婚活することにした
弟の第一声に心がミシっと音を立てた。
イカリマークがどこかに浮かんでたかもしれない。
バカかなヴァカなのかな
いや知ってた。弟はバカで愚か者だ。
ちょっと金が手に入ると、なんちゃら啓発セミナーに行きだして、自分勝手に拍車をかけてくる。
そんな大金どうすんだって契約して、代わりに立て替えさせられたこともある。
お姉ちゃんでしょ。
お姉ちゃんなんだから。
この言葉ですべておっかぶせられてきた。
婚活だとお⁉️
貴様などイタダキRIRIちゃんの餌食になって終わりだわ❗
どっかの聖女たまが自ら悲撃のヒロインになるための土台にしかならんわ‼️
と叫べたらどんなにいいか...…
まあ、一般普通女子が、宇宙人に心引かれることはないだろう。という希望的観測。
世の中が全部自分中心、自分ルールで動いてて、そのルール守らないやつは排除排除ってするような、モラハラ夫予備軍にウッカリ捕まることはないだろう。
と自分に言い聞かせ、へえーと返事をする。
それだけで十分だ。
へえーの裏側を読み解く能力も察する能力もないのだから。
それで家庭が平和なのだから。
それでもやっぱりなっとくいかない。
公平にしないとと言われ、私0円、弟100万円の分配金が。
借金返したかった。
子どものために積み立てもしたかった。
できもしない婚活に、どぶに捨てるだけのセミナー代に、みんな消えてしまった。
改めて、私は弟が大嫌いだ。
憎んでる言ってもいい。恨んでるとも言える。存在そのものが許せないとも思っている。
私は清廉潔白な天使のきょうだい児にはなれない。
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