働き始めて、尚更無駄が美しく見える
はじめに
4月から、社会人になった。
高校生から抱いていた夢を仕事にできた。
田舎で生まれた私が抱いていた社会人の姿。
まさにその未来を現実にした。
4月からの4ヶ月半は怒涛のように過ぎ、毎日の繰り返しにも慣れていっている。
学生時代に心配した朝の目覚めも、アラーム三つを駆使し成り立たせている。
充実した毎日で、日々新鮮な仕事を知り、人と出会った。
何も文句はない。
素敵な人たちと働き、自分のやりたいことをやって、お金をもらってでもなんだかモヤモヤしている。
このモヤモヤは今後無くなっていくのだろうか。
私は多かれ少なかれ、すべてのサラリーマンがこの感情を抱いて言語化できずに日々を送っているような気がしている。
本に出会う
本屋で人気の「働いているとなぜ本が読めなくなるのか」を読んだ。
なぜ読めなくなるのか、なぜ私が本を読まなくなったのか、簡単に答えを求めたくなり私はこの本を買った。
結論
仕事に全身でコミットすると余裕がなくなり、「欲しい情報=答え」以外の「ノイズ」を邪魔だと感じるようになってしまうから。
結論はこうなのだけど、この本にはその結論がなかなか出てこない。論文を読んでいるような気分になった。
この過程こそがこの本の楽しませたいノイズな気がした。
この本の旨み
初めは、なぜ本が読めなくなるのかという答えを欲しがり読み始めた。
でもいつの間にか、日本のこれまでの労働と読書の関係の歴史について面白く読み進めていた。
途中、なぜ本が読めなくなるのかなんてどうでも良くなって本に夢中になっていた。
よくある自己啓発本とは違い、なんだか嵌められたそんな気がした。
全て筆者の手の中にあり、転がされた。そんな気がした。
たくさんの旨みを、ノイズを吸収しながら人生を贈りたい。
人生はきっと短いようで長いのだと感じた。
無駄が1番贅沢で美しい