(創作)仮面ライダーガッチャードデイブレイク第2話微笑む天使、笑えぬ結末
前回までの仮面ライダーガッチャード
裏切り者とされた錬金術師、九堂風雅と、その娘のりんねがガッチャンコ!りんねは自分のルールを見つけ出し、仮面ライダーマジェードへと変身した!
ー街中
ケルベロスマルガムが現れ、ガッチャード(スチームホッパー)とマジェード(サンユニコーン)が応戦。
宝太郎「はぁぁあ、はぁっ!あれ?」
(左目だけの視界に慣れず、上手く立ち回れない宝太郎。さらにマルガムの分裂にも混乱。)
りんね「一ノ瀬!」
(マジェードがサポート。さらに、ライデンジ、ジャングルジャンのカードが飛び出してくる。)
宝太郎「そうか!よし!」
(ライトニングジャングルにフォームチェンジ。)
(電撃での範囲攻撃で、マルガムの分裂を阻止。さらには、マジェードの攻撃でマルガムが怯む。)
りんね「一ノ瀬!今だ!」
宝太郎「よし!はぁぁぁぁ!、、、あ?うん?」
(ライトニングジャングルフィーバーを当てるも、マルガムが再生してしまい、再び襲い掛かってくる。)
宝太郎「マルガムを、倒せない?!」
りんね「一ノ瀬!今度は、私が!」
(サンユニコーンノヴァで、無事マルガムの撃破に成功。)
(二人とも変身解除。)
宝太郎「なんで俺の時だけ倒せなかったんだろ?」
(鏡花が現れる。)
鏡花「多分、グリオンが錬成したマルガムだからだろう。ケミーと悪意が強く結びついている分、そのつながりを断ち切るには、それ相応の錬金術が必要ってとこかな。」
宝太郎「今の俺の力じゃ、あのマルガムは倒せない、、、」
鏡花「そういうことだ、お気楽ボーイ。」
宝太郎「お気楽ボーイ?俺のこと?」
鏡花「いつも後先考えず理想ばかり追いかけてる。スパナからそう聞いてるよ。」
宝太郎「スパナめ、、、って、スパナ?」
りんね「黒鋼先輩の知り合いですか?」
鏡花「私は枝見鏡花。黒鋼スパナの錬金術の師匠だ。」
宝太郎「スパナの師匠?でも、どうして、、」
鏡花「実は君たちに折り入って頼みがあってね。あー、でも立ち話もなんだから、私のラボに来てもらえないかな?」
ー錬金アカデミー
グリオン「先ほどのケミストリーは失敗だったか、、」
クロト―「グリオン様、新たに捕らえたケミーです。」
グリオン「エンジェリードか、、悪くない。金色に、染まれ。」
(エンジェルマルガムを錬成。)
エンジェルマルガム「偉大なるグリオン様。生と死を司る天使である私に、何なりと。」
グリオン「生と死、、、そういえば、10年前に、やり残したケミストリーがあったな。」
(10年前の記憶の回想)
ーボートレース場
スパナ父「スパナ!」
スパナ母「ちょっと見ない間に大きくなったわね。」
スパナ「父さん!母さん!」
長い間、旅に出ていた両親と再会したスパナ。10年ぶりの親子水入らずの時間を楽しむ。
ー鏡花のラボ
ラボにやってきた宝太郎、りんね、錆丸、蓮華。
りんね「それで、私たちに頼みって?」
(鏡花が制作中のドライバーを指さす。)
宝太郎「あれって、ガッチャードライバー?」
鏡花「私が開発中のドライバーだ、、、スパナのためのね。」
宝太郎「じゃあ、スパナも仮面ライダーに?」
鏡花「ああ。だが、問題が2つある。」
蓮華「問題?」
鏡花「まず、このドライバーは、ダイオー二とマッドウィール、2枚のレベルナンバー6を揃えることで起動する。ダイオー二の方は問題ないんだが、、、」
(ミナトがヴァルバラドを倒し、ケミーカードを奪取したシーンの回想)
錆丸「あのとき、ミナト先生が、、、」
りんね「もう一つの問題って?」
鏡花「黒い炎。」
宝太郎「黒い炎?」
鏡花「すべての始まりは10年前。九堂風雅に裏切者の汚名を着せたグリオンは、禁じられた錬金術を使い、世界の破滅をもたらす暗黒の扉を開こうとした。」
鏡花「スパナの両親は武装錬金術のエキスパートだった。あの時も、、」
(着信音)
鏡花「スパナ?」
宝太郎「どうかしたんですか?」
鏡花「スパナの両親が帰ってきた。」
(喜ばしいニュースに顔を綻ばせる一同。だが鏡花の表情は曇る。)
鏡花「いや、最悪の事態だ。」
アイザック「おい!まさか!」
鏡花「ああ、スパナの両親は、10年前に亡くなっている。」
(宝太郎とりんねはゴルドダッシュで現場に急行。)
ーボートレース場
(スパナらのもとにエンジェルマルガムが現れる)
エンジェルマルガム「家族のだんらんを奪う無礼をお許しください。偉大なるグリオン様が与えてくださった慈悲の時間も、はかなく、終わるのです。」
スパナ「慈悲の時間だと?どういう意味だ?」
エンジェルマルガム「私の能力で、その2人を生き返らせたのです。その2人は死人なのですから。」
スパナ「笑えないジョークだ。ふざけるな!」
(生身の状態でヴァルバラッシャー1本でマルガムに挑むスパナだが、歯が立たず、一方的に痛めつけられる。)
スパナ「父さん!母さん!逃げて!早く!」
(両親は錬金術により拘束されてしまう。さらにはそこに、ミナトともにグリオンが現れる。)
スパナ「お前は、、」
グリオン「私を思い出したか、少年?お前の中に秘められた闇黒の力を今、解き放ってやろう。」
スパナ「やめろ!」
(苦しめられる両親に駆け寄ろうとするスパナ。しかし、エンジェルマルガムに羽交い絞めにされて身動きが取れない。)
グリオン「さあ、ケミストリーだ。」
スパナ「助けて、助けてくれぇぇぇ!、、誰か、、助けて、ミナト先輩、、」
(両親は消滅し、スパナは絶望。)
(そこでようやく宝太郎、りんねが駆けつけ、スーパーガッチャードクロスユーフォ―エックス、マジェードに変身)
(エンジェルマルガムとの戦闘)
(スパナは、10年前にも目の前でグリオンによって両親を殺された記憶を思い出し、怒りや憎しみの黒い炎に覆われる)
スパナ「うわぁぁぁぁ!」
グリオン「金色に、染まれ。」
(マッドウィールを取り込み、ウィールマルガムへと変貌したスパナ)
ミナト「これが狙いだったか」
グリオン「いい実験だった。10年前に垣間見た、あの黒く美しい炎。その力が、ようやく、私のものに。」
(満足げなグリオンとともに、ミナトもその場を去る。)
宝太郎「スパナ!」
(暴れるスパナを止めようとする宝太郎とりんね。その隙にエンジェルマルガムの撤退を許してしまう。)
エンジェルマルガム「哀れな罪人よ、懺悔の時間を差し上げましょう。」
(変身解除し、立ち去ろうとするスパナに、宝太郎とりんねが呼びかける。)
宝太郎「スパナ!」 りんね「黒鋼先輩!」
スパナ「そんな奴、最初からいなかった。」
錬金アカデミー
(冥国の三姉妹の会話)
ラケシス「グリオン様は、黒鋼スパナを番犬にするつもりですわ。あの教師もいるし、、もし私たちは用済みになったら、」
アトロポス「ラケシス。」
ラケシス「アトロポス、あなただって。いつ切り捨てられるか分かりませんわ!クロト―も!、、それならいっそ、3人で裏切れば!」
(アトロポスはラケシスを吹き飛ばし、壁に打ち付ける。)
ラケシス「裏切るなんて、二度と口にしないで。」
クロト―「もしグリオン様の耳に入ったら、それこそ本当に消されるぞ。」
ーラボ外
(鏡花のラボを訪れるスパナだが、中には入らず、無言で立ち去る。)
ーラボ中
鏡花から、10年前のスパナに起こったことの顛末を聞かされる宝太郎たち。
鏡花「スパナは、錬金術の天才だ。だが、それは同時に、冥国の力に染まりやすい、危険な素質でもあった。グリオンは、きっとあの力に目をつける。だから私は、スパナの記憶を、両親を殺された怒りを、憎しみを消した。スパナを守るために。10年かけて、スパナは、美学という鎧を手に入れた。黒い炎の力を、自分の中に閉じ込めるための鎧を。でも今なら、今のスパナなら、、」
宝太郎「鏡花さん、ドライバーの制作、俺たちにも手伝わせてください。」
りんね「黒鋼先輩のために、できることをやりたいんです。」
宝太郎「スパナも、俺たちの大切な仲間だから。」
(ドライバー制作に励む一同。)
ーラボ
(一晩明けて)
蓮華「ほら!はよ、起きんかい!」
宝太郎「え?ああ、あ、鏡花さん、ドライバー、どうなりました?」
鏡花「ああ!ダメだ。やっぱり、何かが足りない。これじゃ、ドライバーが、黒い炎を制御しきれない。」
りんね「そんな、、」
アイザック「おい、マルガムだ!黒鋼先輩もいる!」
宝太郎「よし、まずはスパナを取り戻そう。」
ー大倉庫
スパナ(ウィールマルガム)とエンジェルマルガムの戦闘。
エンジェルマルガム「私は、死者を何度でも蘇生させられます。死の痛みも、苦しみも、何度でも。」
スパナ「黙れぇぇぇ!」
エンジェルマルガム「あなたのその憎しみ、もっと大きくして差し上げましょう。」
(再びスパナの両親が蘇らされる)
スパナ「やめろ、やめろぉぉぉ!」
(宝太郎たちも到着)
宝太郎「スパナ!」
(宝太郎がスーパーガッチャードクロスエックスレックス、りんねがマジェードサンユニコーンに変身)
(前にミナトが立ちはだかる)
宝太郎「ミナト先生、、」
ミナト「一ノ瀬。お前のカードも回収する。変身。」
(ミナトがドレッド零式に変身)
(仮面ライダー、エンジェルマルガム、ウィールマルガム、ドレッドの混戦に)
(ドレッド対ウィールマルガムと、ガッチャード・マジェード対エンジェルマルガムに分かれる)
ミナト「枝見鏡花の努力も無駄だったな。」
スパナ「何?」
ミナト「結局お前は、怒りと憎しみに飲まれて自分を失い、まるで力を制御できていない。このままだと、ただの醜い化け物になるだけだ!」
(ブラッドレインでスパナは変身解除。)
スパナ「ふっ、化け物か、、」
(鏡花・蓮華、錆丸が駆けつける)
鏡花「スパナ!」
スパナ「俺が、この力を使いこなせなかったばかりに、誰かが傷つくのを止められなかった。」
(スパナは、自分の前で傷つけられてきた両親、鏡花、そして宝太郎を思い返す。)
スパナ「グリオンに復讐するためなら、たとえこの身が」
鏡花「スパナ、お前の美学は?」
スパナ「、、、そんなものはもう捨てた。弱い自分のままじゃ、結局誰も守れない。」
鏡花「私は信じてる。お前ならきっと、自分の力を制御できる、」
スパナ「信じてなかったから隠したんだろ!、、だから、、、記憶を消したんだろ、、」
鏡花「それは違う。スパナ、お前は、」
スパナ「俺は、ずっと一人だった。いや、それでいい。」
(自分1人の力で黒い炎を制御すべく、黒い炎の力を完全に引き出そうとするスパナ。)
宝太郎「スパナ!」
(スパナの身体から激しい黒炎が燃え盛り、その流れ弾で宝太郎、りんねも変身解除。マルガムが作り出した両親も消滅。)
蓮華「なんや、これ、、」
(グリオンの高笑い)
グリオン「ついに完成するか。10年越しの、私のケミストリーが。」
スパナ「グぅリオぉぉン!」
(黒い炎が最高潮に達したとき、突如苦しみ出すスパナ。)
グリオン「やはり人間の身体ではこの程度か。ならば、死ね。」
(グリオンがスパナに冥国の力を注ぐ。)
スパナ「ぐっ、うわぁぁぁぁあ、う、うあぁぁあ、、、あっ、、」
宝太郎「スパナ!」
(スパナが死亡。爆発の衝撃で、ヴァルバラッシャーが飛んでくる。)
グリオン「器は破壊した。せめて、この炎だけでも頂くとしよう。」
宝太郎「スパナ、嘘だろ、、」
(仲間を失った衝撃に呆然とする宝太郎。)
鏡花「スパナ、、スパナ!」
(スパナの遺体から膨大な黒い炎が放出され、近づけない。)
アイザック「まずい、黒い炎が暴走してやがる、ここにいたら危険だ!」
宝太郎「でもスパナが!」
ミナト「、、、仕方ない。」
(レプリスチームライナーをドレインして一同を避難させる。)
ー新拠点
ミナト「ここならグリオンにも知られていない。ひとまず安全だろう。」
鏡花「スパナ、スパナ、、」
(スパナが残したヴァルバラッシャーを握りしめ、泣き崩れる鏡花。)
錆丸「、、ミナト先生」
(立ち去ろうとするミナトに声を掛けるも、無言で立ち去ってしまう)
(宝太郎はかつてスパナに言われた、「この世の秩序を守るために、何人もの錬金術師が命を落としてきた」という言葉を思い出し、戦いの過酷さを痛感し、絶叫。)
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