(創作)仮面ライダーガッチャードデイブレイク23話 燃エルドラゴン、大人の代償

前回までの仮面ライダーガッチャード

世界を守るため命をかける仮面ライダーと、暗黒の扉がガッチャンコ!見事、黒いマルガムの封印に成功したかと思われたが、すべてはグリオンに仕組まれた罠だった。絶望へのカウントダウンが迫る中、彼らの決断は!?


ー基地
あの日、グリオンが立ち去った後、俺たちは急いで卵を破壊しようとした。だが、所有者をグリオンに書き換えられた暗黒の扉は、アトロポスにも開けることができず、もちろん扉自体を破壊することもできなかった。暗黒の扉を錬成してしまったがばかりに、俺たちは卵に手出しができなくなってしまった。封印しようとしたのが間違いだったのか、いや、でもあのまま怪物を放っておいても、攻撃の通用しない敵に、俺たちがなすすべはなかっただろう。そんな出口のない自問自答を何度繰り返しただろう。まさしくこれは、グリオンに仕掛けられた、攻略法の存在しないゲーム。どの道筋を選んでもつながる未来はバッドエンドだけ、そういう筋書きだったのだ。いろいろと話し合った結果、導き出された結論は、卵が孵化してから倒す。それしかなかった。倒せる保証なんてない。それでも俺たちは、未来の自分自身に託した。今なら分かる。未来を託すって、今の自分を諦めることだったんだな。いつの間に俺、大人になっちゃったんだろ、、、
1週間も経てば、俺たちはまた以前の日々に戻っていた。仮面ライダーに変身して、ドレットルーパーに襲われる人々を助けて、また戦って。前に進めないまま、ただ時間だけが過ぎていった。大人になるって、見えないふりをするのも上手くなるらしい。そして、あれから4年が経った今日、ついにその日が来てしまった。

ー基地
(警報音)
但馬「これは、大変だ!宝太郎!ウロボロス界が!」
宝太郎「!」
(モニターの前に一同が駆けつける)
但馬「、、反応が、、消えた?ウロボロス界が、消滅した、、?」
アトロポス「、、ダメだ。僕たちも、ゲートを開けない。」
クロト―「まさか、、?」
宝太郎「ああ。生まれたんだ。102体目の、ケミーが。」
(警報音)
但馬「エリアWに、凄まじいエネルギー反応だ、、多分、、」
宝太郎「ああ。行こう。クロト―、アトロポス!」

ーエリアW
(宝太郎、クロト―、アトロポスの3人をグリオンが待ち構える)
グリオン「お前たちが来ることは読んでいた、一ノ瀬宝太郎。」
宝太郎「、、グリオン!」
グリオン「待ちわびていたよ。ついに誕生した。賢者の石より生まれし最強のケミー、エルドラゴンが!」
???「エ゛ル゛ド゛ラ゛ゴ゛ン゛!」
(空が漆黒の雲に覆われ、巨大な黒龍の怪物、エルドラゴンが稲光とともに空を割って飛び出してくる。)
宝太郎「あれが、、102体目のケミー、、!」
エルドラゴン「エ゛ル゛ド゛ラ゛ゴ゛ン゛!」
(エルドラゴンが猛スピードで宝太郎たちに向かって突進してくる)
宝太郎「変身!」
「スチームホッパー!アチー!」
(咄嗟にファイヤーガッチャードデイブレイクスチームホッパーに変身して、高速移動でクロト―とアトロポスを連れてエルドラゴンの突進を回避)
エルドラゴン「エ゛ル゛ド゛ラ゛ゴ゛ン゛!」
(エルドラゴンの放つ冥国の炎で街が次々と破壊されていく)
宝太郎「なんて力だ、、」
クロト―「どうやら、やるしかないようだな。変身!」
「ドレッド参式!」
宝太郎 クロト―「はぁぁぁぁぁ!」
グリオン「、、一ノ瀬宝太郎。今日でお前から、未来が消える。」

宝太郎「ふっ!」
「オニコプター!アチー!」
「ホークスター!ドロー!」
クロト―「はっ!」
宝太郎 クロト―「はぁぁぁぁ!うわあぁぁぁぁぁ!」
(空を飛んで、ともに棍棒による攻撃を試みるも、エルドラゴンに叩き落とされてしまう)
宝太郎「それなら!」
「バットキングロボ!アチー!」
宝太郎「はぁぁぁぁぁ!うわぁぁぁぁ!」
クロト―「ふっ!っはっ!、、っうっ!うわぁぁぁぁぁ!」
(ファイヤーバットキングロボも倒され、ドレッドもブラッディ―DOから光弾を発射して攻撃するも、エルドラゴンに噛み咥えられて身動きを封じられてしまう)
アトロポス「クロト―!ふっ!」
(アトロポスが口笛で無数の矢を錬成し、エルドラゴンめがけて発射したことで、ドレッドを口から落としてしまう)
「ガガガガッチャンコ!ガイア―ドラゴン!アチー!」
宝太郎「っふっ!、、はぁぁぁぁぁ!」
(始祖のケミーガイア―ドとドラゴナロスの力で、空中を飛び回りながらエルドラゴンに攻撃を浴びせる)
エルドラゴン「エ゛ル゛ド゛ラ゛ゴ゛ン゛!」
宝太郎「はぁぁぁぁぁあ!」
「ガイア―ドラゴン!バーニングフィーバー!」
(炎に包まれ、口に地球の力を宿した玉を加えた巨大なドラゴンの姿となり、エルドラゴンに突進)
宝太郎「ぐわぁぁぁぁぁ!」
(敗れ、通常のスチームホッパーに戻ってしまうガッチャードデイブレイク)
クロト―「宝太郎!っく!」
「ドレッドブレイキング!」
クロト―「はぁぁぁぁぁあ!」
(ブラッディーDOをエルドラゴンめがけて蹴りつけるもいとも容易く弾かれてしまう)
「カマンティス!サーベライガー!ゴリラセンセイ!バグレシア!オーバーアナイアレイション!」
クロト―「ふっ!はぁぁぁぁぁぁぁあ!」
(飛び上がり、弾かれたブラッディ―DOを左脚で押し込みつつ、全身全霊のライダーキックをぶつけるも効かず、至近距離から衝撃波を喰らって地面叩きつけられ、変身解除に追い込まれる)
クロト―「、、うっ!、、くっ、、」
(先ほどの攻撃でドレッドライバー改も破壊されてしまう)
宝太郎「、、クロトー!、、くっ、、うぅぅ、はぁぁぁぁあ!」
「スチームホッパー!フィーバー!」
宝太郎「ぐはっ!、、う、、、」
(尻尾で叩き落され、変身解除される宝太郎)
グリオン「ふはははははは!分かったか、一ノ瀬宝太郎?これが、賢者の石のわずか1%の力。」
(エルドラゴンを体内に取り込むグリオン)
グリオン「そして今、私は完全なる力を手にしている。分かるだろう?お前に、勝ち目はないのだよ。」
宝太郎「、くっ、、」
グリオン「深い闇の中に差し込む光は確かに眩い。だが、その一筋の光さえ断てば、そこに残るのは静寂、恐怖、絶望。一ノ瀬宝太郎、お前から希望をすべて奪ってやる。」
宝太郎「、、、」
グリオン「いい顔だ!さあ、その絶望を、もっと私に見せてくれ!」
(再びグリオンの体内からエルドラゴンが放たれ、宝太郎に向かって一直線に突進してくる)
宝太郎「ああ!、、ん?」
(突如、辺り一面が煙に包まれ、宝太郎たちを撤退させる)
グリオン「ふっ、、どう足掻こうが、この絶望の闇からは逃げられん。」

ー廃墟の中
???「まだ一緒に戦いたかったよ、宝太郎、、」
(深い眠りから目を覚ます宝太郎)
宝太郎「、、九堂!、、うっ、、」
但馬「宝太郎?大丈夫か?」
宝太郎「俺、、そうか、みんなが助けてくれたのか、、」
(周りを見渡すと、錬金術師の仲間5,6名の姿が。)
クロト―「まさか賢者の石の力があれほどだったとは、、おかげでこいつも、、くそっ!」
(破壊されたドライバーを地面に投げつけて苛立ちを表すクロト―)
アトロポス「僕たちにできることはもう、ないのかもしれない。、、これが、絶望、なんだね。」
宝太郎「、、あいつの言うとおりだったんだな。」
クロト―「え?」
(回想 本上銃斗「いくら悲劇のヒーローを気取ろうが、それで世界を救えなければ、決して美談にはならない!」)
宝太郎「俺は仮面ライダーだからって思ってたけど、、結局俺は今、あの怪物と同じ、ケミーの力で戦ってる。それに、未来を託されたのに、グリオンに勝てなくて、未来も守れなくて、、もしこのまま世界が終わったら、俺も、ヒーロなんかじゃない。この世界を滅ぼした、人類の敵だ。」
但馬「、、今とか、未来とか、そんなの関係ねえよ!宝太郎は、ずっと仮面ライダーとして戦って、いろんな人たちを助けてきただろ!宝太郎は、ずっとみんなの希望なんだよ!だから、今までの世界を救ってきた過去まで、否定するなよ!」
宝太郎「!」
(回想 加治木「楽しかった思い出まで否定するなよ!」)
但馬「だから、だから、、、そんなの関係ねえ!あ、そんなの関係ねえ!そんなの関係ねえ!そんなの関係ねえ!」
宝太郎「、ふっ!、、何だよ、それ!」
(和やかな空気に)
宝太郎「ありがとう、但馬。、そっか、大人になるって、大切な思い出が増えることでもあるんだな。」
(左手のオレンジ色の指輪に目をやる)
但馬「え?」
(外から大きな地鳴りとともに爆発音が聞こえる)

ー廃墟の外
(漆黒の雲に覆われた世界で、エルドラゴンが街を破壊している)
「ガッチャードライバー!」
宝太郎「仮面ライダーガッチャードデイブレイク。それが俺の字だ。変身!」



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