は絶対に許さない!決めるぞ、アトロポス!クロト―!」
「スチームホッパーバーニングフィーバー!」
「サンユニコーンビッグバンノヴァ!」
「ドレッドブレイキング!」
宝太郎 アトロポス クロトー「はぁぁぁぁぁあ!」
サルマヌス「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(トリプルライダーキックでサルマヌスの撃破に成功)
サルマヌス「く、、グ、グリオン、様、、うわぁぁぁ!」
(グリオン「貴様の代わりなど、いくらでも錬成できる。出来損ないの人形は、消えろ。」)
(サルマヌスの脳内に直接グリオンの声が届く)
サルマヌス「私は、わたしはぁぁぁぁぁぁぁ!」
(錬金人形に還ったのち消滅)

ー基地の前
(ドレットルーパーによってめちゃくちゃにされてしまった基地)
宝太郎「、、この場所もグリオンに知られちゃったから、また襲われるかもしれない、ごめん、みんな、、」
但馬「何で宝太郎が謝るんだよ!」
青年「そうだよ。みんなを守ってくれただろ、宝太郎さんと、あなたが。」
(青年がクロト―の方に向き直る)
青年「俺たちを守ってくれて、ありがとう。」
クロト―「ふん、別にただのついでだ。ちょうど暴れ足りなくてうずうずしていたところだっただけで」
但馬「え?照れてんの?」
クロト―「あ?」
但馬「ごめんなさい、何でもないです!」
クロト―「おい!もう一回言ってみろ!」
(拠点を失う悲観的な状況ながら、不思議と幸福感に包まれる一同。クロト―に捕まる但馬を微笑ましく見守りながら)
アトロポス「僕も、ラケシスやりんねちゃんの分まで、僕たちを捨てたグリオンと戦うよ。だから君も、最後まで一緒に戦ってくれる?」
宝太郎「うん。約束する。」
(宝太郎はりんねの指輪を、アトロポスも金オレンジの指輪を付けている左手で小指を結び、ここに新たな戦いが始まろうとしていた。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?