すぐ使える「テーマ設定」ほいほい
ども。
愛媛県西予市の堀内です。
さて今日は「テーマ設定」について。
広報の特集テーマ、何にしようか悩んでいませんか?
わたし、結構悩んでました。
何なら現在進行形で、広報LABのテーマにも悩んでます。
毎日の夕飯メニューにも悩んでて、周囲に「昨夜、何食べました?」「簡単にできるおすすめレシピありません?」と聞く日々です。
ということで今日のテーマは、すぐ使える「特集テーマ設定」ほいほい。
テーマさえ決まればスイスイ進み始めることってありますよね。
この記事が、業務効率化やヒントにつながりますように。
特集テーマ設定の視点は、大きく分けて次の5つです。
1.季節にあったテーマ
クリスマスやバレンタインの時期になると、お店もCMもそれ関連の情報にあふれる、これって全世界のあるある。
なぜって人々の関心が向くことだから。
では、人々が求めるものを差し出せたならどうなるか?
受け取られやすいし、拡散されやすいし、行動(消費)につながりやすい。
需要と供給の関係で、どちらともがうれしい関係になれますね。
これを自治体広報の特集テーマに落とすとどうなるかというと…。
当月号でシーズンにあった特集テーマを発行するには、前月・前々月から取材編集をする必要があるので、前もって計画的にね。
2.地域の伝統行事
そもそも、なぜ広報で特集を組むのでしょう。
他の自治体がやってるから?
前任からの引継ぎだから?
全国コンクールで入選したいから?
あなたのまちの広報で、特集を組む理由や目的は何でしょうか。
西予が特集を組む理由を要約すると「このまちで暮らす人たちに光を当てることで、話題の創出や活動の広がりを生み出し、暮らし続ける希望やまちの活力へとつなげるため」でした。
だからこそ、伝統行事も積極的に取り上げています。
だってそこには、長年脈々と受け継がれてきた「熱い思い」や「誇り」があるから。
取材し、取り上げることでシビックプライドの醸成……というのは格好良すぎるな、ついつい「シビックプライド」とかっこいい言葉を使ってしまいましたが、ありのままの思いで言うと「私らかっこいい!」「まだまだやれる!」「もっとやろうや!」「私も加わりたい!」という人を生み出して、この地で暮らす人とまちをもっともっと元気にできたらいいなと、そう考えていました。
地域の伝統行事を取材すると、普段は穏やかなおっちゃんがヒーローみたいに、陽気なお母さんがマジシャンみたいに見えるかもしれません。
そういう瞬間、シビれますね。
3.社会問題・課題
人権、介護、男女共同参画、SGDsなど、全国ニュースでも取り上げられている事項が、自分のまちではどう課題となっているのか。
上げづらい声を拾い、丁寧に取材し、特集にすることで、このまちで生きづらさを感じている誰かを救えるかもしれない。
理解が進むことで、より生きやすくなる手伝いができるかもしれない。
このテーマがとびぬけてうまい自治体は…
静岡県島田市さん。
(鈴木さん、見てますかー☺)
特集テーマとしての難易度は高いですが、理解促進や行動変容を生み出せる、とても意義が大きいテーマです。
広報で救われる人がいるって、貢献度も大きいですね。
社会問題が、自分のまちではどう課題となっているのか。
それを解決するために奮闘している人の声や、当事者の思い、専門家など第3者の目線を入れて構成すると「行動変容」にまで落とし込める紙面になりそうです。
4.地元の人の活動にフォーカス
西予はまちの人が元気。
今も、市内には27つの地域づくり組織があって、その地域ごとに特色ある「何か」をして地元を盛り上げようと奮闘しています。
ほんとすごいの。
まじ尊敬。
そんな人たちを特集に取り上げることで「あの地域ではこんなことしよるんや」「私らの地域でもやってみようや!」と元気が波及することを狙って、地域の人たちの活動にフォーカスしていました。
アクションを起こした地域を取り上げる→ほかの地域にも「やってみよう」が波及する→紙面に取り上げられた人も地域もますます元気になる→まちが元気になる
という好サイクルを生み出したいなぁと。
「元気になる」とふわっと表現していますが、つきつめて言語化すると「行政に頼らない持続可能な人流・収益・にぎわいの創出を、活気を伴って地域自身が生み出せるようになる」と認識していました。
きっと全国どこのまちにでも、地域を盛り上げようとがんばっている人、何かしようとアクションを起こしている人はいるはず。
その人の思いや行動を探して、見つけて、ぜひ取り上げてみてほしいと思います。
取り上げた地域から広報にもリアクションが返ってきて、広報自身のやりがいにもつながりますよ。
そういえばかつて「光の当たらないところに光を当ててこそ広報だ」と言ってくれた上司がいました。
「うちのまちは西予ほど人が元気じゃないし…」という言葉をいただくこともありますが、見えづらいところで頑張っている人に光を当てるのも広報の仕事、醍醐味。
なのでまずは、情報収集からレッツ・スタート。
情報収集の方法はこの記事参照↓
https://note.com/brave_aster517/n/nc66834b0353b
5.行政課題
これは「3」ともリンク、重複しているかも。
空き家問題や人口減少、高齢化や少子化など、行政課題も重要な特集テーマ。
ただ、切り口を工夫せず真正面から取り上げてしまうと、行政臭がプンプン香り立ってしまって、受け取られづらくなってしまいます。
「ジブンゴト」にされないと、読まれないしね。
ちなみに、5の「行政課題」と1の「季節にあったテーマ」を融合させ、かつ行政臭なく、秀逸な手腕で見事に特集していた号はこちら。
https://www.town.uchiko.ehime.jp/uploaded/attachment/104679.pdf
気温も下がり、運動やダイエットに興味を持ち始める秋。
スポーツの秋。
愛媛県では11月某日を「えひめサイクリングの日」に制定して、県下全域でサイクリングイベントを行っています。
しかもE-BIKE活用促進やサイクリング普及は、愛媛県の観光担当者ではミッションの1つ。
スポーツで健康寿命を延ばす、という課題にもひっかかりそうですね。
「広報うちこ」特集の着地が、サイクリングツアー募集ということで、行動動線も鮮やかでした。
余談
今回は今すぐ使える「テーマ設定」にテーマを絞ってみましたが、いかがだったでしょうか。
どなたかお優しい方、テーマ難民のワイに、広報LABでのテーマを授けてくださらんでしょうか……(切実)
さて、余談ですが、うれしかったこと。
都庁で西予市の観光PRしたときの様子が朝日新聞に掲載されました。
「まちの名前すら読まれない」という自虐風味な発信がおもしろかったとか。
記者の戸田さん、素敵な記事をありがとうございました。
https://www.asahi.com/articles/ASR8Q7S0NR87PTLC016.html
幾分過ごしやすくなってきたけれど、気温差の激しい季節。
おいしいものを食べて、温かくして、体調第一に自分のがんばりを誰よりも労わってあげようね。
では、またね!