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SOLAR EHEMERIS #1 2022年蟹座の時期の惑星の配置「水の動力を発動し、内面の器を拡大する」

「太陽が最も高い位置にくる夏至」
12星座によって構成されている360度の輪には、大きなポイントが4つあります。それは「春分―秋分」と「夏至―冬至」という二至二分です。これらのポイントは、古代から季節の節目として、様々なお祭りや儀式が行われてきました。

夏至は太陽が双子座から蟹座に移動する日です。今年は6/21(火)18時14分に太陽が蟹座に入り夏至を迎えます。日の出の時刻は午前4時25分と最も早くなり、太陽が南中する位置も最も高い場所になります。

東京(北緯35度)では、太陽の南中高度が78度にもなり、まるで真上から照りつけているように感じます。そのため、深い井戸や湧水源といった、日ごろ光があたらない場所にも、太陽の光が差し込むようになるのです。蟹座の季節が「光の季節」と言われる由縁はここにあります。

また、太陽の位置が高いため、満月の時の月は一年で最も低い位置で形成されます。夏至前後の満月がストロベリームーンと言わるのはこのためです。太陽の光が月に届くまでの(地球の大気を通過するまでの)距離が長くなり、波長の短い青い光が地球の大気により散乱され、散乱しにくい波長の長い赤い光が残るからです。ちなみに、空が青いのもこの理由からで、青い光が散乱されて青く見えるのです。

「水の動力源を持つ蟹座」
蟹座は、活動宮という分類に属します。
この活動宮というサインは、「始まる」「動く」という性質を持ちます。そのため、蟹座は基本的に、行動が早く、物事を活性化し、活力を与える資質を持ち合わせています。同時に集団の心象を大事にし「共感共鳴」という現象を通して、自分自身が帰属する場に活力を与えることができるのです。

活動宮は、蟹座、牡羊座、天秤座、山羊座の4つのサイン。
それぞれ、動く時の「動力源」が異なります。
牡羊座=ひらめきや衝動が原動力
天秤座=何かを絶つことが原動力
山羊座=共同体に対する貢献点を見出すことが原動力
蟹座=心の中の溢れる思いが原動力

「感情の力で動く」というのは、身近な例では「好きだから」「楽しいから」あるいは「嫌いだから」「腹がたったから」といった気持の動きが、アクションの動機となります。もう少し大きなことでは、「溢れる思いを押さえられない」といった感じに、理性や理論を超えて動くことを感情は促してくれます。情報分析や客観性といった「正しい判断力」で動く天秤座や、現実をみて、結果を優先し、「堅実に動く」山羊座と比べると、蟹座の動き方がいかにドラマチックなのかがわかります。

こうした蟹座の「水の動力源」は、「共鳴現象」を引き起こします。その結果、主体となる人の思いが、多くの人に内面に響いたり、感情を揺さぶったりすることで一体感が生まれ、ムーブメントを引き起こすのです。理論や理性によって結ばれた結束力よりはるかに強いものを作りあげられます。

しかし、感情の動力は必ずしも、ポジティブなものばかりではありません。他者を傷つけたり、自分自身の弱点をさらけ出したり、何かを壊したりすることもあります。そのため、蟹座の持つ「水の動力源」は、諸刃の剣でもあるのです。ただ、ポジティブな面しかもたないものはこの世には存在しません。特に、感情という人の機能は、極性の振れ幅が強いものです。そのため、蟹座の時期といのは、内面が活性化しやすく、大きな心のふり幅を持った季節となりやすいものがあります。

「心の声に耳を傾ける・蟹座の新月」
夏至から8日後の6/29に新月を迎えます。この新月から蟹座の時期の本格的な始まります。2022年の蟹座の新月は蟹座9度のサビアンシンボルは「水の中の魚へと手を伸ばす小さな裸の少女」です。このシンボルは、蟹座の真骨頂である「内面に対する共感共鳴力」を表す度数です。

どのサインであっても、9度という度数は、そのサインのパーソナルやポリシーを明確に表しています。そのため、サインの9度を太陽や月に持っている人は、純粋なサインの気質を明確に表している人が多いように感じます。

蟹座の一つ前の双子座では、言葉によるコミュニケーション手法を取得しました。しかし、蟹座の段階では、言葉の裏側にある心の在り様であったり、行間に溢れている心象を理解することを大事にします。双子座にとって言葉は記号ですが、蟹座にとっては詩の一部なのです。

そのため、その言葉の背景にある心情を感じることや、行動や成果といった現象面ではなく、内面と向き合うことが、何かを始める時に大きな意味を持つようになるでしょう。

「内的動機の到達点・山羊座の満月」
その約2週間後の7/14に満月になります。
今年の蟹座の満月は、太陽が蟹座23度でサビアンシンボルは「文学会の集まり」です。23度という度数は「育ててきたものを実際の社会で活かす成熟した姿」を表す度数です。小さな少女が育ててきた蟹座らしい心の世界は、成熟した大人になると文学会へと形を変えていきます。

この「文学会」は、文明(ビジネス)より文化を大切にする共同体であることを象徴しています。それに対して、月の配置である山羊座23度は「戦争での勇敢さをたたえる二つの賞」です。この「戦争」といのは、文明の象徴です。社会の第一線で頑張ってきた(文明の発展に寄与してきた)山羊座をたたえる意味がります。また「二つの賞」とうのは「物質的な面」と「精神的な面」の両面での成熟性を表します。

活動宮は23度で最も成熟した姿を見せます。山羊座の場合、文明に携わる共同体としてのピークであり、蟹座の場合は文化的な暮らしのピークを象徴しています。

そのため、この新月満月の度数は、「心の声にしたがったはじめたことは、いずれ成熟した帰結点を迎えるでしょう」と読み解くことができます。

今年の夏至は、取り組みはじめたことに対して、成熟した成果を見出すことができるはずです。しかし、この結果の捉え方というのは、難しいものです。定量的な成果を計るのは簡単ですが、はっきりとした形にならないもの判断することは簡単ではありません。そのため、成果や結果に対しては、いろいろな角度で検証してみることが大切です。

「自立した生活の中で見失いやすいもの」
蟹座の前のサインは双子座です。双子座は風のサインですが、12サインは必ず風の後に水がきます。この12サインの並びは、必ず前のサインの弊害を補う性質を持ちます。双子座(風)の弊害とはどんなことでしょう?

風の弊害とは、全ての柵を絶ち過ぎることです。風は本来、柵から解放され自由と自立を手に入れます。「風の時代」と言われるように、現代はこうした柵からの解放を後押しするような価値観に溢れています。その機運を上手く活した自由と自立をサポートしてくれるビジネスも発展してきました。

太陽が天秤座で、月が双子座のある女性が、「私は故郷(実家)との関係を絶って、会社も辞め、離婚もしました。東京で一人で生きていますが、何の不自由もなく、断捨離フルコースを堪能しています」と言っていました。風の資質を生きているともいえますが、そのパーソナルを時代性が後押ししてくれているのも事実でしょう。

ただ、風はそうした何ひとつ不自由のない自立した環境の中で、心を見失いがちです。それ対し、水はどんな柵の中でも、生きていくことができ、その環境の中でも心を見失うことがありません。ちょっとグズグズするようなことは、よくあることでしょうが、自分自身の心やその原点となるソウルを、どこかに置き忘れてくることはないでしょう。そこが水の最もすぐれている点です。

東海 豊

占星術に関するコラム
SOLAR EHEMERIS
「毎月のサインに関すること」や「その時期の星の配置から読み取れること」を書いています。基本的に1ヶ月に1本。天体の配置全体を網羅するのではなく、興味深い配置に取り上げ、そこを掘り下げています。

Rebirth -12サインの風景-
以前に某雑誌のコラムで掲載した「12サインの個性」をリメイクしたものです。テーマや題材は8年前のものですが、そのテーマを今のスキルや心象で加筆修正をしました。雑誌に掲載されたわりには、当時はあまり読まれませんでした。それでは浮かばれないので(笑)、リバイバルしてみました。こちらも太陽サインにあわせて掲載していきます。

Modern Guide of Astrology
出生図の中の一定の箇所をピックアップして、その読み方を深堀りしていきます。例えば「7ハウスの天王星と冥王星」や「12ハウスの射手座の金星」など。テーマを限定して、惑星、サイン、ハウス、アスペクト、それに時々サビアンシンボルを交えて読み解いていきます。また、サンプルは実際のクライアントさんです。多くの出会いに対する感謝の意味も込め、また、それぞれの方々の人生に対して敬意を払いながら書いていきたいと思います。1年に8本~10本、書けたら、いいな。

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