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V27為になる本 『P&G式10の習慣』
by 杉浦 莉起 著(元 P & G 社員)
P&G社:本社USA 世界最大の消費財メーカー
売上 約7兆円
時価総額 16兆円(トヨタ12兆円)(2012年現在)
第1章
習慣1:まず、目的を決めてから動く
メリット1、自分の頭が整理される
2、やるべきことの取捨選択ができ、効率が上がる
3、目的を達成する為に何をどうすればよいかを
考えるので、成果が出る
〜Point〜
◎ 目的は事業の使命(mission)からズレていないか?
〜 P&Gのmissionは「消費者がボス」〜
◎ missionは、思考や行動すべてを規定する「軸」
◎明確な目標値で、着地点を共有し、チームを統合できる。
(目的と目標値はセットで設定)
習慣2:前向きな言葉
◯ダメ出しより、何が成長したか、達成できたかを
言えるコト・モノを掘り出す。
◯「なにが正しいか」は「誰が正しいか」よりずっと重要!
習慣3:フィードバックの言葉
◯成長する為の言葉を出す
◯貰う作法は、フィードバックの価値を見出し、感謝する
第2章
習慣4:「消費者がボス」顧客思考で考える
習慣5:リーダーシップとは影響力
◯物事を推進し、達成する為に英協力を発揮する。
習慣6:「万が一」を事前に想定しておく
◯スピードと正確さを優先する
第3章
習慣7:「1ページメモ」にする。
◯1枚の効果
・早い決断を可能にする
・「口頭でコミュニケーション」より正確
・いいメモを保存して、誰でも「マネする」が成長の早道
習慣8:他人の成功体験を、徹底的にマネする
◯成功体験を他の人の分まで増やせる
◯みんながマネできる。
◯失敗も成功の為の学びである、共有で再発を防ぐ
◯成功体験を仕組み化する。
習慣9:「量」より「質」の時間管理 〜時は金なり〜
◯時給計算式 年収➗実労働日数➗1日の実働時間
◯自分の時間と他の人の時間、チーム全体の時間で考える
◯ワークとライフを右肩上がりに管理する
〜ワーク目的ライフ目的を明確にして優先順位を決めておく〜
◯Project TeamのスケジュールはProjectで管理する
習慣10:上司をマネジメントする(ボスマネ)
◯中途半端な相談は上司も迷惑(目的を明確に!)
◯上司の答えを「イエス」か「ノー」で済むようにする
◯上司は会社が与えてくれた貴重な資源として活用する!
★上司の7つのパワー
1、夢実現パワー
キャリアの実現を共に考え、目的達成の支援
2、能力開発パワー
査定時に成果や能力を評価し、伸ばしてくれる
3、トラブル処理パワー
クレーム処理や問題発生時の謝罪など矢面に立ってくれる
4、監督責任パワー
前進させる為に承認し、責任を負ってくれる
5、無料相談パワー
無料でアドバイスやフィードバックをくれる
6、お偉方人脈パワー
社内外のお偉方の紹介や交渉をしてくれる
7、チャンス拡大パワー
上司の仕事に関わるコトでより大きな仕事に
関わるチャンスが拡がる。
kentakunte私見
P&Gがアメリカに本社を置く世界一の消費財メーカーであることは、もちろん私も知っている。P&G社員が優秀であるコトは、友人だった某社役員の知人が P&G社員であったことから知己を得ていた。
本書は、P &Gの社風や社員育成の仕方など実践を通じて得られた貴重な情報である。
尚、著者が女性である為、部下の心情や良き上司の観察も微細に渡っている。
ex, 部下の気持ちを「あなただから」と一言添えて、気持ちよく協力を得る方法や「あの人とまた一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるメールの使い方、また「ダメ出しも、まずは肯定する」第一声は「感謝」と「褒める」が鉄則!などの手法と風土が織り込まれている。
聞きやすい状況を作るコトが優先されているようだが、「優しい」は、このままでもいいという気持ちにさせてしまわないだろうか?
特に中小企業は育成のスピードが重要であり、「ゆるい」組織よりspeedyな成長ができる組織風土が求められるのではないだろうか?余裕のある大企業との格差にいささか、この部分だけが違和感を感じる。
2024、Feb.9 kentakunte