ブランドシュヴァネン犬舎のおはなし
はじめまして、ブランドシュヴァネン犬舎です。
幼い頃から、とにかく犬が大好きで、犬が出る番組は必ずチェックして録画。
公園に行っては、遊具で遊ぶ訳でもなく、バカチョンカメラ片手に、すれ違う犬達を撮影してコレクションする。
そんな犬バカな毎日を過ごしていた日に、小学校の帰り道にたまたま出会った1人のおじちゃんと2匹のシェパード。
それが私のシェパードへの、そして犬の訓練士への道を歩む、運命の出会いでした。
それから、もう数十年経った現在は、むしろ犬好きというよりシェパードがたまらなく好き。
そんな訓練の王様とも言われているジャーマン・シェパード・ドッグを訓練するのが好き。
それがブランドシュヴァネン犬舎の始まり。
緑豊かな、菅原道真公のおひざ元の地【福岡県太宰府市】で
元気で健康なジャーマン・シェパード・ドッグ約15頭が暮らしています。
生れてきて、旅だっていく愛犬達が、ここで穏やかに暮らせるよう
広大な山林650坪に加え、犬舎の脇には800坪の緑のドッグランも併設しました。
皆様にお譲りさせて頂く、【ブランドシュヴァネン犬舎生まれ】のジャーマン・シェパード・ドッグは、私たちが最高のパートナーを飼って頂きたいと、愛情を込めて育てております。
生まれたことにありがとう。産んでくれたことに感謝。
夕方から陣痛が始まり、1匹、また1匹と順調に出産する母犬の傍に付きっきりで見守ります。すでにもう深夜2時。最後の仔犬から随分時間が経ちました。「これは難産になるかも・・・」大きなお腹を横たえた母犬が苦しそうに力を振り絞っています。やっと出てきたのは小さな足。「いかん!逆子だ」慌てて仔犬の足を持って引っ張りました。羊水を飲み溺れた状態で産まれた仔犬は息をしていません。仔犬に吸引器を取り付け、急いで羊水を吐かせ「頑張れ!生きて!」と声をかけ続けます。仔犬が羊水を吐き出し、口を開けて呼吸しようとかすかに動く・・・「良かったーーー!助かった。間に合った!」新しい命の誕生。産み終えた母犬の傍に連れてゆくと乳を吸い始めた仔犬を母犬がペロペロと舐めてあげました。殆どはこのように夜中、深夜の出産が通常です。
私たちは自舎ラインでの繁殖にこだわっています。なぜなら、一から育てることで、その犬たちの性格・サイズ・癖・遺伝情報を知り尽くしているからです。そして、抗生物質やステロイド剤の乱用をする事無く、化学薬品が含まれるドッグフードを使用せずに独自の手作り食で育て、徹底的な衛生環境を維持し、たくさんの運動とスキンシップを大切にして育てています。もちろん、これだけの飼い方をすればエサ代などのコストはかかりますが、ただ産ませて販売するという商業ベースでの飼い方をしないのが、ブランドシュヴァネン犬舎のポリシーです。
食べたものが犬の身体を作る。だから自分と同じクオリティを。
犬舎の食事は、一から手作り。新鮮な鶏肉と鶏ガラを、自分たちでミンチに。そして数種の野菜や季節の野菜を加えて、毎日毎日お鍋でグツグツ煮込む。それに乳酸菌や酵母などを含む愛用品のビッグウッド社の【匠】、ビタミン・ミネラルの理想補給と言われるミツバチ花粉、血液の流れを良くする魚油、腸内細菌に最良の中鎖脂肪酸パウダー、そして隠し味ではないですが【きえ~る】、死海のミネラルをトッピングして与えています。
以前は良いと言われるドッグフードを当舎もいろいろと使用していました。でも、どんな総合栄養食と謳われているドッグフードよりも、この手作り食で育て出してからの方が、犬たちの調子がとても良いし、いつも良い肉付きをするようになりました。そして体臭が無くなったこと。夏場には多発していた皮膚病が無くなったこと。臭いの強かった口臭も気付くと感じなくなったこと。それからは少しずつ犬たちの健康状況を確認しながら、更に内容を見直し、現在のブランドシュヴァネン犬舎の犬たちの食事は完成しました。
「シェパードは胃腸が弱い」
「シェパードは皮膚病になりやすい」
関係者は口を揃えるように、そしてネットでもそういう情報で溢れています。なぜ、「シェパードは胃腸が弱いのか?」そんな疑問に向き合う中で、辿り着いたのが手作り食でもありました。だから胸を張って今は言えます。
「シェパードの胃腸は弱くない!」
「皮膚病もなりやすくはない!」
だって、うちのシェパードは、それ以来、下痢なんてほとんどしないから。皮膚病もほとんどないから。だから抗生物質もステロイドも下痢止めなんかも無縁と呼べるくらい使う機会はありません。ドッグフードや薬剤を使うことこそが犬達の腸内細菌叢を乱し、健康を損なってしまっているのではと改めて思うのです。
母体が健全でなければ良い仔犬は生まれない。なぜなら、東洋医学では自身で対外に排出できない異物は、卵として出すと言われているから。つまり、母犬は自ら産んだその子供達に異物を移し体外に出すことで、自らの身体を守るしくみになっていると言う事。そう考えると少し怖いですよね。でも私たちは、経験の中で何となくこれはバカに出来ないことのような体験もしてきました。だから、絶対、これからもここだけはコストがかかろうが絶対妥協できません。
楽しく、明るく、気持ちよく。犬も私たちと一緒。
シェパードは本来、相当な活動をする犬種。そして原産国はドイツであるため寒さには比較的強いが暑さ、特に湿度に弱い犬種。だから犬たちに快適に過ごしてもらえるように冷暖房完備して飼育しています。そして、排便スペースも1匹1スペースを保てるように、犬たちがみんな同時にお外に出て、我慢しなくていいように、ゆとりをもった飼育頭数を心掛けています。
また、自舎ラインでの繁殖にこだわることで外部からのシェパードの購入を最小限に保つことで様々な病気を持ち込むリスクを最小限に保っているのも特徴です。
また、常に一緒に私たちと生活しているので、些細な変化にも気付くことができます。1日3,4回はお外に出してあげる。そして犬たちの寝床の掃除、消毒をこまめに行い、施設内を清潔に保っています。また、施設内は院内感染予防にも使われている消毒薬を使って空間除菌もダブルで行っています。
犬たちが排泄する場所や遊ぶ場所も施設内同様に、最低週1回は北海道の北見の畜産場で効果をあげている【きえ~る】を散布しており、施設・運動場・排便場どれをとってもブリーダー施設に多い独特の犬臭はありません。
臭いは菌のバロメーター。臭いのある施設で過ごす犬たちは、環境中の菌に暴露され続けている状態です。その異物を呼吸として吸い続け身体に溜まり過ぎると犬はリセットしようと下痢をする。でも環境中の異物量が多過ぎるからまたすぐに異物が溜まり過ぎてリセットするために下痢をする。そもそも環境除菌をもっと見直せば下痢はなくなる。それを知ったから、環境衛生にかかるコストも惜しまない。
相手を思いやり、共に生きてゆく。そんな日々を重ねて犬たちを育む。
シェパードは臆病で神経質だけど好奇心が強い犬種です。一頭一頭性格が違い、自分の仔犬にお乳をあげない無関心な母犬や、よその仔犬の面倒までみる犬もいる。
とっても甘えてくる人懐っこい犬が多いですが、人の手を怯える子もいますし、この月齢から恐怖心から噛みついてくる子も。大型犬ですから、噛みついたり攻撃的にならないように、お引渡しする生後8週齢までは一切母犬と離しません。なぜなら、離乳過程において、母犬が仔犬たちにする【断乳式】がとっても大切なしつけの第一歩だということを知ったから。この母犬のしつけが終了していなければ、今後の新しい飼い主さんとのしつけに不具合が生じるから。
そして、人と共に生きていく動物。だから人に対してとにかく良いイメージを養うために、たくさんの触れ合い時間を確保し、犬たちに話しかけることを大切にしています。
私達は犬達のお陰で生活が成り立っています。”犬たちに養ってもらっている”という気持ちをスタッフ全員が忘れないよう心に刻んで、毎日を犬達と共に生きています。
一生に一度でいい。最高のシェパードを作り上げたい。
最初、繁殖を始めた時はドッグショーで勝てる犬を作りたい。そんな気持ちで師匠のもと、成績ありきの繁殖をしていました。ただ、「勝ちたい」「優勝したい」「日本一になりたい」そんな一心で繁殖していたのですが、シェパードを追求する中で、原産国ドイツでの繁殖条件を知った時、自分に雷が落ちたような衝撃を受けました。特にシェパードに多い遺伝性疾患の股関節形成不全症(HD)、肘関節不全症(ED)を知った時、日本はまだそんな病気を気にする人もいなかったのです。私はすぐに自分の愛犬を検査しました。そしてほぼ半数以上の犬がこれらの疾患を発症していることを知りました。そして、その子達は年齢と共に足腰に問題が出て、思う存分走り回って楽しむ犬生とは程遠いものとなった我が愛犬を見て、同じ繁殖をしてはいけないとその時決心しました。
それから後に変性性脊髄症(DM)という遺伝病を知り、私はすぐにこの問題にも対処しました。当時はまだ国内に調べる機関がなく、海外のラボに検査を出しました。この問題を国内のシェパード関係者へ広報し出した甲斐あって、その十数年後には、DMは日本唯一のシェパード単犬種団体である公益法人 日本シェパード犬登録協会(JSV)が撲滅への活動をスタート。
こんなこだわりの末に残った1匹の愛犬シェパードを礎としてブランドシュヴァネン犬舎の現在があります。
私にとってブランドシュヴァネン犬舎産初の日本一を獲った犬。
その子の名前は『ローラ』
臆病な犬で、私以外に懐かないくらいの子。その代り、私への忠実心と執着心が強く、私の元へひたむきに走ってきてくれる、そんな動きを評価されて日本一に2度輝いた子です。
そしてローラちゃんを8歳という若さで亡くし、いつかローラちゃんの子孫で毎年ドイツで行われている世界一のシェパードを決める大会、「SVジーガー展に出場する!」を目標にひたすら、シェパードのスタンダードを追求し繁殖してきました。
ドイツにも実際に何度も足を運んで、SVジーガー展を視察。ドイツの名門犬舎にも訪問して犬学向上に努めてきました。
そして、ドイツの大会に出場するために必要な訓練資格として、国際訓練試験IPO(現在はIGP)を取得しないといけないと知り、それから私の数奇な第二の犬生がスタートしました。IGPに無知な私は、自分でこの訓練を出来るようになることが必須だったので、当時繁殖していた訓練系統の子で、これまたご縁でIGPの世界大会に日本代表として出場した方に教わるように。そして1匹の牡犬ラムセス号(通称 ロディ君)をその方に託し、IGPの訓練分野にも関心を持つようになりました。
ショーに出場する為にと始めたIGPの訓練だったのに、気付けばIGPの大会で2019年、ロディ君と共に日本一に!!そしてまさかの世界大会に日本代表として出場することになりました。それは私にとって本当に転機となりました。残念ながら翌年、ロディ君は天国へと旅立ち、そこから私のシェパードへの葛藤が始まったのです。ロディ君との忘れ物を取りにもう一度世界訓練大会に出たいという気持ちとローラちゃんとの約束を達成したいという、二足の草鞋状態。
ショーか??いや訓練か??どっちも中途半端な感覚では絶対世界大会を目指すのは無理と分かっているだけに・・・
行きついた答えは、「両立犬」。
そんな矢先に、世界大会にはもう一つ、ユニバーサルジーガー展というものがあることを知りました。調べると、
ドッグショー+IGPと書いている。つまり、ショーの成績と訓練の成績の総合で競う大会。まさに、私のためにあるのではないかと思うくらい、私がやりたかった事は、まさにコレだ!!
IGP作業を耐えきれる骨格構成。そして作業の基礎となる性格の構築。動く物を捕まえたいという狩猟本能。
これらを備えた上で、限りなくスタンダードに近い美しいシェパード像。
それは、ショー犬をやってきた人間でも訓練犬をやってきた人間でも出来ない分野。それが、当舎には揃っている。きっとこのために今までがあったんだと思えるくらいに。
グレッチェン号 福岡県警嘱託警察犬
私たち家族の願いは、元気に「さよなら」すること。
とはいえ、私たちが全ての生まれてきた子たちを育てれる訳ではありません。より良いものを継承し続けることこそが繁殖者の使命。だから、私たちは全国の愛犬家の方にお願いする立場であるということ。
その残された子達に、最高の新しい家庭をみつけてあげて、最高の犬生を送れるように導いてあげたい。健康に、いつまでも元気に走り回り続けれる健全な子を作ることが使命で、その延長線に、私たちの夢やロマンがあると思っています。
ブランドシュヴァネン犬舎のこだわり
■腹いっぱい食べさせてムチムチに筋肉質に太らしてあげる。
■大き過ぎるサイズ、深すぎる角度と長過ぎる骨の改善を目指す。
■作業するには不適正な大き過ぎる顔頭部の排除。
■過度に臆病な性格の不安定な犬の排除。
■DMを発症させない計画繁殖。
■股関節・肘関節を配慮した計画繁殖。
■初心忘れず犬の気持ちになり、犬それぞれの個性を知って対応する。
■生後8週齢までは絶対に母犬と兄弟姉妹と一緒に生活をさせて育てる。
■無駄な駆虫薬を用いない。アレルギー体質になるから。
■引き渡しまでに、健康診断と検便、6種混合ワクチンを接種する。
■スタッフ一同で愛情を持って、笑顔で犬たちと接する。