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焼きそばとカレーうどん

いきなりおいしそうなタイトル写真ですが、焼きそばとカレーうどんどちらが好きかと問われるとかなり悩むかたもおられるかと思います。
自分もそのひとりではありますが、それぞれの懐かしい思い出の味が脳裏に浮かびます。

病院に勤めていた約30年前、木曜日と土曜日の半日勤務の日には外食して帰ることが日常になっていました。
職場近くは住宅街でありながらも、海に面した国道沿いをメインに所々飲食店がありました。
しかも安くておいしいのです。

私がいつも行っていたのは、国道には面していない住宅街の中にひっそりとある昔ながらの引き戸のうどん屋でした。
同じ職場の女性たちの行きつけのうどん屋さんが近くにあり、そこも生姜の効いたけいらんうどんがたまらなくおいしかったのですが、隠れ家的なこちらのお店がひとりでふらっと訪れやすく、私の一番のお気に入りでした。 
古い記憶ですが、両親よりも上の年代のご夫婦が切り盛りされていたと思います。

古い木のテーブル席に座ると、必ずカレーうどんを注文しました。
カレー濃厚なカレーうどんではなく、とろみが少なめのだしが主役のカレーうどんでした。

もうひとつ当時2回訪れたのみですが、忘れられない飲食店があります。
当時の職場の最寄り駅から、大きな商店街とデパートのある賑やかな隣の駅までを気分転換に歩くことがあったのですが、その間の住宅街にランチ営業をしている喫茶店がありました。
初めて訪れたときに「日替わり定食で。」と言うと、おばちゃんが「ごめん、焼きそばしかないわ。」と返すやり取りがあり、かなり落胆したのを覚えています。
今思えば半日勤務といっても、実質昼の1時過ぎまで働いていたので、そこからの40分後くらい。日替わり定食が切れていたとしても無理はないでしょう。

けれど、ご飯と一緒に定食スタイルで出してくれた具材たっぷりのソース焼きそばが家庭的な味でおいしく、2度目に訪れた際には敢えて焼きそばライスを注文しました。

それから間もなく、神戸の街を未曾有の災害が襲いました。
うどん屋は家屋の倒壊の激しい地域にあり(該当店舗が全壊だったかの記憶は曖昧ですが、震災の影響で営業は終了したと記憶しています)、喫茶店は焼失し、その後営業が再開されたかは不明です。

おそらくもう一度いただくことは難しいですが、思い出のフィルター抜きでこれまでで最高の焼きそばとカレーうどんでした。

※写真はイメージです。





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