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2022年メキシコペソの見通し
1月5日 改定 2021年末のトレンドについて訂正しました。
1.はじめに
基軸通貨アメリカドルとメキシコペソの見通しを考え、その上でペソ円の見通しについて考えてみました。
2.ドルペソ(USD/MXN)の見通し
(1)アメリカ金融緩和終了の発表と2021年の終値
2021年12月15日、FOMCによる金融緩和終了の前倒し(3月中旬終了)発表後、一旦、下振れしました。しかし、2021年11月に発生したオミクロン株関連の下落からの上昇の流れは年末まで続きました。
12月17日の予想を超えるメキシコ中央銀行の政策金利発表も上昇の流れに影響を与えたかもしれません。
但し、オミクロンに関連した下落トレンドがはじまる前のレートに回復できず、2021年のドルペソは下落が確定しました。
2021年始値 19.9239
2021年終値 20.4619
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(2)アメリカ利上げ開始時のドルペソ
上記、チャートの水色の左下の背景色は、リーマンショック後の金融緩和期間、右上はコロナ後の金融緩和期間です。
2022年は、上記のチャートを見る限り、1ドル20ペソを回復する可能性は低いと思われます。
コロナ感染拡大による下落時の25ペソを超えて下落することや、過去の下落率から30ペソまで下落することを考慮した投資が必要になりそうです。
前回の金融緩和の終了3カ月前から利上げ開始時点のドルペソの下落率を上記のチャートから計算した結果は、約▲21%でした。
2021年12月25日の終値、20.6150ドルペソから換算すると、2022年にアメリカが利上げを開始するときの始値は、25(24.94)ドルペソになります。
そして、2022年中に3回の利上げが行われ、また何か悪材料が発生することを考慮しておくと、30ドルペソを考慮しておくべきだと思います。
(3)2022年のアメリカ金利上昇にともなう円安
金利が上がる可能性に乏しい円は、2022年のアメリカの金利上昇にともない円安が続くと想定されます。この時、ペソ円は、もう少し緩やかに下落すると思われます。
またドルとの関係で下落がはじまっているのに、円安で気づかないケースも考えられます。
※ 参考までに
ドル円が114円の時
ドルペソが20ペソ -> ペソ円は、5.70円
25ペソ -> 4.56円
30ペソ -> 3.80円
ドル円が116円の時
ドルペソが20ペソ -> ペソ円は、5.80円
25ペソ -> 4.64円
30ペソ -> 3.86円
3.ペソ円(MXN/JPY)の見通し
(1)アメリカ金融緩和の終了
上記に記載したドルペソの下落トレンドと比べ、ペソ円の値動きは必ずしもそうは見えません。
2014年末の金融緩和終了当時のチャートを見ても同じ傾向がうかがえます。
2014年末、そして2021年末、ドルペソの下落トレンドから確認できるペソの安さ以上に、円が安かったためです。
しかし、一定レベルまでアメリカの利上げが織り込まれ円安が進むと、しだいにドルの割高感からか、円安は終わり、円が買われ、ペソ円も下落しています。
ペソ円の場合
2014年の金融緩和終了時、下落前の11.057円を回復することはできていませんが、2014年の金融緩和終了時には、リーマンショク後の最安値5.330円から8.509円まで、半値程度、戻せています。
これはペソ以上に、円が安かったことを示しています。
その後・・・
5.3円が長年、サポートとして機能しているように思えます。2016年の大統領選挙やコロナで、これを下回るケースはありましたが、2021年も、この5.3円がサポートとして強く働いたように見えました。
但し、2022年3月までは、金融緩和期間中となります。
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(2)アメリカ利上げ開始時のペソ円
過去を見ると、2014年の金融緩和終了時には、8.509円だったのが、利上げ開始時には、7.472円まで下落しています。
メキシコの中央銀行は利上げを継続していましたが、5.3円をサポートとして6.1円付近をレジスタンスとするレンジまで下落しています。
(3)2022年のアメリカ中央銀行の利上げ開始時には・・・
しだいに、5.3円がレジスタンスとなり、4.2円がサポート、アメリカの中間選挙やリスクオフの場面では、3.78円付近まで下落することがあるかもしれないですね。
4.まとめ
約10年くらいは、安値で買っておけば、スワップポイントで利益を積み重ねることができた場面がありますが、2022年は、過去のデータでは2015年から2016年にあたり、落ちるナイフを拾ってしまう確率がとても高いように思えます。
メキシコペソへ、外貨預金でなく、FXでスワップポイントを稼ぐ投資をするつもりで分析をすすめましたが、半年の定期預金みたいな投資は危険だと思います。
外貨預金で手を出すのは論外。
やるなら、4.2円か、3.78円まで、Do nothing。
もしくは、短期、デイトレードですね。
※ 分析内容は、あくまでも個人的なものです。投資する・しないは自己責任でお願いします。
個人的には"Do !"
するつもりでいます。