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広告デザイン事例 東急プラザ銀座 「SENSE OF FALL」

今日は私が手掛けた直近のマス広告のデザインワークをご紹介したいと思います。普段はデザイン・ブランディング論を綴るのみですので、実際の事例も交えてお話できたら、デザインに興味のある方々には制作プロセスで何が行われているのか、より理解が進むのではないかと思います。

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このところ多忙で、ご紹介タイミングが遅れてしまいましたが、10月7日よりすでに始まっている大型キャンペーンで、11月3日まで、銀座の東急プラザにて開催されています。5000円以上お買い上げの方々には、お買い物やお食事にご使用いただけるスクラッチカードを10月28日より配布されます。

さて。
今回のお仕事では、通常のアートディレクションとデザインだけでなく、企画のキャッチコピーから提案することになりました。

広告施策コンセプトは



「オンライン販売では、体験できない商品魅力を訴求する」



という内容を提案しました。
コロナの影響や、Ferfetchなどの外資ファッションECサイトの躍進の影響で国内の百貨店への客足が落ちてきている中で、「実店舗へ訪問することでしか経験できないもの」に焦点を当てたコンセプトを提案しました。

基本的にオンライン購買では、みなさんカラー管理がされていない画面で見る商品が多いのではないかと思います。つまり、正しい色が見れていないわけです。色以外にはたくさんあります。サイズ感、質感、ものによっては匂い、音があります。ネットを通じて感じられる感覚には限界があり、今でこそ商品無料返品可能という業者が出てきている中で、やはり百貨店での「購入体験」というのは、オンラインでは経験できないものを提案するべきだと考えました。

そこで、購買前に「商品を五感で感じてみましょう」というコンセプトの元に以下の英文メインキャッチコピーを考えました。



「SENSE OF FALL」



サブコピー

「五感で味わう。秋の新作」




これに添える形で、five sense の

「FEEL」
「HEAR」
「SMELL」
「LOOK」
「TASTE」


これらのキーワードを組み入れました。

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実は、私は本職はディレクションやデザインの方で、コピーライティングではないのですが、時折このような依頼も受けることがあります。

そこで、デザインワークを提案するにあたり、どんなことを考え、提案に至ったかのデザインプロセスも合わせてご紹介できればと思っています。一部、専門的な話もしていきます。

クライアントへの提案で、写真のタイポグラフィー(文字だけの表現)によるものが採用されたのですが、その他にもダンサーやクリエイティブインフルエンサーを起用した「クリエイティブな女性像」案と、インテリアを3Dグラフィックで作り込んだ「秋のアイテムで家を飾る」案を提案しました。
ちなみに、このところ他の百貨店だけでなく一部ハイブランドでも「アート」が一つのキーワードになっている気がします。ショーウィンドウでも比較的多く目にすることがあり、この「アート」色を入れた案として、「クリエイティブな女性像」案をつくりました。私の別事業であるインフルエンサー事業で登録されているダンサーを提案しました。惜しくもこちらの案は採用とはなりませんでしたが、結果的には提案に至ったことはよかったと思ってます。

銀座の一等地に立つ百貨店であり、年齢層も丸井やルミネとは違い少し上の女性層が目立ちます。ですので、立地やターゲットに合う「品格」を感じさせる広告です。そのため銀座の立地や購買層に合う、可能な限りシンプルなイメージで仕上げました。そこに季節感(秋)を反映した色を添えたデザインです。


ここでデザイナーやデザインの技能習得をされている方々に向けて少し専門的な話をします。
デザインワークのタイポグラフィーは、全て一つの書体のみで構成されていて、アメリカで今広告で一番多く使われていると言われる「Gotham」という書体を作ったニューヨークの著名なフォントファウンダリーの書体を起用してます。
ファミリー書体には4ウェイトがあり、それぞれのウェイトに6〜9の字体の横幅違いを揃えています。コンデンストタイプの種類が多いということですね。ただ、結果的に使った書体はこのうちの2種を組み合わせただけです。というのも書体の多用はただの情報過多にもなりかねないので、その辺のデザインバランスは考えました。よりシンプルな印象に仕上げるための意図で、書体サイズは同じ媒体で基本的に大中小の3パターンのみで使い分けてます。サイズ展開が多いとその分情報も煩雑に見えてくるためです。

色も一見2色の特色で構成されているような、色数を絞ったメインビジュアルになりました。「感覚」というと、「手」や「肌」というものが容易に連想されます。ですので、「肌色」をベースカラーにデザインをしました。ここに合わせてキャンペーン期間の「秋」色を加えた案をバリエーションで7案ほどつくり、提案しました。

結果的に、キャッチコピーもキービジュアルも含め、初期提案に対しての修正依頼はなく、進めさせていただくことができました。


広告はキーヴィジュアルを先にデザイン制作して、それをその他の色々な媒体に展開させていく流れて作ることが多いのですが、今回もこのケースで進めることになりました。店内、屋外含めて複数の媒体がありましたので、それに合わせたサイズや見せ方のデザイン調整を行いました。以下が展開媒体の一部をご紹介します。

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サイネージ9面

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入り口柱巻き

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縦型サイネージ


その他、B1ポスター、B5版店頭チラシ、スクラッチカード、屋外コルトン広告などの媒体にもリサイズ展開をしてます。

最後に。
多くの人が関わる広告のお仕事。それぞれの部署の方々の時間やスケジュールなど、やはりデザインやコピーだけでなく、同じくらい重要になるのは、双方で確認にかかる時間やタイミング、そこのミスコミュニケーションを潰していき、うまく進行管理を進めることがいかに大切か。。。
改めて痛感しました。

貴重な体験でした。






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