ネオジオポケットの全貌：初代機から、バージョンアップ機の進化の歴史とその魅力
１．ネオジオポケット（NEO GEO POCKET）
① 発売日：1998年10月28日
② 特徴
・ネオジオポケットはSNKが発売した最初の携帯ゲーム機です。白黒表示の反射型液晶ディスプレイを採用し、非常に長いバッテリー寿命が特徴です。
CPUには、16ビットのカスタムZ80互換プロセッサを搭載しており、シンプルながらもスムーズなゲームプレイが可能でした。
・ボタン配置は、方向キーとA、Bボタンのシンプルな構成で、携帯性を重視したコンパクトなデザインが採用されています。
③ 対応ソフト
・発売当初は、ネオジオの人気キャラクターを使用した『餓狼伝説』『キング・オブ・ファイターズ』などのゲームがリリースされました。これらはコンソール版とは異なる、ポケット向けの軽量バージョンでした。
④ 欠点
・カラー液晶が主流になりつつあった時代において、白黒液晶のため、他の競合機種と比べて視覚的なインパクトに欠けたことが、市場での評価を下げる原因となりました。
⑤ 次世代機発売までの期間
・初代ネオジオポケットが発売された1998年10月から、次世代機であるネオジオポケットカラーが発売された1999年3月まで、約5か月間の期間がありました。
２．ネオジオポケットカラー（NEO GEO POCKET COLOR）
① 発売日：1999年3月16日
② 特徴
・ネオジオポケットカラーは、初代ネオジオポケットの後継機として登場しました。最大の進化は、カラー液晶の搭載です。カラーバリエーションは160色の表示が可能で、当時の他のカラー携帯ゲーム機に対抗するために開発されました。
・筐体のデザインも改良され、エルゴノミックな形状と洗練された色合いが採用されました。バッテリー寿命も引き続き長く、乾電池2本で約40時間のプレイが可能でした。
③ 対応ソフト
・『メタルスラッグ』や『サムライスピリッツ』といったSNKの代表作が、このカラー版に対応したソフトとしてリリースされました。また、『パックマン』などのサードパーティー製タイトルも登場し、ラインアップが充実しました。
④ 互換性
・ネオジオポケット用の白黒ソフトは、ネオジオポケットカラーでもプレイ可能で、カラー版ならではの画面再現が行われました。
⑤ マーケティングと競争
・日本国内外での販売が行われましたが、任天堂のゲームボーイカラーとの激しい競争に直面し、十分なシェアを獲得することが難しかったため、SNKは早期に販売戦略の見直しを迫られることになりました。
３．ネオジオポケットカラー（NEO GEO POCKET COLOR）新バージョン
① 発売日：2000年頃
② 特徴
・ネオジオポケットカラーのマイナーチェンジ版として、細かなデザイン変更が施された新バージョンが発売されました。このモデルは、スティックの感触を改善し、ボタンの反応も向上させたほか、カラーバリエーションがさらに追加されました。
・バッテリー持続時間などの性能は基本的に前モデルと変わらず、ソフトの互換性も保たれています。
③ 対応ソフト
・このバージョンでも従来のネオジオポケットカラーのゲームがそのままプレイできるため、新たな専用ソフトは登場しませんでした。
④ 市場の反応
・改良点は評価されましたが、市場の注目を集めることは難しく、すでにPSPやGBAの登場を控えていた時期でもあったため、大きなインパクトを与えることはできませんでした。
４．ネオジオポケットの周辺機器
・通信ケーブル：複数台のネオジオポケットを接続して対戦プレイが可能。
・ドリームキャストリンクケーブル：セガのドリームキャストと接続し、連動ゲームを楽しむことができる。
５．販売終了とその後
① 累計販売台数
・ネオジオポケットシリーズの累計販売台数は、全世界で約200万台とされています。これには、ネオジオポケットとネオジオポケットカラーの両方が含まれていますが、特に日本市場と北米市場での売上が主となりました。
② 販売終了
・2001年にSNKは経営不振から倒産し、ネオジオポケットシリーズの生産と販売も終了しました。しかし、その後もファンの間では根強い人気があり、現在でもレトロゲーム機として収集されることが多いです。また、一部のゲームはバーチャルコンソールやエミュレーターを通じて再びプレイされるようになっています。
まとめ
ネオジオポケットシリーズは、SNKの技術とクリエイティビティを結集した携帯ゲーム機でした。特に、ネオジオポケットカラーはその色鮮やかな画面と豊富なゲームライブラリで多くのファンを魅了しましたが、厳しい市場競争の中で長続きすることができませんでした。それでも、今なお多くのゲーマーに愛され続けている貴重なレトロゲーム機です。