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悪役令嬢に転生したら…現代女性を映し出す鏡
よくインターネットを使っていると漫画の広告が上がってくると思います。
友達と一緒にスマホで何かを検索している時にドエロいのが上がってくると、何とも気まずい空気になりますよね…
イヤイヤ、普段見てませんからね!見てるからオススメ〜って出てるんやないですからね!!
悪役令嬢転生モノしか見てませんからね!!
え?
はい、私、悪役令嬢転生モノが大好きでして、読んでしまいますの。何作読んだか分かりませんわ。おーほっほ!
「モノ」と付けられるくらい、一つのジャンルになっています。テンプレートと言いますか。
ご存知ない方の為に、少しばかりご紹介して差し上げますわ。
まず、主人公の女性は現世で不幸だったり、しがない社畜だったりします。それが突然、不慮の事故や過労で死んでしまい、目が覚めると生前よく読んでいた恋愛攻略小説やゲームの世界に転生しているのですね。
それもヒロインではなく、ヒロインを虐める悪役令嬢に!やだ、よりによって悪役令嬢に!?
そして思い出すのです、ストーリーを…
その悪役令嬢は皇太子の婚約者であったりします。
でも、ヒロインと皇太子がくっつかないとハッピーエンドにならないのですね〜。
自分と皇太子がくっついたり、あまりにヒロインを虐め過ぎたりすると、バッドエンドが待っています。断罪イベント発生!てな訳ですわ。
それは何としても回避したい!何とか静かに目立たずやり過ごす&皇太子とヒロインの恋を応援する、をしたら断罪イベントは回避できるんじゃないの!?
待って、今日は何日?断罪イベントまであと一年あるわ!
ペンペン!!
てな訳で!(講談師か)
自分も皇太子には想いを寄せているのに、その想いを隠しながら、世界のため、愛する皇太子のために悪役を演じ切ってみせますわ。オーホッホッ!とストーリーがスタートする訳ですねぇ。
ここまでは大体どの作品も同じような感じで進みます。
悪役令嬢が空回りして本当は良い人なのを皇太子にバレてしまって逆に好意を寄せられてしまい、どうすればいいのー!?ってなる展開も好物ですわ。
しかしここら辺りからストーリーの方向性が分岐していきます。
人気が出た作品の宿命とでも言いましょうか…
突然、魔法が使える世界設定になっていて、隣国との戦争が勃発したり、神の手(物語の作者)とのバトルに展開したり…
悪役の設定が薄れ、皇太子と普通に接したりしてしまうのよ。
そうじゃなくて!!
私は、不器用で空回りした悪役令嬢が、自己犠牲で切ない想いをしながらもハッピーエンドになるところを見たいのよ!!
なぁ!皆んなもそう思うよなぁ!!
ショートストーリーでいいんだよ!!
ハァハァ…
さて、ここで考察してみましょう。
なぜ悪役令嬢転生モノがウケるのか。星の数ほど作品があるのか。よく似ているのに売れるのか。
女性のみなさん、一昔前まではやはりシンデレラストーリーが基本的に好きだったんだと思うのです。
虐げられていたけど、お姫様になりました〜てな。
耐えに耐えた末にハッピーエンド。
いつかこの酷い家から出てみたいわ…と思いながら具体策もなく耐えているだけなんよ。
努力してスキルアップして自分の力で掴み取る少年ジャンプ的(努力・友情・勝利)なものではなく。
そしたらなんや偶然にも白馬の王子様がやってきて、酷い家から救い出してくれるんやな。
それは女性が長らく置かれてきた立場があるからだと思います。
社会的に自立させてもらえなかった、権利などなく、ただ家の為に尽くすのが美徳とされてきた長い長い歴史。
しかしその状況をいっぺんにひっくり返す白馬の王子様。
それは結婚という名の家から出る唯一の方法であったのかもね。しかし出た先でも地獄は待つのですが…
シンデレラは王子様と結婚できましたが、貧乏ではなくなったかもしれないけれど、王子様の親と折り合い悪かったら地獄ですわな。。
そしてヒロインにはいくつか条件があります。
どんなに苦しくても、心は清く正しいこと。
そして容姿に恵まれていること!!
共感できるのかねっ!君たち!!
と、私は声を大にして言いたい。
それが悪役令嬢ときたら!
状況を打破する為に色々と策を練って、努力し、芝居もしながら、自分の恋愛感情よりも愛する皇太子の幸せ、世界平和を願って行動するのですよ!
目的のためなら悪役でも構わなくてよっ!!くっ
泣かせるじゃないか。
それは大いなる愛。博愛、慈愛、母性愛。
この世界は私が守る!例え賞賛されなくとも…
そこが男性と違うところかな〜なんて思いますね。
自己犠牲だけではない、他力の玉の輿だけでもない、進化した女性の立場。
シンデレラも少し引きずりながら、新しい女性像を映し出しておるんやないかとアタクシは感じてましてよ。
ご清聴ありがとうございました!