諦めと悟りの境界線を生きる・魚座の新月
今日は魚座の新月です。新月とは、月が地球と太陽の間に入り、一直線に並ぶときのことです。この日に生まれた人は、太陽星座も月星座も魚座になります。太陽星座とは、自分の星座を「私は魚座です」と言うときの魚座のことです。太陽星座はホロスコープを詳しく見なくても分かるので、簡単です。しかし、太陽星座以外の星座は、詳しく見ないと分からないのです。
ただし、星座が変わる日は、正確に調べないと分かりにくいです。例えば、2024年の東京では2/19の13:13から太陽は魚座に入ります。そのため2024年2/19生まれの人は、13:12までは水瓶座、13:13以降は魚座となります。星座の境界線付近に生まれた人は、自分の太陽星座を一度、確認することをおすすめします。
すっかり恒例となりました生成AIのMicrosoft Copilotによる解説です。この解説の一部に魚座ならではのユニークな突っ込みを入れながら、より魚座的な解説を補足してみたいと思います。
「無邪気なわがままもご愛嬌で許される」
確かに魚座は純粋で警戒心がないので、しばしば無邪気なわがままを言います。しかし時や場所を選ばないため、ご愛嬌で許されない時もあります。特に、コンプライアンスに厳しいシビアな時代には愛嬌ではすまされない場面もあるでしょう。そんな時は、かなり激しく落ち込み反省をします。しかし、再び無邪気になった魚座は、同じことを繰り返していくでしょう。
「弱いものや暗い場所にあるものに惹かれる傾向があります」
魚座は基本的に弱者、敗者、失敗、苦悩、コンプレックスといったことに惹かれます。「それは優しいから」と言われることもありますが、魚座からみると単純に好き嫌いの好みでもあります。「失敗はチャレンジの証」や「苦悩は成功をより美しく彩るプロセス」と考える獅子座や射手座とは異なり、魚座は単純に成功に魅力を感じないのです。また「過去一番の失敗はなんですか?」と聞かれた時に「会社をクビになった」ことより、「昨日の夜21時以降に炭水化物を食べてしまったこと」と答えるのが魚座らしいリアクションです。
「先入観がなく相手を信じやすい」
どんな人に対しても「判断」をしないのが魚座です。三次元的な優劣はもちろん、ルッキズムや信用を損なう行動をした人に対しても、偏見なく接することができます。そのため、時々、周囲の人から「なんであの人と友人なの」と指摘されることがあるでしょう。天秤座や水瓶座であれば「平等主義なので」と答えるでしょうが、魚座は特に何も感じないのです。また、どんな人に対してもポジティブな面を見出します。この才能はもはや伝統芸の域です。ちなみに、相手を信じ、その結果、騙されたとしても、騙されたと思わないのも魚座の特技でしょう。「人を信じられなくなった」という言葉の意味がわからないのが魚座です。
「自分を犠牲にしてまでも、相手のために何かをしようとする」
犠牲を犠牲と思わないのが魚座です。そのため犠牲心が報われない時でも「あの人のために、こんなに頑張ったのに」とは思いません。また、困っている人や悩んでいる人には反射的に吸い寄せられていきます。「無償の愛」を持ち合わせているとも言えますが、「悩んでいる人は美しい」と感じるのが魚座らしい感受性です。
このように、魚座には大事を大ごとととらえない性質があります。たいていどんなことでも「しょうがないね」で片づけることができます。「だって、この世は所詮、諸行無常だし」「だって、形あるものはいつかなくなるから」こんな身も蓋もない言葉を平気で使うこともあるでしょう。世の真理なのかもしれませんが、社会性という点では難があります。
魚座は12星座の最後に位置します。
12星座は、牡羊座から始まり、自我の発達を表す5つの星座(牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座)と、社会との関わりを表す5つの星座(乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座)を経て、水瓶座で社会から自由になります。魚座はその後に続く人生の余白であり、「おまけ」のようなものです。そのため、魚座は「人生に意味などない。ただ生きているだけでいい」といったような人生観を持ちやすい傾向にあります。それは諦めとも悟りともつかない境地です。
その割には、私の知っている魚座はそんな達観した感じではない!
と思われている人も多いかもしれません。確かに、経済欲が強い魚座もいれば、野心の強い魚座もいますし、負けず嫌いの魚座もいますし、反社会的な存在の人もいます。こうした人たちは、どのように考えればいいのでしょう?
その大きな要因として、「あらゆるものに染まりやすい」という魚座の特徴があげられます。「染まりやすい」「影響を受けやすい」というと、ややネガティブな印象を受けるかもしれませんが、「何者にもなれる」というのは魚座の最大のストロングポイントでしょう。
これはMicrosoft Copilotに「魚座に向いている仕事」と聞いた時の回答です。おそらく一般的な魚座のイメージはこんな感じでしょう。しかし、実際にこうした職業に魚座が多いかというと決してそうでもありません。警察官にも、アスリートにも、公務員にも、工場で働いている人にも魚座は存在します。
どんな仕事であっても、その職業に、その会社に、あるいはお客さんに、必要とされるのであれば、適応してやり切る力があります。魚座的に表現すると「適応」より「憑依」の方が正しいのかもしれません。何かが降りてきたかのように、与えられた役割を全うします。いずれにしても、その時の力強さは、普段の魚座には見られない壮大なエネルギーを発揮するでしょう。
そんな魚座を太陽に持つ人は、川の流れのように、運命に身をゆだねながら生きる人が多いでしょう。核や柱、あるいは強さを持たなくても満ち足りた人生を生きることができます。金星を魚座に持つ人は、人でも物でも商品でも、「好き」という愛情を伝えることに喜びを持つ人が多く、火星を魚座に持つ人は、古い傷を癒すことや過去の思い出が蘇ること、また時間軸を超えることでエネルギーが湧いてきます。水星を魚座に持つ人は、イマジネーションに溢れた頭脳構造をしています。そのため頭の中を整理し過ぎず、いつもガラクタ市のように少し散らかっている方がいいでしょう。
「新宿の歌舞伎町が好きなんだよね」
これは、太陽星座/魚座のわたくしが、占星術のお話会などで時々、口走る言葉です。歌舞伎町で何をするというわけではないのですが、雑多で混沌とした環境にいると、精神が落ち着いていくのがわかります。学生の頃から学校が近かったので、金星期には不適切な遊びをよくしていましたが、火星期になり辛いことが増えてくると、心を癒す場所に変っていきました。特に、深夜のカフェは、ダウンしたエネルギーが少しづつチャージされてくるパワースポットでもありました。
魚座は物事を整理し過ぎると生きずらい生き物です。仕事は常に複数以上の案件に追われ、雑多なことと重要なことが混在している方が進めやすかったりします。また、土星期に入った今でも、就寝時間や起床時間も一定ではなく、体重も増減が激しく一定しません。毎月の予定もスマホのアプリより、旧来の手帳に乱筆のメモの方がリズムを作りだすいのです。人間関係も、依存しているのか自立しているのか、感謝しているのか甘えているのか、好きなのか嫌いなのか、よくわからないものが多いものです。
またわたくしは水星星座も魚座なので、街中のカフェのような様々な人が出入りし、雑多な音が入り乱れるような場所の方が、頭の中が整理されたり、自由で楽しいアイデアに溢れることが多いのです。実はこのコラムも、久しぶりに歌舞伎町を訪れ、ゴールデン街に近いタイ料理&バーのような謎の店で書いています。そういえば、「歌舞伎町セブン」(誉田哲也・著)のバー「エポ」はこの近くだったなとか、「新宿鮫」(大沢在昌・著)で鮫島と晶がたまに行く店はこのビルだったんじゃないかとか、現実とフィクションが混在するとなおさら直感が冴えてきます。
目の前のテーブルに座る20代の二人連れは、どちらが男性かどちらが女性かわかりません。一仕事終えた会社帰りのスーツ姿の人もいれば、これから出勤するバッチリメイクの女性もいます。どこの国の言葉かわからない会話、どうみても真っ当ではない人、いたって普通のウエイトレス。様々なものが入り混じった環境だと、ひらめきが宝のように湧いてきます。ただ、魚座は宝石もガラクタも同じように集めるので、「どこまで物になるか」は全くわかりません。
編集後記
書く場所が良かったのか、私自身が魚座を持つからなのか、実は魚座のコラムは一時、2万文字を超えてしまいました。書きたいことが次から次へと出てくるのです。ただその大半が、私自身の過去の出来事や心境の振返りで、さながら私小説のような趣になってしまいました。魚座はたやすく過去に戻ることができ、また全てを網羅しようとする癖があるので、2万文字でも収まらなくなったので、撤収しました。小学校の下校の帰り道で、いつも貧血気味で顔色が青く友達がいないT子ちゃんとのたわいもない話、高校生の時に「ジャニーズでもぱっとしないグループで、目立たない4番目くらいにいる子みたい」と指摘するN美との会話、バリバリの経営コンサルタント会社時代での気合の入った昭和の会議で、いつも「何を話そうか」と困っていた時の話、などなど極めて魚座らしいネタはたくさんあるのですが、それはまたの機会にしようと思います。